きのうは、ガッツリ、激辛マーボー丼。
金は、「何とかなる」のである。
きのうは晩めし前に、久しぶりに、近所のバー「スピナーズ」へ行った。
東京に行くので金を使うから、行く前は節約のために外飲みを控え、帰ってきたら、今度は東京で金を使いすぎたため、外飲みは控えざるを得なくなってしまったわけで、まあ、そういう時もあるのである。
ぼくは金は、あるだけ使ってしまうタイプで、これは若い時からのクセだから、たぶんもう、治らない。ただ、ギャンブルには興味がないから、辛うじて、人生が破滅せずに済んでいるのだとおもう。
金がある時は遊んでしまい、金がなくなって、ようやく身を入れて仕事をする。
それでまた遊びのくり返しなのだから、金が貯まるわけがない。
貯金もなく、吹けば飛ぶような自由業、「よく生きている」と我ながらおもうのだが、自由業をはじめて4年、「まちがいない」と強く確信していることは、
「金は、何とかなる」
ということだ。
何しろ、確定申告をしてみて、はじめて分かったことなのだが、去年の収入は、おととしより、100万円も少なかった。
おととし入った印税が、去年は入らなかったりしたからで、もともと収入が少ないぼくには、100万円はかなりの割合。
しかし、年初に家賃を圧縮したことも功を奏し、「なんだか金がない」とはおもいながらも、べつにふつうに飲みに行き、生活には支障がなかった。
おととし、先おととしは、女とつき合っていたのだが、そうなったらなったで、つき合うのに必要なくらいの金は、どういうわけか入ってくる。
人生は、「そういうもの」なのではないだろうか。
そんな話をしていたら、スピナーズでバイトをしている若いMちゃんが、
「えー、そんな甘くみていて、大丈夫なんですか?
これまでは大丈夫でも、そのうちほんとにお金がなくなるかも」
と、意地悪そうな目をして言う。
Mちゃんも一人暮らしをしているから、生活の厳しさは、身にしてみて分かっているのだろう。
もちろん、お金が途切れることは、可能性としてはあるし、実際にお金が途切れ、破産する人もいるわけだから、「まったくない」とは言えないことは、もちろんだ。
お金が途切れてしまうことは、「死」に直結するわけだから、誰にとっても「恐怖」である。
しかしぼくは、どんな状況に直面しても、人間は、
「理性的であるかぎり、何とかならないことはない」
と思うのだ。
「最善の策がつねに存在する」
ことは、「おのずと明らか」ではないだろうか。
だから大事なことは、その最善の策を、いつも見つけようとすることで、それさえできればいいと思える。
そのためには、「理性的」である必要は、あるだろう。
そこで、その「理性」をもっとも曇らせるものが、
「恐怖」
ではないかと思うのだ。
「貧すれば鈍す」というけれど、恐怖に駆られ、理性を失ってしまうことから、すべての間違いがはじまる気がする。
理性的な判断が、
「とりあえず何もしない」
ことを結論したり、
「先は見えないけれど、そのまま進む」
ことを指し示したりすることもある。
それは一見、何の解決にもならないようだけれども、ぼくはそれで、ウソのように道が拓けたことが、何度もある。
「ジタバタしてしまうことで、かえって沈む」
ということは、溺れた時の注意として、よく聞くことだ。
それに人間、死ぬ時は、誰だって死ぬのだから、死をそれほど怖がることもないだろう。
そんな話を少しして、スピナーズから帰ってきた。
帰ってきたら、食事をつくる。
きのうのメニューは、ガッツリ、「激辛マーボー丼」と決めていた。
ガッツリとしたものは、定期的に食べたくなる。
「魚の方がうまい」とは思うのだが、やはり「肉」を、体が欲するのだと思う。
ガッツリといえば、やはり「豚肉とニラ」。
さらにショウガと豆板醤をたっぷり入れ、「激辛マーボー」にすることにした。
マーボーは、もちろんニンニクを入れたほうがおいしいが、ぼくのようにニンニクを使わなくても、ショウガと豆板醤をたっぷり入れさえすれば、文句なくおいしくなる。
ただし炒める際に、
「油をたっぷりと使う」
のがポイントで、なぜならば、唐辛子の成分は油にしか溶けないからだ。
それからだしは、中国では「鶏がらスープ」を使うわけで、それを顆粒スープで代用しても、もちろんとくべつ問題ない。
しかし、これもぼくのように、「化学調味料は使いたくない」という人は、「昆布と削りぶし」のだしで大変おいしいものができる。
まずはフライパンにゴマ油大さじ5くらいを入れ、豚ひき肉200グラムを強火で炒める。
焦げ目がつくくらいしっかり炒め、肉汁を完全に飛ばすのが、マーボー作りの「コツ」となる。
豚肉を炒めたら、豆板醤、これは今回の分量では、「小さじ2」が標準だが、激辛にするためには「小さじ4」、それに3センチ大くらいのショウガみじん切り、20センチ長さくらいの長ねぎみじん切りを、ドバっと入れ、中火にしてじっくり炒める。
こうすると油に豆板醤やショウガ、ネギの成分が溶けだして、いわば「香味油」ができるわけだ。
5分くらい炒めたら、昆布と削りぶしのだし2カップを注ぐ。
ここに
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ1
- みそ 大さじ2
- しょうゆ 大さじ1
で味付し、豆腐を5分くらい、コトコト煮る。
味をみて、塩をくわえて、ざく切りのニラ1把を入れる。
サッと煮て、
- 片栗粉 大さじ2
- 水 大さじ2
をよくまぜ合わせた水溶き片栗粉を、全体をゆっくり混ぜながら少しずつくわえ、トロミをつける。
ご飯を添え、卵の黄身を落として粉山椒をたっぷりかける。
激辛味がご飯に合うことこの上なく、8割方食べたところで卵の黄身をとかし混ぜると、またまろやかに味が変わって、たまらない。
あとは、大根菜と油あげのみそ汁。
すぐき。
酒は、冷や酒。
金がなくても、自炊をすれば、うまいものは食べられる。
べつにそれだけあれば、あとは何がなくても、大して困らないのである。
「お酒をそんなに飲まなければ、もっとお金があるのにね。」
そうなんだよな。
ちなみに最近、キジトラと三毛のネコも、エサを食べに来るようになった。
さらに茶トラのネコもいて、これで家に来ているネコは、デカイの、
チビ、
クロ、
それにシロと合わせて7匹になっている。
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