いわしは和風メニューも豊富だが、何といっても「アンチョビ」なのだ。トマト煮はゴールデン・メニューの一つとなる。いわしには、ナスを合わせるのがうまい。味つけは和風にやれば、わざわざハーブなどを買う必要がない。
秋冬は旬を迎える魚が豊富だが、夏はナスだのゴーヤだの野菜が色々出てくるから、それに合わせるとなると、どうしても肉が中心になってくる。
しかしそうした中にあっても夏でもおいしい魚もあり、その一つがいわしである。
いわしは年中出まわるが、一応「夏が旬」といわれている。しかもこのでっかい大羽のいわし、1本50円だというのだから、まったく涙モノなのだ。
いわしは梅煮、しょうが煮、酢じめにつみれ、和風メニューも豊富だが、何といっても「アンチョビ」なのだ。トマト煮はゴールデン・メニューの一つとなる。
このいわしトマト煮、作るに当たり、考えどころが色々ある。
まず頭とワタを落とすかどうかという問題。落としてももちろんいいが、ワタをつけて売られているいわしは、その日ならサンマ同様わたも食べられるから、つけたままにした方が味がいいし、頭があった方が見た目もよい。
それからこれを、焼くかどうかという問題。
和風の煮付けは焼かずにそのまま煮るわけで、焼かなくても臭みなどは問題ない。しかしせっかく洋風に作るなら、焼いて油の味をつけたいところである。
そして最大の問題は、「野菜は何を合わせるか」だ。トマト煮なら、じゃがいもを一緒に煮るのが定番だろう。
しかしいわしのトマト煮には、「ナス」なのだ。
まず「おなじ季節に旬を迎える海のものと山のものとは合う」という原則に、いわしとナスは合致する。さらにいわしとは近縁のニシンは、ナスと炊き合わせるのが定番中の定番だ。
ナスはトマトソースにも最高の相性だ。実際きのう、ナスを入れたいわしのトマト煮、初めて作ってみたのだが、いわしのクセを、ナスがうまいこと和らげて、ほっぺたが200回ほど落っこちた。
ぜひとも試してみるのがおすすめだ。
トマトソースの味つけは、ニンニクやハーブは使わず、しょうがとオイスターソースがベースの和風。オリーブオイルは普通に使うが、オイスターソースとオリーブオイルは、ちょうどバター醤油みたいになり、相性がいいのである。
味つけが和風だから、ご飯にももちろん合う。
ただしきのうは、このところガッツリしたものが続いていたから、うどんを合わせることにした。
まずはいわしを焼く。
いわしは洗って指でウロコをやさしく落とし、水気をよくふき取ってから、塩をうすくとコショウ・少々、それに片栗粉をやはりうすく振る。
フライパンにオリーブオイル・大さじ1を引いて中火にかけ、よく熱してからいわしを入れ、フタをして2~3分。軽く焼き色がついたところでひっくり返し、今度はフタを開けてさらに2~3分、やはり軽く焼き色がつくまで焼く。
焼けたいわしは取り出して、残った油は捨て、改めてフライパンに、
- オリーブオイル 大さじ3
- 豆板醤 小さじ1
- ショウガみじん切り 1~2センチ大
- 玉ねぎみじん切り 4分の1個分
- 3センチくらいの乱切りにしたナス 1本
を入れて、中火にかける。
4~5分じっくり炒め、ナスがしんなりしかけてきたくらいのところで、
- カットトマト 1缶
- オイスターソース 小さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1くらい(味をみて)
を入れ、焼いたいわしを戻してフタをして、弱火で10分くらい煮、最後にコショウをふって火を止める。
釜揚げにしたうどんを入れた皿に盛り、青ねぎをかける。
これは、たまらない、、、。
ほっくりと脂が乗ったいわしとトマト、それにナスは、本当によく合うのである。
酒は、冷や酒。
きのうもやはり、言うまでもなく飲み過ぎるわけである。
しかしこれだけうまいいわしを食べ、酒も飲み過ぎないようでは、いわしに失礼なのである。
「体のことも考えないとね。」
そうだよな。
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