濃い味がつけられているスパムでなく、豚精肉をつかう場合、やはりゴーヤチャンプルーには味をつけることが必要。ちょっと中華っぽいしょうゆ味は、となれば定番になるわけで、これも377回死ねる。
ゴーヤチャンプルーのレシピを色々見ていて、現地の作り方に忠実なレシピの場合、ほとんど塩コショウしか使わないことが多いのを以前から不思議に思っていた。「沖縄の人はしょうゆをあまり使わないのか」と考えてみたりもした。
でも実際に沖縄へ行き、ゴーヤチャンプルーをいくつか食べてみて、理由がわかった。
沖縄では、しょうゆは普通に使う。魚など、コッテリと煮付けたりももちろんする。
でも沖縄では、ゴーヤチャンプルーには豚精肉ではなくスパムをつかう。スパムは濃い味がつけられているから、その味だけで十分で、「ほかに味つけは不要」ということだと思う。
あとしょうゆをつかうと、どうしても色が濁るから、「ゴーヤの青と豆腐の白、卵の黄色をきれいに見せたい」ということもある気もする。
健康的・合理的で、しかも上品な考え方だと思う。
しかしこちらは本土、しかも元々関東の人間だから、しょうゆは中毒なのである。そこでゴーヤチャンプルーにもしょうゆを使う。
みりんとしょうゆの、親子丼やおでんでなじみの定番の味つけなのだが、ニンニクや豆板醤、オイスターソースを使って、ちょっと中華っぽいコクをつけている。
377回はまちがいなく死ねるから、ぜひ作ってみるべきだ。
作り方
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 豆板醤 小さじ1
を入れて強めの弱火くらいにかけ、2~3分じっくり熱して味をひき出す。
いったん火を止め、食べやすい大きさに切った豚こま切れ肉・100グラムを広げて入れ、塩・小さじ4分の1をふりかけて、ふたたび強めの弱火くらいにかける。
火加減を中火にし、
- ゴーヤ 2分の1本 (タテ半分に割ってスプーンでわたをかき出して、2ミリ幅くらいに切る)
- 玉ねぎ 4分の1個 (タテのうす切り)
を入れ、1~2分さっと炒める。
焼き豆腐・2分の1丁を2センチ大くらいにちぎって入れ、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 薄口しょうゆ 大さじ1
- オイスターソース 小さじ1
を加え、2~3分、汁気を飛ばしながらじっくり炒める。
最後に溶き卵・1個分を流し入れる。
すぐにかき混ぜるのでなく、ちょっと固まるのを待ってから全体を大きく混ぜ、皿に盛って粗挽きコショウをかける。
ほんわりとやさしいけれど、きちんとパンチも効いた味。
親子丼的な味だから、ガッツリとご飯に合う。
そしてこれが、酒にもまちがいなく合うというのに、今朝も「朝だから」という理由で酒を飲まなかったのだ。
こんなことをしていたら、僕は一生うしろ指をさされながら生きなければいけなくなるような気がして心配だ。
「さされないよ」
そうだよな。