サンマの酢じめ。これは絶対に作るべき。
「人間は、酢じめを作れる奴と、作れない奴とに分けられる」
とすら思うのである。
青魚の酢じめのウマさは格別、酒に合うことこの上なく、また酢飯と合わせて寿司にすれば、これが絶品。「この世の最高のごちそうの一つ」と言えるのは、間違いないことだろう。
しかも酢じめを作るのは、全くもって難しい話ではないし、おまけに青魚は値段も安い。「作れない理由」がないわけだから、それができないのは、まず「作ろうとしない奴」。
これは単純に、鈍感で頭が悪い。
それから「作りたいけれど、一歩を踏み出す勇気がない奴」。
これは、あまりに情けない。
そんな奴らにかまけている暇はないから、おれはきのうも、サンマの酢じめを作って食べるわけである。
これは絶対、作るべきだ。
酢じめにするには生のサンマを使ってももちろんいいが、きのうは新物の塩サンマを使った。
塩漬けにする手間が省けるから、作る時間が大幅に短縮される。
これを三枚おろしにする。
サンマなど青魚の三枚おろしは、家庭用の包丁でも、簡易研ぎ器できちんと研げば、まったく問題なくできる。
三枚おろしのやり方は、こちらの動画を見るのが分かりやすい。
あらは捨てずに、あとで吸物のだしにする。
生のサンマを使う場合は、ここで表と裏に、たっぷりと塩を振る。皿に乗せ、冷蔵庫に2~3時間入れておく。
サンマをよく洗って水気をふき取り、酢に漬ける。
酢にはカドを取るため小さじ2分の1ほどの砂糖を溶かし、5センチほどのだし昆布を一緒に入れる。
1時間ほど酢に浸したらとり出して、酢をふき取り、頭の側から指でつまんで皮を剥ぐ。
ただしサンマの場合、酢に浸すと皮が柔らかくなりすぎて、うまく剥げないことがある。その場合には、無理に剥ぐ必要はない。
それから中骨は、サンマの骨はもともと柔らかい上、酢に漬けてさらに柔らかくなっているから、取る必要はまったくない。
酢に浸したら、できれば2~3時間おき、味をなじませるのが良い。
でももし時間がなければ、すぐに食べてしまっても問題ない。
適当な大きさに切り、青じそを敷いた皿に盛り、タテのせん切りにしたみょうがを添える。
ショウガぽん酢で食べる。
「た、たまらない、、」
トロトロに脂が乗っている。
もちろん、最後に少し残しておいて、ご飯に乗せて食べてもバツグンだ。
それから、サンマあらの吸物。
これがまた、いいだしが出るのである。
あらは、頭はタテ半分に割り、水洗いして水気をふき取り、生のサンマを使った場合は、塩を振る。
中火にかけ、よく熱したフライパンに入れ、表と裏を1~2分ずつ軽く焼く。
鍋に2カップ半の水と焼いたあらを入れ、中火にかけて、煮立ってきたらほんの軽く沸き立つくらいの弱火にし、アクを取りながら15分くらい煮る。
あらをザルで濾すと2カップくらいのだしが取れているはずだから、ここに、
- 酒 大さじ2
- 淡口醤油 大さじ1
くらいを味を見ながら入れる。
お椀に、とろろ昆布少々と、水に浸してよく絞った焼麩、小口切りにしたみょうがを入れ、サンマあらのだしを注ぐ。
あとは、おとといの焼きサバ炊いたん。
それに、たたきキュウリのピリ辛和え。
タテ縞に皮を剥き、すりこ木でたたいて食べやすい大きさにちぎり、塩1つまみで揉んで20分くらい置いて、水洗いして水気をふき取ったキュウリを、酢、醤油、ラー油、削りぶしそれぞれ少々で和える。
酒は、冷や酒。
きのうもまた、飲み過ぎた。このごろ料理をつくる前と料理中にも、これまで焼酎水割りだったのが冷や酒を飲むようになったので、なおさらヘベレケになるのである。
おかげできのうも、寝た時のことを全く覚えていないのだが、べつに寝る時のことなど覚えていても、一文の得にもならないのだから、それでいいのだ。
「それじゃ彼女もできないね。」
そうだよな。
◎関連記事