きのうは、神戸元町でカウンター。
そのあと寄った大阪で、「天国」としか思えない飲み屋をみつけた。
きのうは神戸・元町で、差別団体「在特会」の街頭宣伝があったので、抗議(カウンター)に出かけた。神戸は、京都からだと1時間半ほどかかるが、カウンターには滋賀や、奈良からも来る人がいるから、それに比べればだいぶ近い。
この2年間のカウンターの頑張りで、在特会の差別煽動もだいぶ下火になってはいる。
街宣やデモにも、それほど人が集まらず、カウンターが、その10倍ほどの人数集まる。
でもここで、気を抜いてはいけないわけだ。
在特会が下火になっているのは、あくまでカウンターがきちんと抗議するからで、抗議がなくなれば、活動がまた盛り返すことは、十分予想されることである。
神戸・元町へ行くのははじめて。
30分ほど前につき、近くをちょっとブラブラしたが、いかにも「港町」という、風情のある場所。
ほど近いところには、中華街もある。
しかし街宣が行われる予定の駅前には、黒っぽい服を着て、マスクをし、耳にイヤホンをかけたイカツイ男性が、20~30人、周囲にするどい視線を送りながら立っている。
私服の警官だ。
交番の脇には、制服の警官も、やはり20~30人待機する。
こうして警備が物々しくなるのは、在特会とカウンターが、小競り合いなどになる可能性があるからだ。
でもこうして、カウンターがあくまで出向いて、社会問題化することで、在特会の存在が世の中に認識されるようになったと言えるのだろう。
予定時刻の午後3時、街宣がはじまった。
まずは話を聞きながら、プラカードで抗議する。
裏面は、沿道の一般の人にむけ、
「差別に抗議しています」
となっているが、在特会にむけた表面には、
「だまれ!クソ馬鹿」
と書いてある。
在特会6~7名にたいして、きのうカウンターに集まったのは、総勢50名以上。
街宣の正面で、在特会に直接抗議する人と、その周辺で、一般の人にむけ、チラシを配ったり、説明をしたりする人に、自然に別れる。
カウンターが抗議をはじめると、すぐに警官がズラリとならび、カウンターを規制する。
警官は、すこしでも面倒を少なくしたいから、カウンターを街宣から、すこしでも離れた場所に隔離したいと思うわけだ。
でもこちらとしても、差別に抗議するのは当然の権利なのだから、すこしでも街宣の近くでやりたいわけで、警官とカウンターの、ちょっとした攻防がある。
そのうち、抗議の声を上げはじめるが、街宣の正面では、トラメガを使うと警官から排除される。
そこで、メガフォン。
これは警官からも何も言われない上に、相手にも声がよく届く。
とてもよかった。
カウンターからのきつい罵声を浴びながら、在特会の1時間半の街宣は、終了した。
帰る際にも罵声でおくられ、在特会は、悔しそうに去っていった。
在特会の予定に合わせ、いちいちカウンターをかけるのは、いかにも「面倒」なことである。
しかし「悪」は、地道に一つ一つ潰していくのが、結局はいちばんの近道なのだろう。
カウンターが終わったら、何人かと連れ立って、元町からすこし離れた、ポートピアタワーにほど近い場所にある、カウンターとも親しい人が経営する書店へ出かけた。
このあたりには、もともと海運会社などが入っていたビルに、家賃が安いからだろう、若い人たちが店を出し、シャレたエリアになっているよう。
この書店「スウィートピアアフター」も、やはりそういうビルの2階にあり、あまり目立たない場所だと思うが、入れかわり立ちかわり、お客さんが入ってきていた。
大書店とは対極の、少ない本を、店主がていねいに選ぶやり方をしているようで、それが評価されているのだろう。
ぼくは、ちょうど読みたいと思っていた、神原元『ヘイト・スピーチにこうする人びと』を買った。
書店を出たら、チョット一杯。
寒空のなかでカウンターをしたために、体が冷えきっていたから、すぐに熱燗。
カウンターのあと、こうしてカウンターの仲間と飲むのは、ぼくは好きだ。
疲れを癒やし、ヒートアップした頭をクールダウンするのにちょうどいいし、カウンター先輩の話を聞けるから、勉強になる。
きのうも、あれやこれやと、在特会やカウンターについての話題がに花が咲いた。
きのうはさらに、もう一軒、「飲みに行こう」ということになった。
ぼくが「中国パブが好き」と、ツイッターでつぶやいたのを、一緒だった人が見ていて、
「それならいい場所がある」
と、案内してくれたのだ。
これが、ほんとに、すごかった。
駅は、地下鉄御堂筋線・堺筋線「動物園前」。
なんばから南へ下り、通天閣やら、立ち飲み屋がごっそりとある飲み屋街をさらに抜け、遊郭街「飛田新地」の手前の一角。
ここに、いかにも怪しい、「中国居酒屋」が、たぶん40~50軒、軒を並べているのである。
見かけは、まったくふつうの居酒屋。
料金も、まったくふつうの居酒屋で、チャージを取られることもない。
ところがここで、中国人の若いオネエチャンが、
「キャバクラか!?」
と思うようなドレスを着て、接客をしてくれるのである。
写真を撮り忘れたのだが、オネエチャンは、みんな、かわいい。
しかも中国人独特の、ストレートで愛らしい対応をしてくるから、こちらはすぐに、ほだされてしまうわけだ。
きのうはここに、2時間いた。酒はフルにのみ、料理もけっこう、そこそこ食べた。
東京・蒲田の中国パブなら、一人1万円は超えるところだ。
ところがきのうは、一人2,500円。
「天国」としか、言いようがないだろう。
あまりに気分がよくなって、オネエチャンの一人に、つい電話番号を教えてしまった。
これから営業電話がかかってくることになるが、それも「仕方がない」というものである。
しかし、こんなスゴイ飲み屋街があるとは、本当に信じられない。
日本にも、まだまだ知らないことがたくさんあると、改めて実感した。
11時の閉店時間に店を出て、電車に揺られて大宮へ帰る。
まだすこし食べたかったから、「餃子の王将」1号店へ。
ビールにミニ餃子。
餃子の王将は、酢豚がウマイ。
辛玉ラーメンに、ミニチャーハン。
腹もふくれて、家に帰った。
きのうは一日、かなり盛り沢山だった。
しかし特に、最後の中国居酒屋は、ぼくの生活を大きく変えそうな予感がする。
「仕事もちゃんとしないとダメだよ。」
そうだよな。
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