ツバス大根を作りながら「男がおばちゃんに魚料理を習うのは新しい」と思ったのである。

ツバス大根 その他魚料理

 
ツバスのあらが冷凍庫にあったから、それを大根といっしょに煮付けた。

ツバス大根

作りながら、日本の魚文化を継承するため「男がおばちゃんに料理を習うのは新しい」と思ったのである。

 

 

日本人が魚を食べなくなっていると言われ、スーパーでは骨のない魚を開発し、売り出したりしているそうだ。

魚はたしかに肉とくらべ、食べ方がわかりにくい。「下処理」などというと「面倒」という頭が先に立ち、魚から遠ざかってしまいがちになるのも分からなくもない。

 

でも日本には、魚を食べるためのノウハウが、膨大に蓄積されているのである。何しろ奈良時代に肉食が禁止され、それから明治維新まで魚しか食べてこなかったのだから、それも当然のことだろう。

魚を面倒なく食べることを考えるより、そのノウハウを人口に膾炙し、活用することを考える方が良いのではないかと思えるところだ。

 

なぜ魚料理のノウハウが忘れられようとしているのか、その理由を考えると、まあ「生活の洋風化」とひとことで括ってしまえばその通りだが、「母から娘へ」の継承がうまくいかなくなったからではないかと思えるのである。今は娘時代にまったく料理をしない女性も多いだろう。

「家事」が古臭いもののように感じられるようになり、それより女性は「外で働く」ことを志向するようになった。

たしかにどうせ仕事をするのなら、少しでも広い世界でやったほうが楽しいし、さらに今のような先が見えない時代になると、専業主婦ではリスクが大き過ぎるとも思えるだろう。

 

この流れはすぐには変わらないだろうし、ただ何もしないでいると、ノウハウはますます失われてしまうことになる。

そう考えると、この魚料理のノウハウを継承するのは、「男の出番」ではないかと思えるのだ。

 

女性が料理をしたがらないのは、女性の場合、料理が「仕事」になってしまいがちだからだろう。「女性は料理をするのが当然」と見る向きはまだまだあり、それでは女性も、嫌々料理するにしても「やりたい」とまでは思えないにちがいない。

それなら、男性がやったらいいのである。

男性にとって料理は「趣味」で、「料理をする」というだけで男性は褒められる。時間のかぎり料理をしても、「嫌」になることはまずあり得ない。

 

魚料理のノウハウを持っているのは、「おばちゃん」だ。ぼくの場合、いつも行く魚屋の女将、それから「酒房京子」の女将京子さんが、強力な情報源となっている。

おばちゃんは、料理の仕方を聞けば、よろこんで教えてくれる。こちらは素人だから、飲み込みも悪いわけだが、根掘り葉掘りこまかく聞いても嫌な顔などされたこともない。

 

その気になって探してみれば、近所に料理好きのおばちゃんの一人くらいいるだろう。

そのおばちゃんに、「男が料理を習う」というのは、なかなか新しいのではないだろうか。

 

さて前置きが長くなったが、きのうは「ツバス大根」を作った。

ツバス大根

丸ごとのツバスを買い、そのあらが冷凍してあったのである。

「ブリ大根」は冬に定番の料理であり、ブリの子のツバスにしても大根にしても、今は季節はずれなのだが、別に問題はないだろう。

ツバスは身がそれほど付いていないから、どちらかといえば「だし」としての利用になる。それで味付けも、ツバスよりは大根に合わせて少し薄めにすることにした。

 

大根は皮をつけたままやや大きめの乱切りにし、串がスッと通るようになるまで下ゆでする。

ツバス大根 作り方

ブリ大根は、大根を下ゆでせず、ブリと一緒に煮はじめてしまって問題ないのだが、ツバスはあまり煮るとカスカスになるだろうと考え、下ゆでをしたのである。

大根の皮は、きちんと煮る場合には付いたままで問題はまったくない。

 

あらためて鍋にだし昆布を敷き、下ゆでした大根、それから湯通しし、水でよく洗ったツバスのあらを入れる。

ツバス大根 作り方

水をカップ2、酒とみりん、砂糖をそれぞれ大さじ3ずつ、それに細切りにしたショウガを入れ、強火にかける。

煮立ってきたら強めの中火くらいにして、アクを取りながら4~5分煮る。

 

しょうゆ大さじ2を入れて、落としブタをして15分煮る。

ツバス大根 作り方

最後にしょうゆ大さじ1を入れ、ひと煮立ちさせて火を止める。

火を止めてから、30分ほどでもフタをして冷まし、味をしみさせる。これは時間が経てば経つほどうまくなり、翌日が一番の食べごろだ。

 

青ねぎと七味をかける。

ツバス大根

味のしみはまだまだだが、こういう若い煮物もうまい。

 

あとは酢の物。

酢の物

キュウリは薄い小口切りにして一つまみの塩で揉み、5分くらい置いて水で洗って水気をよく拭き取っておく。

このキュウリとゆでワカメ、薄く切ったちくわ、それにちりめんじゃこを、砂糖小さじ3、酢大さじ3、塩少々で和える。

 

それにとろろ昆布の吸物。

とろろ昆布の吸物

お椀にとろろ昆布と削りぶし、青ねぎ、淡口しょうゆを入れ、お湯をそそぐ。

 

おとといの残りの豚とレタスのみそ炒め

豚とレタスのみそ炒め

 
 

酒は冷や酒。

酒は冷や酒

きのうは昼も、「PiPi」でビール2本を飲んだから、1杯半で終了した。

 

「聞かれればおばちゃんも嬉しいよね。」

チェブ夫

そうだと思うよ。

 

 

 

◎関連記事

豚肉とレタスのみそ炒めがうま過ぎて、またつい家で飲み過ぎ過ぎたのである。

鯛の酒蒸しは日本酒に死ぬほど合うのである。

他人を教育する義理も責任もないのである。(ツバス刺し身、タケノコとえんどう豆のじゃこ煮)

魚介には甘辛酸っぱい味付が合うのである。(豚とネギのしょうゆ焼きそば、イカのオイスターソース炒め)

レシピに収まりきらないところに面白さがあるのである。(イワシ山椒煮)
 

タイトルとURLをコピーしました