サンマのづけ丼を食べた。
生魚のどんぶりは、「たまらない」のである。
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刺身や寿司がうまいのは、もちろん承知しているわけで、外で食べるのは大好きだ。
特に寿司については、ぼくは東京で育っているからほんとに目がなく、週のうち3回くらい、まあほとんどは回るやつだけれども、食べていたこともある。
京都へ来て、「サバ寿司」がおいしいことも知った。
またサバに限らず、サンマやイワシなどの青魚を酢でシメて、寿司にするのもまたうまい。
しかし家では、刺身も寿司も、これまであまり食べていなかった。
まずサバ寿司などは別として、刺身や江戸前寿司の出来合いのを店で買うのは、あまり好きではない。
切ってから時間が経つと味が落ちるし、何よりプラスチックのパックに入った刺身や寿司は、貧乏臭い感じがする。
サバ寿司などは家でも作るが、やはりちょっと時間がかかるから、そうしょっちゅうやるわけにもいかない。
そうなるとどうしても、寿司や刺身にご無沙汰しがちになっていたわけである。
しかし今回、ぼくはサンマで開眼した。「どんぶり」だ。
サンマはスーパーで売ってるやつも、だいたいは生でイケる。これを自分で捌けば、そこそこ新鮮な刺身が食べられることになる。
さらにそれを、ご飯に乗せる。
「寿司」とまではいかないが、「ご飯と生魚のハーモニー」については十分に、しかも非常に手軽に、味わうことができるのである。
特にサンマは、また脂が乗って、ご飯に乗せると大変うまい。
旬も終わりに差し掛かっているから、完全に終わってしまう前に、試してみるのがオススメだ。
サンマをどんぶりにするのなら、まずはお造りをそのまま乗せて、ネギとショウガじょうゆで食べるのがいい。
それからたたいて、みそを加えてなめろうにして、それを乗せる手もあるだろう。
あとは、づけ。
しょうゆの味が刺身にしみて、これがまたうまいわけである。
このあいだ作ったのは、しょうゆとみりんを同量にしたのだが、それだとちょっと、甘すぎると思った。
それで今回は、みりんはずいぶん少なくした。
それからサンマは、三枚におろさないといけない。
簡易研ぎ器で、包丁をきちんと研ぎさえすれば、家庭用の包丁でも全く問題なくできる。
三枚におろしたサンマは、ブツブツと大きく切る。
しょうゆ大さじ2、みりん小さじ2を混ぜ合わせ、10分くらい漬けておく。
どんぶりにご飯をよそい、大葉を敷いて、タレに浸したサンマを並べ、きのうはここに、たっぷりの青ねぎとミョウガ、それにおろしショウガをかけ、スダチを絞った。
ホクホクご飯に、脂の乗ったサンマのづけ、スダチの酸味、、、
またこれが、寿司同様、酒にもよく合うのである。
あとはとろろ昆布と梅干しの吸物。
お椀にとろろ昆布と削りぶし、青ねぎ、水に浸して絞った焼き麸、梅干しを入れてお湯を注ぎ、淡口しょうゆで味付する。
小松菜とさつま揚げのおひたし。
サッと塩ゆでして水に取り、よく絞った小松菜と、細く切ったさつま揚げを合わせ、味ポン酢で和える。
万願寺の焼いたの。
万願寺とうがらしをグリル(でもフライパンでも)で焼き、削りぶしとしょうゆをかける。
酒は、生魚には言うまでもなく、熱燗だ。
早く寝ようと思うのだが、どういうわけだか、いつも2時を過ぎてしまうのである。
「もう少しキビキビしなよ。」
そうだよな。
ちなみに猫だが、最近、黒いのが現れた。
まだ警戒しているようで、ぼくが窓から覗いていると、エサを食べない。
覗いているあいだじゅう、ぼくの顔をじっと見つめる。
「こいつを信じていいのか」と、推し測っているようだ。
チビにゃんとは違い、デカイのがいても気にしない。
デカイのも、喧嘩をふっかけるわけではないから、気にしているのはチビにゃんだけで、縄張りがあるわけでもないようだ。
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「うまい、安い、早い!」といえば「サンマのたたき丼」なのである。
サンマに別れを告げるとなると、やはり「なめろう」は食べておかなくてはいけないのである。