キムチのポパイ炒め、これはひとことで言えば、「豚キムチにほうれん草と卵を加えたもの」。ほうれん草と豚肉・卵・キムチの相性はバツグンで、これはほんとにたまらないのだ。
キムチは常備しておくと本当に便利なわけで、そのまま食べてもいいのはもちろんなのだけど、味つけのベースとしてものすごく使いでがある。肉にも魚にもよく合い、炒め物にも煮物にも使えて、しかもあまり他の調味料を入れなくても、それだけで味がしっかり決まるのだ。
特に黄金なのが、豚肉とのコンビネーション。キムチと豚肉を合わせて炒めれば「豚キムチ」になるわけなのだが、この豚キムチはさらに味のベースとして捉えることも可能なわけで、ここからさまざまな料理を作ることができる。
豚キムチに水を入れ、さらに豆腐などの具を加えればキムチチゲになるわけだし、ご飯を入れて炒めればキムチチャーハン。きのう投稿したキムチ焼きそばも、言うまでもなく普通にうまい。キムチチゲに中華麺を入れれば「キムチラーメン」ももちろん作れる。
そこできのう作ったのは、キムチのポパイ炒め。
これはひとことで言うならば、要は「豚キムチにほうれん草と卵を入れたもの」だ。
卵と豚キムチが合うことは、言うまでもないはずだ。豚キムチに卵を加える人もいるはずだし、キムチチャーハンに目玉焼きを乗せるのは定番だ。
ここにさらに、ほうれん草が大変相性がいいのである。
ほうれん草と卵、それに豚肉がゴールデン中のゴールデンであることは、「ポパイ炒め」が証明していてこれも言うまでもないわけだが、ほうれん草とキムチがまたよく合うのだ。
ほうれん草はカレーに入れることからも分かる通り、まずピリ辛味に合う。次に「ゴマ和え」が定番の料理法であることから分かるように、ちょっとクセのある味が合う。
「ピリ辛でクセがある」といえば、「それはキムチだろう」という話なのだ。
それでこのキムチのポパイ炒め、大変うまい。
作るのは簡単で、ご飯も酒も死ぬほど進むのはまちがいないから、作ってみた方がいいと思う。
ほうれん草は、火を通しすぎるとヘタってしまう。やはりちょっと食べ応えがほしいから、最初にサッと炒めておいて、最後に加えるようにする。卵もやはり、最初に炒めて最後に加えるようにするのが料理法としては定番だ。
味つけは、キムチの味を強化するためにニンニクと豆板醤。それに酒とみりん、薄口醤油を加えるのだが、キムチに味があるわけだから、入れ過ぎないようにするのがポイントだ。
それから、「タケノコ」を入れたらいいと思う。これはきのう入れずに作り、食べてから、「ああ、入れればよかった」と思ったのだ。
肉もキムチも、卵もほうれん草も、すべて食べ応えがやわらかいから、シャキッとしたタケノコはいいアクセントになるはず。さらにタケノコは、豚肉・卵・ほうれん草のいずれとも、相性がバツグンなのだ。
ちなみにキムチは、買ってから1週間くらいたち、熟成が進んでちょっと酸っぱくなってきたあたりからが、料理には「使い頃」ということになる。
冷蔵庫に入れておけば、3週間くらいは持つはずだ。
まずほうれん草・2分の1把を炒める。
ほうれん草は洗って水気をよくふき取り、(水気をふき取るのは固くしぼったフキンが一番やりやすい)、根の部分をまず切って、あとは4~5センチくらいのざく切りにする。
フライパンにサラダ油・大さじ2分の1を入れて強火で熱し、ほうれん草のまずは根、次に茎、最後に葉を順に入れる。30秒くらい炒めて油がまわったところで皿にとり出す。
それから卵も炒めておく。
フライパンにサラダ油・大さじ1を入れて中火で熱し、溶き卵・3個分を流し入れる。
これはあまり細かくかき混ぜず、しばらくは放置するのがポイントだ。8割方固まってきたくらいのところで、大きめにまとめて皿にとり出す。
あらためてフライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 豆板醤 小さじ1
を入れ、弱火で2~3分じっくり炒めて味をひき出す。
つづいて、
- 豚コマ肉 100グラムくらい
- キムチ 豚肉と見た目同量くらい
を入れ、ひきつづき弱火で5分くらいじっくり炒めてキムチの味をしっかりひき出す。
水煮タケノコ・4分の1本(2ミリ厚さくらいの食べやすい大きさに切る)を加えてひと混ぜしたら、
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 薄口醤油 小さじ1
- コショウ 1~2振り
を加え、弱火で1~2分炒めて味をなじませる。
中火にし、皿にとり出しておいたほうれん草と卵を加え、ひと混ぜしたら、
- 片栗粉 小さじ1
- 水 小さじ2
の水溶き片栗粉を混ぜながら少しずつ加えてトロミをつける。
好みで粗挽きコショウをかけて食べる。
これ、ほんとにたまんないですよ。
あとはわかめスープ。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ (2杯分)
- 煮干し 1つまみ (頭とワタを取り除く)
- ニンニク 1かけ (押しつぶして薄皮を取る)
- わかめ 好きな量 (乾燥でも、生でも、塩漬けのをサッと洗ったのでも)
を入れて中火にかけ、煮立ってきたら弱火にし、10分くらい煮る。
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ1~2 (味を見ながら)
- コショウ 1~2振り
で味をつけ、お椀によそってゴマをかける。
それに白めし。
このキムチのポパイ炒めがまた、酒に合うことといったらハンパないのだ。
よっぽど気をつけない限り、飲み過ぎるのはまちがいない。
「料理のせいにするのはダメだよ。」
そうだよな。