きのうはサンマのお造りをサラダ風にした。
サンマのお造りは、やはりウマイのである。
このところちょっと忙しく、昼間に時間が取れなかったためご無沙汰していた三条会商店街へ、一週間ぶりに買い物に行った。
スーパーでの買い物は、どうもいつも、最後に品物を袋に入れるとき、孤独感が押し寄せて悲しい気持ちになるのだが、商店街での買い物は、そのようなことはない。
それはスーパーでは、誰一人とも話をしないのに対し、商店街では、お店の人とあれこれ話すからだと思う。
別に大した話をするわけでもなく、気候のことやら、品物の食べ方やら、近くに出来た新しいお店のことやらの、他愛もない世間話なのだが、お店の人もちゃんと相手をしてくれて、話はそれなりに盛り上がる。
きのうも豆腐屋の奥さんと若奥さんと、「夏と冬はどちらがいいか」で一頻り語り合った。
そうやって買い物するから、商店で買った品物には、お店の人の顔が一緒に付いてくるようなもので、帰りの道中も、それで料理をするときも、実に満ち足りた気持ちになる。
魚屋では、やはり目玉商品はサンマである。
スーパーで売っているのより大振りで、お造り可能の新鮮なやつだから、サンマはおととい、スーパーで買ったのを蒲焼きにしたばかりなのだが、また買ってしまうことになる。
しかしサンマの旬は、油断しているとあっという間に終わってしまう。
2日くらい続けて食べることになるのも、仕方ないのだ。
それできのうはそのサンマ、お造りにしたいと思った。今年一番でサンマを食べたとき、お造りとなめろうで迷ってなめろうにしてしまったから、まだお造りは食べていなかった。
旬のサンマを、お造りにしたらうまいのは知れた話だ。脂が乗りに乗ったのを、ショウガにポン酢で食べるのが、「たまらない」わけである。
ところがそれに思い至ったのが、もう夜の9時も過ぎ、酒を飲み始めてからで、お造りにはなくてはならないと思われる大葉も刺身のツマも買っていない。
いまから買い物に行くのは面倒だし、どうしようかと考えたのだが、もやしは買ってあり、冷凍庫にゆでワカメが入っている。
そこでゆでたもやしとワカメをまず皿に敷き、お造りのサンマと、みょうがにネギ、ショウガの薬味を上に乗せ、ポン酢をかけ回してサラダ風にすることにした。
サッパリとしたもやしがサンマに合わないわけはないし、サンマは酢でシメてもうまいのだから、かけたポン酢がしみるのも、またうまいに違いない。
お造りは、三枚におろすだけだから、まあ、魚をおろすことができれば簡単だ。
中骨も、全部でなくていいから、手で触って目立つのを5~6本、抜いておくようにすると食べ応えがいい。
サッとゆで、よく絞ったもやしとワカメの上に、お造りを乗せ、うす切りにしたみょうが、小口切りの青ねぎ、おろしたショウガをたっぷり散らしてポン酢をかける。
トロトロのサンマにさっぱりもやしの相性も、思った通り文句なかった。
あとは八百屋で万願寺とうがらしを買ったから、「炊いたん」にした。
万願寺の炊いたんは、こないだはちりめんじゃこでやったが、今回は油あげと削りぶしを入れることにした。
鍋にだし昆布を敷き、タテに割ってヘタと種を取り、1センチ幅くらいに斜め切りした万願寺とうがらし1袋、細い目に切った油あげを入れ、水1カップ半をそそぐ。
中火にかけ、煮立ち始めたところで、酒とみりん、淡口しょうゆをそれぞれ大さじ1ずつを入れ、落としブタをして、弱いめの中火で10分煮る。
10分たったら、削りぶしミニパック1袋を入れ、ひと煮立ちさせて火を止める。
そのまま煮汁に浸しておけば、味がしみる。
好みで一味を振るといい。
ほんのりとした苦味が、しみじみうまい。
あとはとろろ昆布の吸物焼き麸入り。
先おとといの肉じゃが。
酒は焼酎水割り。
きのうも気持ちよく酔っ払った。
「お店の人はみんないい人達だよね。」
そうなんだよな。
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