きのうは、サバ寿司。
やっぱサバ寿司は、うまいっすわ。
きのうの昼めしは、久々の喫茶店「PiPi」。
東京で、金を使いすぎたのだ。それでこのところ、外食は控えざるを得ないことになっていた。
ぼくは金を、あればあるだけ使ってしまう。
「貯金しなきゃ」
と、思わなくもないのだが、貯金があったらあったで、全部使ってしまうに決まっているのだし、べつになくても同じなのである。
きのうの「PiPi」は、「カレーの日」。
マチコちゃんは、カレー作りにかなりの造詣があり、いつもはほかのメニューがあるからできないのだが、ひと月にいっぺんくらい、「カレーの日」を設けている。
久しぶりの、マチコちゃんによるお酌。
常連さんも、「ここぞ」とばかりにやってくる。
午後の遅い時間だったが、次々にお客さんがやってきて、店内は盛況だった。
カレーがきた。
チキンカレー、800円。
マチコちゃんのカレーはかなり本格的で、既製のルーはもちろん、まぜ合わせたスパイスなども使わない。
一からすべて、自分の手でつくったもので、もちろんこれは、素人の領域ではなく、お店で出すのにまさにふさわしいものだ。
いわゆる「カレーカレー」した、華やかな香りのするスパイスが抑えめになっていて、とうがらし、それにショウガの、「さわやか」な辛さが特徴だ。
しかもそれが、かなり辛い。
東京が出身のぼくなどは、「ちょうどいい」と思えるが、ふだんあまり辛いものを食べない京都の人は、
「お~、すげ~辛い」
などと言い、鼻の下に汗を浮かせながら食べている。
いつも「おいしい」と思いながら食べるのだが、きのうのカレーは、いつにも増してうまかった。
さわやかさが、格段にアップしている。
聞くと、これまではすり下ろしていたとうがらしを、今回はみじん切りにしたのだそうだ。
「これは、京都でも、1、2を争ううまさだと思うんだけどな~」
これだけさわやかで、しかも辛いカレーは、京都には他にないのではないだろうか。
「レギュラーメニューにしたらいいのに、、、」
マチコちゃんに言うのだが、他のメニューとのかね合いで、なかなかそうもいかないようだ。
カレーを食べ終わったら、家に帰ってすこし昼寝。
それから仕事。
仕事は、春の気配が感じられるようになると共に、ふたたび捗るようになっている。
12月から1月は、仕事が辛くて辛くて、こんなに仕事が辛いのでは、ぼくは餓死するのではないかと思っていたが、その心配はなさそうだ。
さて晩めしは、サバ寿司だ。
ギリギリになってやり始めると、おとといのように、作るのが面倒になりかねないから、きのうは早めの時間から、米を研いだり、めしを炊いたり、計画的にこなしていった。
サバ寿司は、やはり作るのは、むずかしい。
しめサバを作るところまでは、手順を守れば、誰がやっても失敗することは、ほぼないと思うのだが、「米のあつかい」がむずかしいのだ。
もっちりとした寿司めしが、きれいにサバに張り付くようにすることが、なかなかうまくいかないのだが、それはもちろん、素人がそんなに簡単にできてしまうものならば、
「寿司職人はいらない」
という話だろう。
何度もやり、熟練するしかないのだろうという気がする。
まあしかし、やり方自体は、単純である。
まず米を炊く。
米の量は、サバ半身にたいし、「1カップ(≒1合)」くらいが適量だ。
あとから寿司酢をいれるから、その分、水の量を少なくするのがポイントで、ふつうだと、水は米の量の1.2倍をいれるのだが、これを1.1倍くらいにしておく。
よく水にひたして、だし昆布をいれて、ふつうに炊く。
米が炊け、蒸し上がったら、冷めないうちに、寿司酢をくわえる。
寿司酢は、米1カップにたいして、
- 酢 小さじ3
- 砂糖 小さじ2
- 塩 小さじ1
の配合だ。
根気よくまぜ合わせ、砂糖と塩を酢に溶かしておくようにする。
きのうはこの酢を、しめサバを作ったあとの酢を使ったら、コクが増し、さらにうまかった。
熱いご飯を皿に盛り、上から寿司酢をかけまわす。
しゃもじで切るように、手早くまぜ、濡れ布巾を上からかけ、人肌くらいになるまで冷ます。
ご飯が冷めたら、巻きすの上にラップを敷き、冷蔵庫からだし、常温に戻しておいたしめサバを置く。
尻尾の方は切り取って、全体が四角くなるよう、合わせるとよい。
この上に、ご飯をおにぎりにして乗せる。
これは普通のおにぎりくらい、しっかり握ってしまっていい。
ラップをとじ、巻きすで包んで、半回転。
両手で握り、押し固める。
この寿司飯ののせ方と、力の加減を、ぼくはまだ、ちゃんと会得していない。
巻きすを開くと、寿司めしが両端からはみ出してしまったが、まあこれは切り取ればいいのだから、そう問題があるわけでもない。
ここでさらに、常温でしばらく寝かせ、寿司めしとサバをなじませる。
水に濡らした包丁で、1~2センチ幅に切る。
しょうゆなどは付けずに、そのままかぶりつくのである。
いやこれが、ほんとに、うまかった。
おとといのしめサバ丼も、「死ぬほどウマイ」と思ったわけだが、やはりサバ寿司は、さらにうまい。
サバはもう、シーズンも終わりかけだが、どうしてどうして、まだまだ十分、しっかりと脂が乗っている。
脂が乗った、酢でシメられたサバと、やはり酸味のある寿司めしが、口のなかで渾然一体となり、まさに「天国」と呼ぶのにふさわしい心地である。
あとは、トロロ昆布の吸物。
お椀にとろろ昆布と削りぶし、ネギをいれてお湯を注ぎ、淡口しょうゆで味付する。
油あげの焼いたの。
青ねぎとショウガ、味ポン酢で。
それにすぐき。
酒は、熱燗。
うまいものを食べると、本当に幸せな気持ちになる。
それさえあれば、ほかの何がどうであっても、とりあえず生きてはいけるのだ。
「あまりイライラしないようにね。」
そうだよな。
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