万願寺とうがらしに別れを告げようと、ちりめんじゃこで煮た。
「万願寺の炊いたん」は、作らないといけないのである。
万願寺とうがらしに別れを告げることにしたのだが、万願寺は今年、豚肉とみそ炒めにしたり、
麻婆味で煮たり、
イカと炒めたり、
などなど、わりと変わった使い方ばかりしてきた。
しかし万願寺とうがらしといえば、やはり「炊いたん」だ。「万願寺とうがらしの炊いたん」は、「肉じゃが」とか、「ぶり大根」とかと同じように、すでに一つの名詞になっていると言えるくらいで、切っても切れない仲なのだ。
それを今年、ぼくはまだ一度も作っていないというのは、片手落ちもいいところだったろう。
万願寺の炊いたんは、酒房京子でも何度も食べた。ちりめんじゃこで煮た定番のもあったし、
酒としょうゆだけで煮たという、一風変ったものもあった。
実際のところ万願寺の炊いたんは、色々な作り方があり、味が濃いもの、薄いもの、ちりめんじゃこを入れるもの、削りぶしを入れるもの、煮詰めるもの、煮詰めないもの、万願寺をまるごと入れるもの、切って入れるもの、ゴマ油で炒めてコッテリさせるもの、あっさりと炊き上げるものなどなど、「人によって全てちがう」とも言えるくらいだ。
どうやって作ろうか、きのうも少し考えたのだが、京子で食べた、ちりめんじゃこを入れたうす味の、やや歯応えを残して煮るやり方をすることにした。
うす味だから、ややクセがあるヘタと種は、除いておく。
だしは、昆布を入れて煮始めて、最後にちりめんじゃこを加えるようにする。
ヘタを落とし、タテ半分に割って種を取り、食べやすい大きさに切った万願寺とうがらしを、5センチ角ほどのだし昆布を敷いた鍋にならべる。
水1カップ、酒とみりん、淡口しょうゆ大さじ1ずつを入れて、中火にかける。
落としブタをし、煮立ったら弱火にして、10分くらい煮る。
煮上げる1~2分前に、一つまみのちりめんじゃこを加える。
ほろ苦い味に、ちりめんじゃこの香味が加わり、しみじみうまい。
やはりこれを食べないと、夏は終わらないのである。
あとは、グリルチキンと水菜のサラダ。
きのうの主役は万願寺だったが、メイン料理はこちらとなる。
表と裏に、一つまみくらいずつの塩をすり込んだ鶏もも肉を、中火のグリルで焼く。
うちのグリルは上下火だから、そのままただ10分焼いたが、片火なら、まず皮目を10分焼いて、ひっくり返して5分焼く、という感じと思う。
食べやすい大きさに切り、水菜を敷いた皿に盛り、オリーブオイルとたっぷりのレモン汁、一つまみの砂糖、それに粗挽きコショウをかける。
鶏ももの焼いたのをサラダに乗せるのは、とてもオススメなのである。
とろろ昆布と梅干しの吸物。
お椀にとろろ昆布と削りぶし、青ねぎと梅干し、やや少なめの淡口しょうゆを入れ、お湯をそそぐ。
梅干しを崩しながら食べると、大変うまい。
ゴーヤのおかかポン酢。
これは八百屋のご主人に教えてもらった食べ方だ。
2ミリ幅くらいに刻み、サッと塩ゆでしたゴーヤを、削りぶし、おろしショウガ、味ポン酢で和える。
酒は焼酎水割り。
このところ、寝るのがどうしても4時になってしまっていて、生活のリズムを戻せない。
「ダラダラしなければいいと思うよ。」
そうだよな。
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