きのうは「マーボー鍋」。
激しく寒いときはこれなのである。
きのうの京都の最高気温は、なんと4度。
朝方には道にまかれた水が凍っているし、寒さもここまで極まってくると命の危険を感じるほどだ。
これが1月ならまだわかる。1月は一年でいちばん寒いときなのだから、道が凍ることくらいは仕方ない。
しかしまだ12月なのである。
12月からここまで寒いのでは、ぼくはもうこの先、生きのびられる自信がない。
それできのうは、昼寝から覚めた布団のなかでぬくぬくしながら、「とにかく体があたたまるものを食べよう」と考えた。もちろん、「鍋に熱燗」は決まっている。
しかしこの寒さには、ただの鍋では対抗できない。
「究極に体があたたまる鍋」でなくてはいけないだろう。
となれば、
「マーボー」
なのである。
唐辛子が体をあたためるのは知れている。食べると体がポカポカし、汗をかくだろう。
またマーボーにはショウガも入る。ショウガも体をあたためる効果は高い。
さらにここに、具として「豚肉とニラ」をいれる。
豚肉とニラも、体をあたためる効果は超弩級である。
豚肉にふくまれる「ビタミンB1」とニラの「硫化アリル」が作用して、糖質の代謝を高め、エネルギーの大量生産をしてくれるのだそうだ。
豚肉とニラを食べると、翌日になってもまだ体がポカポカしている。
これら唐辛子にショウガ、豚肉とニラのトリプル効果に「熱燗」ときた日には、体があたたまらないわけがないだろう。
マーボーを中国式につくるなら、スープは鶏ガラを使うだろう。
しかしこれは「和風だし」でまったく問題ない。
煮干しがあればそれにするところだが、きのうは昆布と削りぶし。
3カップ半の水で10センチくらいの昆布、一つかみの削りぶしを、煮立てないようにしながら10分ほど煮出し、3カップのだしをとる。
だしをとりながら、マーボーの素をつくる。
鍋にたっぷり、最低でも大さじ5くらいのゴマ油をいれ、長ねぎ2分の1本ほど、ショウガ2~3センチ大と、それぞれたっぷりのみじん切り、それに豆板醤大さじ2をいれ、弱めの中火にかける。
油が多すぎると思うかもしれないが、油が多いほど、マーボーはうまくなるし、寒さに対抗するにはカロリーも必要だ。
これを5分ほど、ほぼ「油で煮る」感覚で、じっくり炒める。
唐辛子が溶け出して、油は真っ赤になる。
味見をすると、むせるほど辛い。
このマーボーの素の鍋に、だしをそそぐ。
味付は、酒とみりんを大さじ3ずつ、みそ大さじ2、淡口しょうゆ大さじ1。
でき上がったマーボーだしの鍋をテーブルへ持ちだして、小分けにして使いながら「小鍋だて」にするのである。
入れる具は、豚ばら肉とニラ、豆腐にもやし。
小鍋にマーボーだしをいれ、まず豚肉と豆腐を煮る。
豚肉に火が通ったら、もやしとニラをいれ、サッと煮て火を落とす。
器によそい、粉山椒をたっぷりかける。
これはほんとにウマかった。激辛だが、だしのうまみもしっかりあり、また豆腐がほんわり癒される。
うどんなどを入れてもいいし、きのうはご飯にかけて食べた。
酒は熱燗。
激辛マーボーとほんのり甘い日本酒は、とてもよく合う。
さて以上、マーボー鍋と熱燗の体をあたためる効果は、本当にピカイチだった。
きょうになっても、雪がちらつく寒空のなか、まだポカポカなのである。
「年をとると代謝が下がって大変だね。」
そうなんだよな。
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