マーボー味で炊き込んだ、ピラフ。マーボーライスより手軽にできて、しかも米に味がバッチリしみているから、こちらのほうが絶対うまい。
ごはんの場合「炊く」という言葉を使うから、何となくほかの料理とちがう感じがするのだが、考えてみたらこのピラフ、具と米を油で炒め、それから水を入れて煮込むので、「炒め煮」の一種なのだ。
なので炒め煮の手法をそのまま流用できることになるわけで、となれば、やはりマーボー。
マーボーがごはんに合うのは知れた話で、「マーボーライス」は立派なメニューの一つである。しかし炊いたごはんに汁をかけると、ちょっとベッチャリとしてしまうのは否定できない。
ところがこのマーボーピラフ、マーボー味の汁で炊くから、米の芯まで味がしみているのにもかかわらず、ベチャベチャ感はまったく皆無。しかもフライパン1つでできるから、米を炊いてマーボーを作ってというのにくらべて手軽だし、マーボーピラフの登場により、マーボーライスの存在意義が危うくなるのは、ドライカレーと同様だ。
作り方は、きのうのカレーピラフとまったく同じ。カレー粉が豆板醤に、玉ねぎが長ねぎになるというだけの話だ。
水の量は、下のレシピは1人前・米2分の1カップだから、蒸発する分を考慮にいれて、液体調味料とあわせて2倍強となっている。でも2人前・1カップで作る場合は、液体調味料もふくめて1.5倍程度にするのがいいと思う。
(ということは、米2分の1カップの場合、下のレシピによれば水+液体調味料で250ccのところ、1カップの場合は300ccとなるから、それほど変わらないということ。液体調味料も、1カップの場合でも下と同じでいいと思う)
作り方
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- 豚ひき肉 100グラムくらい
を入れ、弱めの中火くらいの火加減で、豚肉の水気が完全に飛び、ちょっと焼色がつくまで5分くらい、じっくり炒める。
フライパンをななめに傾けて油を集め、油が足りなければ少し足して、
- ニンニク 1かけ(みじん切り)
- 豆板醤 小さじ2
- 長ねぎ 10センチくらい (みじん切り)
を入れて、5分くらい炒めて味をひき出し、米・2分の1カップを洗わずにそのまま入れて、1~2分、米が油を吸って透き通ってくるまで炒める。
- 水 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 薄口しょうゆ 大さじ1 (薄口にするのは色を黒くしないため)
- オイスターソース 小さじ1
- コショウ 少々
を入れて中火にし、1分ほどフライパンを揺すりながらしっかり煮立てる。
フタをして、弱火で25分炊く。
蒸らさずにすぐに器によそい、粗挽きこしょうと、酢を少々かける。好みでネギの刻んだのなどを散らしてもよい。
これは、ウマイ……。
マーボー味が米の芯までしみたのは、563回は死ねる。
米を炒めてから炊くと、芯がほんの少し残った「アルデンテ」の状態になる。これがまた、たまらない。
そしてこれは、まずまちがいなく酒にバッチリ合うのだが、今朝も「朝だから」というだけの理由で、飲まなかったわけである。
朝だから飲まないのなら、「夜だから飲まない」ともなりかねないわけで、こんな理不尽なことをなぜ僕は続けているのか、自分で自分が理解できない。
「勝手にすれば」
そうだよな。