サンマはスーパーに売っているのでも生食できる。挑戦しようと思うなら、「なめろう」から始めるべき。
サンマが最盛期になってきた。これから11月にサバが出てくるまでのあいだは、ひたすらサンマを食べることになるわけだ。
サンマはもちろん、まずは塩焼きが代表料理。これが文句なくうまいのは、もちろん言うまでもない。
でもサンマがいいのは、「生」が食べられることなのだ。
魚はどんなものでも、火を通すより生がうまいのは知れた話で、サンマの場合、スーパーで普通の値段で売っているやつでも、生で食べられるのである。
200円もしない値段で、上等の生魚が食べられるわけだから、これは放っておく手はないわけだ。
サンマはぜひとも、生食に挑戦すべきなのである。
生食も、食べ方は色々あるが、まずは「なめろう」から始めるべき。
なめろうは、たたいて粉々にしてしまうから、三枚おろしに失敗し、見た目が悪くなってしまっても問題ない。
それから味噌で濃い味をつけるから、たとえば洗い方が弱くて血が残り、生臭みが出てしまったなどという場合でも、気にならない。
なめろうなら、初心者が犯しがちな失敗をカバーしやすいわけである。
サンマは、スーパーで頭とワタを付けて売っているものは、市場でその日の朝に仕入れているから、基本的には生で食べられる。
ただし、鮮魚コーナーの担当者に、
「これは刺し身で食べられますか」
とは聞いてみるべき。
サンマは時々、トロ箱に山と積まれて売られていることがある。その場合など、外気に触れて、悪くなっていることもあるからだ。
それから買ったサンマを持ち帰る際にも、多少は注意しないといけない。氷をサンマと一緒に入れておくことなどは必要だ。
買ってきたサンマは、三枚におろす。
これは全く、何も難しいことはないから、下の動画を見てやってみたらいい。
包丁は、サンマやサバなどの青魚をおろすには、家にある普通の包丁で大丈夫。ただし事前に、簡易研ぎ器でしっかりと研いでおく必要はある。
魚をおろす場合のポイントは、「血を残さないこと」だ。生臭みの原因となるからで、魚をおろしたら魚をきれいに洗うのはもちろん、まな板や包丁も、水できれいに洗っておく。(洗剤を使う必要はない)
おろしたサンマをまな板にならべ、薬味と一緒に包丁でたたいていく。
薬味は、
- みそ(きのうは八丁・赤だし味噌) 大さじ1ほど
- おろしたショウガ 2センチ大くらい
- 青ねぎ 適当な量
は絶対に必要で、何ならこれだけでもいい。
きのうはここに、ちょうど季節のみょうがも加えた。
「たたく」と言っても、ほんとに「トントン」やるというより、初めは「ザクザク」と切っていき、あとはみじん切りの要領で、包丁の先を手でおさえ、包丁を弧を描くように動かすと、やりやすい。
それと、みそと薬味が均等に混ざるようにするため、たたいては、包丁で片側をすくい取って裏返して重ね、としていくわけだ。
なめろうは、魚肉をどの程度の大きさにするかで、食べ応えが大きく変わる。よくたたいて滑らかにするのもいいし、1センチ大くらいの身が残るようにするのもよく、これは完全に好みの問題。
おれは、今のところは、半分はよくたたき、半分はコロコロした身を残しておいて、それをブレンドするようにしている。
たたき終わったら、適当な形にまとめて、青じその上に乗せる。
きのうはさらに、これを少し冷ましたご飯に乗せた。
「これは、たまらない、、」
ご飯も酒も、何杯でもイケる味。
あとは、豚肉と豆腐の吸物。
- 5センチくらいのだし昆布と、ミニパック4袋分くらい(10グラム)の削りぶしを、2カップ半の水に入れて中火にかけ、沸き立ってきたら弱火にし、あまり煮立てないようにしながら10分煮出す。
- 酒・大さじ2、みりん・小さじ2、淡口醤油・大さじ2弱で味をつけ、食べやすい大きさに切った豚こま肉・100グラムと、手で大きめにちぎった木綿豆腐・2分の1丁を、やはりあまり煮立てないようにしながら10分煮る。
- 石づきを切り落とし、ほぐしたシメジ・2分の1パックと、ざく切りの青ねぎ・1~3本(太さによって)を加え、1分ほどサッと煮る。
それに、農家のおばさんのキュウリ古漬け。
酒は、冷や酒。
なめろうは、酒が進むこと、この上ない。だからなめろうが肴だと、飲み過ぎてしまうのは不可抗力だ。
べつに寝る前の記憶がなくたって、覚えておくべきこともないのだから、問題はないのである。
「歯磨きは忘れると歯がなくなるよ。」
そうだよな。
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