土用丑の日は麻婆味のゴーヤチャンプルーを食べた。麻婆味のゴーヤチャンプルーは、味的にも栄養的にも、夏バテ解消に打ってつけのメニューである。
きのうは土用丑の日で、ツイッターのタイムラインを見ても、「うなぎ食べる」「うなぎ食べた」というツイートが次々と流れてくる。もちろんうなぎは大好きだし、できれば食べたいと思うけれども、何も土用丑の日に食べなくてもいいだろう。
土用丑の日にはうなぎの値段は高くなる。丑の日以外の、うなぎが普通の値段で売ってる日に食べる方が、よっぽど賢いのではないか。
それではうなぎの代わりに、土用丑の日には何を食べるべきかという事がある。
これは迷うことなく、「豚肉」だ。
うなぎを盛夏に食べるのは、疲労を回復する効果がある栄養「ビタミンB1」を取り、夏バテを防ぐためだろう。豚肉には、うなぎと同等か、それ以上の量のビタミンB1が含まれているのである。
夏に豚肉を食べるとなれば、ゴーヤチャンプルーが王道だ。ゴーヤにはビタミンCが、レモンの4倍も含まれて、しかもゴーヤに含まれるビタミンCは加熱に強いのだそうだ。
ゴーヤチャンプルーにはさらに豆腐と卵も入るから、夏の栄養補給としては完璧だろう。
きのうはちょうど、材料が全て冷蔵庫に入っていたから、これを作ることにした。
ゴーヤチャンプルーを作るとなると、やはり味付が考えどころだ。ショウガ醤油に削りぶしが定番だろうが、塩だけのレシピも見たことがあるし、みそ味も食べたがうまかった。
ショウガ醤油にオイスターソースもうまいし、ここにトマトを入れると、またなおさらいい。
ただしきのうは、せっかくだから、何かそれ以外に味付がないかを考えるわけである。
しょうゆに塩、みそが並べば、和食の基本調味料は出揃っていることになる。「それ以外」を探すとなると、やはり香辛料など風味付けになるわけだが・・・。
そこで思い付いたのである。
「ピリ辛だ!」
ピリ辛味は、豚肉に合うのはもちろん、中国では、キュウリをピリ辛味で炒めるから、同じウリ科のゴーヤにも合うだろう。
さらにネギとショウガをたっぷりと刻み込み、麻婆的な味にする。
「麻婆ゴーヤチャンプルー」は、食欲も湧きそうだし、いかにも夏向きではないか。
ゴーヤ2分の1本は、タテ半分に割ってワタをかき出し、3ミリ幅くらいに切る。
塩を振った水でサッとゆで、皿に取り出しておく。
溶き卵2個分は、やや多めのサラダ油でじっくり焼く。
かき混ぜて細かくしてしまうより、大きめにまとめたほうが、卵の癒やし感が高まる。
焼けた卵を取り出したら、あらためてフライパンにゴマ油少々を引き、みじん切りにした10センチ長さくらいの長ネギと、2センチ角くらいのショウガ、それに豆板醤小さじ1を入れ、中火にかける。
じっくり炒め、香りを引き出す。
ここに豚コマ肉200グラムと、1センチ幅くらいに切った、2分の1丁分ほどの厚揚げを入れる。厚揚げを使ったのは、たまたま冷蔵庫に入っていたからだが、炒め物に使うには豆腐よりいい。
中火でじっくり炒め、それぞれの味をなじませる。
豚肉に火が通ったら、合わせ調味料を入れる。
合わせ調味料は、酒としょうゆ大さじ1ずつ、オイスターソースと砂糖を小さじ1ずつ。
そのまま中火で少し炒め、調味料の味を肉と厚揚げにしみさせたあと、取り出しておいたゴーヤと卵を戻し入れる。
もう全て火は通っているから、味をなじませるつもりで全体を混ぜ、汁気がなくなったら火を止める。
これは文句のつけようがない、抜群の味だった。
苦味がアクセントのゴーヤ、味を吸った厚揚げ、癒しの卵のいずれにも、麻婆味はとてもよく合う。
あとはオクラととろろ昆布の吸物。
お椀にとろろ昆布、削りぶし、淡口しょうゆ、水に浸してしぼった焼き麩、薄い小口切りにしたオクラを入れ、お湯を注ぐ。
トマトときゅうりのツナマヨ和え。
トマトは8等分のくし切りにし、種を除く。キュウリはすりこ木で叩いて割り、指で一口大にちぎって、一つまみの塩で揉んで10分くらい置き、水洗いして水気を拭き取る。
トマトとキュウリを、ツナとマヨネーズそれぞれ少々、それに塩コショウで和える。
ナスのグリル。
ナスはグリルかフライパンで、軽く焼き色がつくくらいに焼く。
オリーブオイルと塩をかける。
酒は、焼酎水割り。
きのうは油を使ったものをたくさん作ってしまったから、ものすごくお腹が一杯になった。
「ぼくはうなぎが食べたいな。」
そうだよな。