サンマの炊き込みご飯はうまいのだ。しかも工程はすべてフライパン1つでできる。
炊き込みご飯というと、何となく「鶏肉」を入れるものだと思っている人は多いのではないか。たしかに鶏肉の炊き込みご飯はうまい。でも魚の炊き込みご飯は、これに輪をかけてうまいのだ。
作り方は基本はおなじで、塩焼きした魚をしょうゆベースの煮汁で炊く。臭みが出るのではないかと心配する人もいると思うが、塩焼きするから臭みは完全に抜ける。
鯛やハモなどは定番だし、それ以外のどの魚でやっても、魚のうまみがご飯のうまみと見事なまでのマリアージュを果たし、大変うまい。
サンマなど、一番臭みが出そうなものだが、そんなことは全くなく、鼻血がダラダラと流れつづけて出血多量で死ぬのではないかと思うほどうまい。
ぜひ試してみるべきだ。
作るのは今回、サンマを焼くのもご飯を炊くのも、フライパン1つでやった。「魚焼きグリルがないから」とか、「土鍋がないから」などという言い訳は、できないようになっている。
作り方
まずはサンマを焼く。
サンマは頭を落として腹をさき、ワタと、背骨の脇のところにある血合いを包丁の先でかき出して、よく洗う。
水気をふき取り、塩をパラパラと表と裏にふりかけて、3等分くらいに切る。
フライパンを弱めの中火くらいにかけ、よく温める。フライパンで魚を焼く際の最大のコツは、よく温めることなのだ。魚を置いたとき「ジュッ」と音がするくらい温めておけば、くっ付いてしまうことはない。
魚を置いたらフタをして、2~3分、こんがりと焼き色がつくまで焼く。ひっくり返したらフタをせず、やはり2~3分、こんがり焼き色がつくまで焼いて、皿にとり出しておく。
魚の表を焼くときにフタをするのは、火を中まで通すため。ひっくり返してからフタをしないのは、水気を飛ばすためだ。
米・2分の1合はあらかじめ研ぎ、ザルに15分~30分くらい上げておく。
洗ったフライパンに入れ、その上に、
- ごぼう 10センチくらい (泥をナイロンたわしでこすり落としてよく洗い、ささがきにして水に5分ほどひたしておく)
- 油あげ 2分の1枚 (細く刻む)
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 焼いたサンマ
- 水 4分の3カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 薄口しょうゆ 大さじ1
を入れていく。
ニンニクは、ショウガ・1~2センチ大ほどでもいいのだが、やはり青魚にはニンニクが合うのである。あまりに合うのでニンニク単独の味はせず、知らない人に食べさせたらニンニクが入っているとは気づかれないはずだと思う。
それからこれを米1カップでやる場合、
- 水 1カップ
- 酒とみりん・薄口しょうゆをそれぞれ大さじ1ずつ
でやるのがいいと思う。分量は単純に2倍にはならないので、注意が必要。
中火にかけ、煮立ってきたら1分間しっかりと沸騰させ、弱火にする。10分炊いて10分蒸らし、茶碗によそって好みで白ごまをふる。
これはマジで、552回は死ねる。
どぎついことは全くなく、非常にマイルドな味なのだ。
そしてこれが、酒にたいへん合うにも関わらず、今朝も「朝だから」という理由で酒を飲まなかったのだ。
もう僕は恥ずかしくて、人様に顔向けできない気持ちだ。
「できるよ」
そうだよな。