じゃがいもは、鶏肉とまた相性がいい。モッチリとした鶏肉と、ホックリとしたじゃがいもの、「やわらかいもの同士」であるのが合うわけだ。
なので鶏じゃがは、言わずと知れた定番メニュー。肉じゃがは牛が王道、関東では豚も使うが、「鶏こそがうまい」と言いたいくらいだ。
この鶏じゃが、味付には一考の余地がある。日本なら、醤油味にするのが王道だし、トマトソースももちろんうまい。
しかし鶏肉の場合には、「塩レモン」という手があるのである。「やきとり塩」の要領だ。
もも肉を使い、皮から出た脂をじゃがいもに吸わせてコッテリさせる。
でありながら「レモンでさわやか」という、たまらない企画である。
味付に、オイスターソースをすこし加えてコクを出す。ニンニクが好きなら入れてもいいが、入れなくても、味はこれで十分だ。
肉じゃがを煮る場合、煮汁の量には考え方が2種類ある。たっぷりの煮汁で煮るのが普通だが、これだとじゃがいもが煮くずれたり、水っぽくなったりしがちである。
その点、煮汁を少なめにし、煮詰めてしまうようにすると、最後は蒸し焼きの状態になるから、煮くずれることはほとんどない。じゃがいもにうま味が凝縮されることにもなるし、煮汁は少ないのがおすすめだ。
それから、玉ねぎは最後に入れる。
玉ねぎは西洋の料理では、甘みとコクをつけるのに使われるから、よく火を通す。しかしここでは、甘みはみりんで、コクはオイスターソースでつけるから、玉ねぎにその役割を担わせる必要はない。
むしろ半生くらいの加減にし、シャッキリとした歯応えと、ちょっとした辛味を残すようにした方がアクセントになっていいのである。
フライパンにオリーブオイル・大さじ1を入れて弱火にかけ、表と裏にそれぞれ小さじ2分の1ずつの塩をすり込み、大きめの一口大に切った鶏もも肉300グラムを、皮を下にして10分焼く。
皮の脂が出てきたら、ゴロゴロに切ったじゃがいもを入れ、時々ひっくり返したりなどしながら、さらに弱火のまま5分焼く。
火加減を中火にし、
- 水 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- オイスターソース 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
を入れ、落としブタをし、さらにフライパンのフタをして10分煮る。
もし途中で、煮汁がなくなってしまったら、水をすこし足してもいい。
10分たったらフタを取り、くし切りの玉ねぎを加え、水気を飛ばしながら2~3分炒める。
最後に味をみて塩加減し、たっぷりの青ねぎと粗引きコショウ少々、レモン汁(ポッカレモン100)大さじ1を加え、ひと混ぜして火を止める。
じゃがいもは、ねっとりしている。
レモンを入れると、ちょうどジャーマンポテトのような風情となり、これがまたいいのである。
あとは、とろろ昆布の吸物と、
トマトサラダ。
酒は、冷や酒。
きのうはいつもの通り、つい飲み過ぎてしまって終盤は記憶がない。
それでもちゃんと、歯をみがいて寝ているわけで、習慣とは偉大なものだ。
「そのうちひどい目に遭うよ。」
そうだよな。
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