きのう何気なく作ったこのキムチのニラ玉が、だいたい380回くらいは死ぬほどうまかったのだ。
ニラ玉は決してキライではないけれど、そう好きというわけでもない。ニラ玉は、あの玉子とニラ、それに豚肉の全てにおいて柔らかく、まったりとした味に本領があると思う。しかし僕には、それだと刺激がなさ過ぎる。
だいたい基本的に食べ応え・刺激追求派で、天津飯やオムライスなどは一度も食べたいと思ったことがない男。その延長にニラ玉も、食べたいと思うことはこれまであまりなかったのだ。
ところがこのキムチのニラ玉、ニラ玉の柔らかい食べごたえはそのままに、キムチの辛みで申し分のない刺激がある。
「これはウマイ・・・・・・」
食べながら、思わず天にも昇る心地となった。
しかしこれほどうまいにもかかわらず、「キムチのニラ玉」とはこれまで聞いたことがない。グーグルで「キムチ ニラ玉」と検索しても、クックパッドですら38件しかヒットしない。
「おれは新たな定番料理を発見したのか?」
お調子者の僕は、そう思って舞い上がった。
でも冷静になって考えてみればこのキムチのニラ玉、「ニラ入りの豚キムチに卵を入れたもの」と言い換えることもできる。それで「豚キムチ 卵」と検索してみると、クックパッドは881件のヒット数・・・・・・。
まあ新料理は、そう簡単に発明することはできないのだ。
いずれにしてもこのキムチのニラ玉、本当にウマイのはまちがいない。
食べ応え・刺激追求派の貴兄は、作ってみた方がいいのではないかと思う。
作るのは非常に簡単。要はあらかじめ炒めておいた卵を、ニラ入りの豚キムチに加えるだけ。
豚キムチに自分なりの作り方がある人は、それで作ってただ卵を入れればそれで十分おいしいはずだ。
もちろん豚キムチをあまり作ったことがない人は、以下のレシピ通りにやるのは大変おすすめなのである。
豚肉は、普通にコマ肉などの薄切り肉で問題ないが、きのうは冷凍庫に保存していたスパムを使った。
スパムはブテチゲに入れることからも分かる通りキムチとの相性は大変よく、豚キムチを作りすぎてちょっと飽きた、などという場合に目先を変えるにも適している。
味つけは、基本のゴマ油に加え、ニンニクと豆板醤、それに酒・みりん・薄口醤油でキムチの味を強化する。
ニラに加えて長ねぎか玉ねぎを入れれば、味のバランスはさらに良くなると思う。
フライパンにサラダ油・大さじ1を入れて中火で熱し、溶き卵・3個分を流し入れる。
あまりガチャガチャとかき回さずに、8割方固まってくるまで待ち、大きめにまとめて皿に取り出す。
改めてフライパンに、
- ゴマ油 大さじ1~2
- 豆板醤 小さじ1
- ニンニク 1かけ (すり下ろす)
- スパム(または豚薄切り肉) 100グラムくらい (食べやすい大きさに切る)
- キムチ 100グラムくらい(=豚肉と見た目同量)
- キムチの汁 あるだけ
を入れ、フタをして弱火にかけ(フタをするのはキムチの汁が煮詰まって焦げるのを防ぐため)、時々かき混ぜながら5分くらい蒸し焼きにして、キムチの味と豚の脂をしっかり引き出す。
長ねぎ・2分の1本(斜め切り)を加え、しんなりとするまで強めの弱火でさらに炒める。
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 薄口醤油 小さじ1
- コショウ 1~2振り
を入れてひと混ぜし、
- ニラ 2分の1把 (ざく切り)
- 取り出しておいた卵
を入れる。
1分くらい炒めてニラがしんなりし、味が卵に絡んだところで味見して塩加減し、火を止める。
好みで粗挽きコショウをかけてもいい。
キムチの刺激のある味がふんわりとした卵に絡むのは、マジでたまらないですから。
あとはわかめスープ。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ
- 煮干し 1つまみ (頭とワタを取る)
- ニンニク 1かけ (すり下ろす)
- わかめ 2つまみ
を入れて火にかけ、煮立ったら弱火にして5分くらい煮る。
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ1
- 塩 少々
- コショウ 1~2振り
で味をつけてお椀によそい、
- ネギ小口切り 1つまみ
- ゴマ 1つまみ (指でひねり潰す)
をかける。
それにジャガイモご飯。
普通に水加減した米・1カップに、
- ジャガイモ 1個 (1センチ角のさいの目)
- 酒 小さじ1
を加えて普通に炊く。
おかずに塩気があるから、こちらには塩を入れない方がいいと思う。
ちなみにこのキムチのニラ玉、言わなくてもわかると思うが、だいたい520回くらいは死ぬほど酒に合う。
なので飲み過ぎないようにするのは、死んでも無理ではないかと思う。
「1万回くらい死んで。」
そうだよな。