きのうは、鶏とじゃがいもの和風トマト煮。
ゴマ油とオイスターソースでコク出しをしているから、日本酒にもご飯にもバッチリ合うのだ。
この頃和風トマトソースの味をバッチリ決められるようになったから、嬉しくてたまらないのだ。それで何かというとトマト味にしたくなる。
トマトソースは、ニンニクと玉ねぎ、トマト缶、それにローリエやタイムなどのハーブとパセリを使うのが基本である。これがうまいことに文句をつけるつもりではないのだが、ニンニクを使ってしまうと他の和風メニューの味が消し飛ばされてしまうし、ハーブを使うと日本酒やご飯にはイマイチ合わない。
おれは食事に合わせて酒を選ぶのは邪道だと思っているのだ。
特に日本酒の場合には、おなじ銘柄を飲み続けることで「うまい」と思えるようになる。たぶん日本酒は、アルコール以外に様々な成分が入っているから、肉体に作用する力が強いのだろう。飲み始めはあの独特の酒臭さが鼻に付いていたものが、体が酒に慣れてくるとそれが消え、透明な味に感じられるようになる。
おれの体は現在、月桂冠の上撰に適応している。それが一番うまいのだから、料理をそちらに合わせなければいけないのである。
それで家で食べる料理はすべて、日本酒に合うように作り変えるわけなのだが、トマトソースは難しかった。数年前、一度は「無理だ」とあきらめたくらいである。
洋風料理を和風に作り変える場合、和風のだしや味噌・醤油などの和風調味料を使うのが基本となる。カレーなどは、これで全く問題なくおいしくできる。
ところがトマトソースには、味噌と醤油が合わないのだ。これはたぶん、どちらも植物性のうま味で性質が近いからだろうと思うのだが、味がケンカするのである。
そのため長らく、トマトソースはうまく使えなかったのが、最近になり、ゴマ油とオイスターソースを使えばいいことが分かった。ニンニクもハーブもなしで、完璧なコクが出るから、それは喜びもするわけだ。
きのうも、鶏とじゃがいもの和風トマト煮。
この定番料理を肴に酒を飲めるようになったのは、誠にめでたい限りである。
鶏とじゃがいものトマト煮は、簡単な料理だからまず失敗はないと思う。煮詰め加減を程よくするのに多少の経験は必要だが、べつに煮詰め加減など程よくなくても、「まずい」ということはない。
まずフライパンに、オリーブオイル・大さじ2、ゴマ油・大さじ1を入れ、
- みじん切りの玉ねぎ 4分の1個分
- みじん切りのショウガ 1センチ大
- 豆板醤 小さじ1(好みで)
を入れて、弱めの中火にかける。2~3分炒めたら、
- 両面に小さじ2分の1ずつの塩をすり込み、食べやすい大きさに切った鶏もも肉 1枚
- ゴロゴロのじゃがいも
を、鶏肉は皮を下にして入れ、途中でひっくり返して5分くらい、じっくり焼く。
途中で玉ねぎが焦げたりもするのだが、気にしなくていいのである。
カットトマト・1缶(400グラム)と、水1カップを加え、オイスターソース・大さじ1と砂糖・小さじ1で味付けしたら、フタをして、弱火で30分くらい、じゃがいもが柔かくなるまで煮る。
じゃがいもが柔らかくなった時点で、もしまだ水気が多すぎるようなら、火を少し強めて煮詰める。
ただしその際、かき混ぜながらやらないと底を焦がすことがあるから気をつける必要がある。
最後に味をみて塩加減し、コショウをふって器に盛り、青ねぎをかける。
これは間違いなく、驚くほどうまいから、トマト煮で酒を飲んだりご飯を食べたりしたい奴は、ぜひ試してもらいたい。
あとは、とろろ昆布の吸物・焼麩入り。
とろろ昆布と削りぶし、水にひたして絞った焼麩、青ねぎを入れたお椀にお湯を注いで淡口醤油で味付し、一味をかける。
サラダ。
オリーブオイルとレモン汁、塩・コショウをかける。ニンニクを入れなくても、玉ねぎやセロリなどを入れれば味はまったく問題ない。
それに、キムチ。
酒は、冷や酒。
シメは、豆ごはん。
普通に研ぎ、豆の分でちょっと多めの水加減にした1合の米に、えんどう豆を一緒に入れて、30分くらい水に浸す。
酒・小さじ1と塩・小さじ2分の1を加えて普通に炊く。
日本酒は、飲むと眠くなるのである。
酔いつぶれてソファなどで寝てしまわないよう、注意が必要だ。
「よく寝てるよね。」
そうだよな。
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