マジでうまい。アサリは豚肉との相性が最高で、さらにピリ辛酸っぱい味がよく合うわけで、これはアサリの料理として一二を争うウマさなのだ。
そろそろアサリの季節なのだ。アサリは3月から4月にかけて身が膨れ、5月に産卵するとまた一気に痩せる。
アサリは酒蒸しや味噌汁、中華風ならオイスターソース炒め、洋風ならクラムチャウダーと、うまい食べ方はいくつもある。ただしこのところ夕食は、単品料理ですべてを賄うことにしている僕は、メインの具材がアサリだけだと、スタミナ的に不足である。
そこで登場するのは、まずは豚肉。アサリと豚肉の相性がよいことは、キムチチゲが証明している。
なのでそのままキムチチゲにアサリを入れたのを作ってもいいのだが、さらにアサリは、「甘辛酸っぱい味」がよく合うのだ。
これは「ぬた」だ。アサリを初めとする貝類は、甘い白みそを酢とからしで溶きのばしたからし酢味噌で、ネギといっしょに和えると最高にうまい。
となれば、一品でスタミナ的・ボリューム的に十分なのは、酸辣湯麺。
これは死ぬほどウマかった。
入れるものが多いので、段取りが一見複雑そうに見えるが、実際にはそれほど大したことはなく、時間もあまりかからないので、作ってみるのはおすすめだ。
アサリと豚肉のほかに、まず入れる必要があるのは長ねぎ。アサリは、ネギといっしょに甘辛酸っぱい味にするとウマイのだ。
長ねぎはニラなどでも代用可で、その場合にはニラと相性がいい玉ねぎを入れるのがいい。きのうはチンゲンサイが余っていたから、それを青菜と相性がいい長ねぎと合わせることにした次第。
青菜はチンゲンサイではなく、小松菜などでももちろんいい。
それからだしを干し椎茸で取るから、それは具としても当然入れる。この干し椎茸は、タケノコと相性がいいのである。
さらに味吸いとカサ増し担当に、きのうはもやしも加えることにした。
初めにニンニク、最後にゴマ油を加えることで、コクをつける。辛みは豆板醤、酸味は酢。
そして器によそってから粗挽きコショウをたっぷりかける。すると辛みに奥行きが出てまた一段とうまくなるという企画。
作るのは、初めにニンニクと豆板醤、次に豚肉を炒めるところまでは、ゆっくりでいいのである。豚肉は弱火で炒めた方が硬くならずにおいしくできるし、途中で火を何度止めてしまってもかまわない。
ただし葉野菜とアサリを入れてからは、火を少し強めて手早くすすめることが必要。時間がかかると、葉野菜はやわらかくなり過ぎるし、逆にアサリは硬くなってしまうからだ。
麺はきのうも、焼きそば用の袋入り中華蒸し麺。
麺の味はほんとに値段に比例するから、1袋40円くらいの普及品ではなく、60円とか、あれば80円とか、できるだけ高いのを買うのがおすすめだ。
アサリ・1パック(150グラムとか)は、一応細かく書けば、
- 水 2分の1カップ
- 塩 小さじ2分の1
くらいの割合の塩水に1時間程度ひたして砂を出し、そのあと両手で殻を擦りながらよく水洗いする。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ (2カップのだしが取れる)
- 干し椎茸(中) 3枚
を入れ、フタをして中火にかけ、煮立ったら火を止めて15分くらい置き、だしを取る。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 豆板醤 大さじ1
を入れて弱火にかけ、2~3分じっくり熱して味をひき出す。
豚コマ肉・100グラムくらいを食べやすい大きさに切り、引きつづき弱火でじっくり炒める。
豚肉に火が通ったら、(ここで野菜を切ったり調味料を合わせたりするあいだ、一旦火を止めてしまってもいい)、
- もどした干し椎茸 (汁気をしぼり、石づきの先だけ切り落として1センチ幅くらいに切る)
- 水煮タケノコ 4分の1本 (2ミリくらいの厚さに切る)
- 長ねぎ 10センチくらい (斜め切り)
- チンゲンサイ 1株 (ざく切り)
- もやし 2分の1袋
- 水洗いしたアサリ
を入れ、中火で1分くらい炒めて油を絡ませる。
合わせておいた調味料、
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ2 (絶対に薄口である必要がある)
- オイスターソース 小さじ1
- コショウ 1~2振り
を入れてさらに1分ほど炒めて味をなじませたら、干し椎茸のもどし汁・2カップを加える。
煮立ってきたら弱火にしてアサリの殻が開くのを待ち、殻が開いたら、味をみて塩加減する。
すかさず中華麺(蒸しでもゆででも)を入れ、箸で混ぜながらキッカリ60秒間煮て、
- 片栗粉 大さじ2
- 水 大さじ2
水溶き片栗粉をスプーンで加えては混ぜしてトロミをつける。
最後に、
- ゴマ油 小さじ1
- 酢 大さじ1
を入れ、ひと混ぜして火を止める。
粗挽きコショウを振って食べる。
これは、うまい・・・。
アサリのうまみがだしに加わるのが、またタマラナイのだ。
というわけで、きのうも飲み過ぎたわけである。
これだけうまいものを食べ、しかも飲み過ぎない方法があるのなら、まったく教えてほしいものだ。
「調子に乗らなきゃいいんだよ。」
そうだよな。