昨日は今年はじめてのカキをぬたにして食べたら、昨夜は8時間たっぷり寝られ、今朝起きたときには、近年まれに見る寝覚めのよさだった。
カキの疲労回復効果も、ニラに負けず劣らず、ハンパないものがあるのである。
人間50を過ぎてくると、「体調がいいこと」が、何より大事になるのである。
若いうちは、別段何をしなくとも、元気に動けていたものが、35を過ぎるころから、キズが治りにくくなったり、筋肉痛が運動の数日後に来たりするようになり、40を過ぎるとどうにも疲れが抜けなくなる。
さらに50を過ぎると、歯医者だの皮膚科だの、病院の世話にもなるようになる。
体のほうは、年々衰えていくわけだから、体調を回復させることを積極的にしていかないと、動けなくなってしまうのである。
といってぼくは、「長生き」がしたいわけではない。
人間の寿命は天命であり、それを延ばそうとするなどアホらしいことだとおもう。
だから寿命が尽きたらサックリ死にたいとおもうけれども、死ぬまでは、元気でいたいわけである。
それで体調管理に、あれこれ気を使うことになる。
しかし昨日、カキを魚屋で買ったのは、別に体調を気にしてのことではなかった。
カキをこの秋、はじめて見かけたからである。
カキが本当においしくなるのは、まだまだ先のことだけれど、やはり初物は食べておかなくてはいけない。
しかも昨日は魚屋が特売で、値段も安かったのである。
カキの食べ方として思い浮かぶのは、「カキフライ」と「鍋」という人が多いのではないだろうか。
カキをおいしく手軽に食べるは、生ガキやら、酢ガキやら、やり方は色々あるのだけれど、なぜこの二つが注目されるかといえば、この二つ以外のものは、「おかずのメインになりにくい」からではないかとぼくはおもう。
おかずのメインは、まずご飯に合わないといけないし、見た目もそれなりにボリュームがないといけない。
カキはそれなりの値段がするから、やはり酢の物などのサイドメニューとしてではなく、メインに持ってこようと思うと、どうしても、カキフライか鍋になるというわけである。
ただ「酒の肴」と考えれば、ご飯に合う必要はないから、メニューの幅は、もう少しひろがる。
「酢の物にして食べたい」とおもえば、酢の物はたしかに、メインとしては役不足なところはあるが、それほど不都合はないのである。
カキはまずは、サッとゆで、もみじおろしにポン酢醤油で食べるのが、ぼくは好きだ。
昨日もそうしようかともおもったけれど、昨日は八百屋で、立派な九条ねぎを買ったのである。
あまりに立派で、ヌルっとした汁もたっぷり入り、薬味にするにはもったいない。
薬味以外の、九条ねぎの食べ方を八百屋のご主人にたずねると、「ぬたである」との答だった。
ぬたといえば、カキである。
というわけで、昨日はカキのぬたを食べたのだった。
そうしたら、夜はぐっすり、8時間寝た。
トイレで一度起きたものの二度寝でき、これは近年、まれに見る快挙である。
また寝覚めが異様なまでに快適で、疲れがすっかり取れたうえ、酒もきれいに抜けている。
「これはもしや、カキの仕業か」と思いあたり、ちょっと調べてみたところ、カキは「海のミルク」と呼ばれるほど、栄養が豊富なのだそうだ。
タウリンなども含まれて、肝臓にもいいとのこと。
それでぼくは、ニラにつづいて、今回一気に、カキの信者になったのである。
というわけで、カキのぬただが、作るのは簡単だ。
要は、カキと青ネギをさっとゆで、酢味噌で和えるだけである。
カキはまずは、片栗粉をふって洗う。
もみ洗いして、水を何度かかえてすすぐ。
洗ったカキは、さっとゆでる。
加熱用なら、1分はゆでないといけないけれど、火を通し過ぎるとカキは縮んでしまうので、1分たったらすぐにとり出し、水にとる。
水にとるのは、カキは余熱でも縮むからだ。
またゆで汁は決して捨てずに、カキは網でとり出すようにする。
ゆで汁を、あとで再利用するためである。
青ねぎは、たっぷりであるのが肝心で、普通の太さの青ねぎなら、2~3本は使うといい。
斜め切りにし、カキをゆでた汁でさっとゆでる。
やはりゆで過ぎないのが肝心で、普通のやつなら、一瞬でいいはずだ。
カキと青ねぎの水気をふき取り、白味噌(西京味噌)と酢を大さじ2、砂糖大さじ1、カラシ小さじ2分の1をよくまぜ、和える。
濃厚なカキの味が、青ねぎと酢味噌とよく合って、これはカキの食べ方として、一つの王道ともいえるとおもう。
さてカキと青ねぎをゆでた後には、カキと青ねぎのうまみが出たゆで汁が残ったわけである。
これを捨ててしまうのは、まさに「アホの仕業」であり、利用しないとバチがあたる。
うまみを味わうには、やはり「吸物」ということになる。
昨日はここに、水菜と油あげ、それにシメジを加えた。
ゆで汁が2カップなら、酒大さじ2、うすくち醤油大さじ1強、塩少々で味つけする。
お湯をかけて油抜きし、細く刻んだ油あげ、石づきを落としてバラしたシメジ、ざく切りの水菜を順に入れ、さっと煮て火を止める。
これがまた、ほっこりとするのである。
薬味は、一味を少しふってもいいが、柚子の皮のかけらを入れると、料亭の味になる。
あとは厚揚げの焼いたの。
中火にかけたフライパンでこんがりと焼き、おろしたショウガと青ねぎ、それにポン酢醤油をかける。
梅干しの粥。
ツナの酢の物。
ちりめんじゃこを切らしていたから、ツナで代用してみたが、なかなかどうして、十分イケる。
ワカメは水でもどして手でしぼる。
キュウリはうすい小口切りにし、一つまみの塩で揉み、5分ほど置いたら水で洗って水気を拭き取る。
うすく切ったみょうがとツナといっしょに、酢1、みりん2、うすくち醤油0.5ほどの割合の三杯酢で和え、器に盛ったらゴマをふる。
昨日も冷や酒。
いつもと同様、飲み過ぎるまでは飲んだのである。
「カキはいい奴だったんだね。」
これほどとは思わなかったよ。
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体のためには、食べたいものを、食べたい時に、食べたいだけ食べるのがいい、というわけで、昨日は豚玉ネギ炒め丼をガッツリと食べたのである。
コメント
こんにちは
牡蠣のパワーって素晴らしいのですね!
最近、まったく疲れがとれなくて
知覚過敏や五十肩に苦しみ
そんな年なのかな・・・
人より早いな・・・って感じておりました
私も牡蠣を食べて元気になれるかな~
先日の〆サバも見事な仕上がりですよね
毎回、高野さんのサバのさばき方には
丁寧さを垣間見ることができて
口をあけています
手先が器用なんでしょうね!
ニラとカキ、効きますよ!
おかずでも酒の肴でもないですが、カキはペペロンチーノにいれるとおいしいですよ。仕上げに九条ネギを散らすと最高です。