マーボー味の豚汁の、メイン具材をゴーヤーにしたもの。
みそとも相性がいいゴーヤーですが、やはり炒めてから煮るとウマイです。
ゴーヤーは超・栄養がある
ゴーヤーはわりかし安く、自分で育てると食べ切れないくらい大量にできたりするので、キュウリと同様、なんとなく「大した栄養もないのでは」と思っている人もいるかもしれませんが、それは大きなまちがいなのです。
ゴーヤーは超・栄養豊富で、まずビタミンCはレモンの4倍。
ビタミンCといえば、レモン。そのレモンの4倍ものビタミンCをゴーヤーは含んでいるうえに、しかもゴーヤーに含まれるビタミンCは、ビタミンCのなかではほとんど唯一、熱に強い。
なので炒めたり煮たりしても壊れないというスゴモノであるわけです。
さらにその他の栄養分も、
- 食物繊維 ……セロリの30倍
- カルシウム ……牛乳の14倍
- 鉄分 ……ほうれん草の2.3倍
と、いずれもその分野を代表する食品を、かるく凌ぐ量を含んでいます。
特に夏場は、青菜が出まわる冬場とちがい、栄養のある野菜が少なくなる季節。
ゴーヤーを食べていれば、夏バテも余裕で防げるという企画です。
ゴーヤーはピリ辛のみそ味に合う
ゴーヤーといえば、まずはゴーヤーチャンプルーが定番料理。ゴーヤーチャンプルーを否定するつもりはもちろん毛頭ないのですが、ゴーヤーはピリ辛のみそ味にもよく合います。
これはゴーヤーと近縁のキュウリを想像するとわかること。
キュウリは韓国ではキムチの代表素材なわけで、キムチはざっくりと言ってしまえばピリ辛のみそ味みたいなものです。それから中国でも、キュウリをまさにピリ辛のみそである豆板醤で炒めます。
なのでゴーヤーも、ピリ辛のみそ汁であるマーボー豚汁の素材に使うと、たいへんウマイです。
ゴーヤーは炒めてから煮るのがポイント
ゴーヤーのマーボー豚汁に入れる具材は、まず豚汁なので、もちろん豚肉。これがまたゴーヤーチャンプルーの名コンビであるわけで、ゴーヤーとは相性最高。
それから豆腐。これもゴーヤーチャンプルーの常連です。
あと今回は、玉ねぎとトマトを入れました。トマトは酸味がマーボーによく合いますので、マーボー豚汁には必須です。
それでそのゴーヤーは、かるく炒めてから煮るのが作り方のポイントです。炒めることで、苦味が穏やかになるからで、さすがゴーヤーチャンプルーはそれをよくわかっています。
ただし火の通し過ぎには気をつけましょう。
ゴーヤーを炒めはじめてから煮上げるまで、「5分」と思うようにします。
作り方
STEP1 豚肉と豆板醤や香味野菜を炒める
フラパンに、
- オリーブオイル 大さじ1(オリーブオイルはバターみたいな味なので、みそ汁に使うと「みそバター」的になってとてもうまい)
- にんにく 1~2かけ(みじん切り)
- しょうが 1センチ大程度(みじん切り)
- 豆板醤 小さじ2~3(好みで)
を入れ、
- 豚うす切り肉 100グラムくらい(バラ肉でもコマ肉でも。焼肉用などのちょっと厚みのあるやつを使うとさらにウマイです)
を広げてならべ、その上から、
- 塩 小さじ8分の1(ほんの一つまみ。かるく下味を付けるため)
をパラパラとかける。
弱めの中火くらいをつけ、5分くらいじっくり炒めて味をひき出したところで、
- 木綿豆腐 200グラムくらい(両手で上下からやさしく抑えて水切りし、1~2センチ大の食べやすい大きさに切る)
を2分ほど炒めて味をなじませる。
STEP2 ゴーヤーを炒めて水を入れる
- ゴーヤー 2分の1本(タテ半分に切ってスプーンでわたをかき出し、うす切りにする。ゴーヤーは、うすければうすいほどおいしいです)
- 煮干し 2つまみほど(頭とワタをとって半身に裂く)
を入れて、さらに2分ほど炒めて油をからめ、
- 酒 大さじ3
- みりん 大さじ1
- うすくち醤油 大さじ1
- 水 600cc
を入れる。
STEP3 野菜を入れてみそを溶き入れる
フツフツと煮立ってきたら、念のためゴーヤーを味見して、「まだちょっと硬いかな」というくらいのところで、
- 玉ねぎ 2分の1個(1~2センチ幅のくし切り)
- トマト 1個(8等分のくし切り)
をくわえ、すかさず、
- みそ 大さじ3くらい(味をみながら)
をお玉にとって溶き入れる。
再び煮立ってきたら、ご飯を盛った器によそい、
- 粗挽きコショウ わりとたっぷり
をかけて食べます。
ゴーヤーとトマトがまたよく合って、3,268回はまちがいなく死ねます。