鶏もも塩焼きは、それだけだとわりとサッパリとした仕上がりになるのだが、出た脂をソースに使うとコッテリする。このソースに梅肉とバターを加える。するとコッテリとしながらもさわやか、ご飯に打ってつけの味になるので、ガッツリと行きたいのなら作るべき。
鶏もも肉は、一枚肉だからボリュームとしては申し分なく、しかも値段が、牛や豚と比べると安い。たらふく肉を食いたい場合は、選ぶことも多いはずだ。
シンプルに塩を振って焼くのがまずはうまく、弱火でじっくりやると、皮はパリパリ、中はジューシーな、たまらない仕上がりになる。
ただしこの鶏もも塩焼き、要は「焼きとりの塩」とおなじで、脂が落ちて、わりとサッパリとした仕上がりになる。酒の肴には最高だが、ご飯のおかずとしては、いま一つ物足りない感があるはずだ。
これをガッツリとさせるためには、フライパンに残った脂を使い、ソースにするのがいいのである。
きのうは梅肉とバターを加えた、梅バターソース。
千切りのキャベツに載せ、青じそをたっぷりかけると、死ぬかと思うくらいご飯に合うから、ガッツリと行きたい場合はぜひ作るべき。
鶏もも肉の表と裏に、それぞれ小さじ2分の1くらいずつの塩をすり込み、皮を下にして冷たいフライパンに入れ、弱火にかける。
フタをせず、15分強焼いて、皮がこんがりと茶色くなったらひっくり返し、さらに10分くらい、やはりこんがりと焼き色がつくまで焼く。
これで中は、ちょうどいい加減に火が通っているはずである。弱火でやると、焦げ目がつくということは、「中から水分が落ちなくなってきた」ことを意味するからで、水分が落ちなくなったということが、「火が通った」ということだ。
焼けた肉はとり出して、食べやすい大きさに切って、せん切りし、水にさらしたキャベツを敷いた皿に乗せる。
フライパンに残った脂に、
- 包丁でよくたたいてペースト状にした梅肉 1個分
- バター 1かけ
- 砂糖 小さじ2分の1
- 淡口醤油 小さじ2分の1
を入れ、混ぜながら弱火で熱して、温まったら火を止める。
ソースを肉の上からかけ、千切りにしたたっぷりの青じそを盛る。
う、うまい、、
梅とバター、青じそは、鶏肉には最高の相性だ。
脂を吸い、しんなりとしたせん切りキャベツが、またたまらない。
あとは、トマトとみょうがの赤出し。
鍋に2カップ半の水と、頭とワタをとり除いた煮干し10匹くらいを入れ、中火にかけ、沸いてきたら弱火にして、10分煮出す。
酒・大さじ2と八丁赤だし味噌・大さじ2~3で味をつけ、細く刻んだ油あげを5分くらい煮たら、くし切りにしたトマトを入れ、30秒くらい煮る。
お椀によそい、タテの千切りにしたみょうがを浮かべ、一味をふる。
それに冷奴と、、
農家のおばさんのキュウリ古漬け。
酒は、冷や酒。
きのうもめしは、つくづくウマかったわけである。うまいものをたらふく食べると、幸せな気持ちに包まれる。
生き物は、生きていくためには食欲がまずは一番大切だから、それが満足されたときには、大きな幸せを感じるように作られているのだろう。
その幸せをより感じるため、少しくらい飲み過ぎてしまうのも、仕方がないことなのだ。
「記憶をなくすまで飲まなくてもいいと思うよ。」
そうだよな。
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