昨日は晩酌前に、「ほんとにビールを一杯だけ」と思い、いつも行く四条大宮のバー「スピナーズ」へ行ったのだが、話が盛り上がって、結局帰ったのは11時過ぎになった。
それから、スピナーズの若者が「鍋も毎日ポン酢しょうゆでは飽きる」と言っていたから、ポン酢しょうゆと並ぶ万能の味付けである味噌鍋を、ニラと豚肉を入れて食べたのである。
先日スピナーズへ行った時、カウンターで隣りに座った30代の男性が、
「連絡を取り合い、時々会ったりしていた女性が、ある日突然、連絡が取れなくなったんすよ・・・」
と言っていた。
それまでは電話やLINEを入れれば、必ず返信があったものが、ある日を境に、それが来なくなったのだそうだ。
実はぼくも、前の彼女とは全く同じように別れることとなった。
おそらく何か、気に入らないことがあったのだと思うが、それが何なのか、未だによく分からない。
その日はその男性と、
「女性っていうのは、分からないですね・・・」
と話して終わったのだが、昨日スピナーズへ行ったら、別の30代男性のお客さんが、やはり全く同じ経験をしたと言う。
あれこれ話して、結局その男性とも、
「女性は分からない・・・」
という結論に達し、話は終わったのだったけれども、帰ってツイッターでその話を呟いたら、今度は女性から、「同じ体験をした」と返信があった。
その女性は、何年も付き合った男性が、ある日突然連絡を絶ってきたのだそうで、しばらくは、「何かあったのではないか」とずいぶん心配したそうだ。
結局男性が、自分に対して気持ちがなくなっただけだと分かり、その女性は失恋のショックより、そのように礼儀に反したやり方で女性と別れる男性と、何年も付き合ってしまった自分の不明を恥じたそうだが、ぼくが、
「突然連絡を絶つのは、女性が男性に別れを切り出すばあいの一般的なやり方なのか?」
と呟いたことに対し、
「それは突然連絡を絶つその人が、人間として礼儀を知らないだけであり、『女性』として一括りにはされたくない」
と返信してきた。
ぼくもその返信を見て、これは「性差」の問題ではなく、「人間性」の問題だと納得した。
実はぼくは、彼女から突然連絡を絶たれたことについて、未だに少し、心に傷が残っていた。
でもそれも、こうしてスピナーズやツイッターで話をし、少し癒えたような気がしている。
さて昨日は、スピナーズで長居した後、家に帰ってニラの味噌鍋を食べたのだが、これは先日、冒頭の30代男性が、
「ぼくも高野さんに倣って、毎日のように家で鍋を食べるようになったんですが、ポン酢しょうゆばかりだと、ちょっと飽きてくるんですよね。
それでゴマだれを使ってみたら、これが何だかイマイチで・・・」
と言っていたからである。
鍋は味付けを変えれば、また無限のバラエティが広がるわけだが、鍋の味付けで、水炊きにポン酢しょうゆと並んで万能なのは、「味噌味」なのだ。
作るのは簡単である。
鍋にだし昆布と水、たっぷりの日本酒を入れ、火にかけて温めながら、味噌を入れる。
味噌は赤だし味噌(八丁味噌)が一番だが、赤っぽいものなら何でも良く、味噌汁よりも塩辛くなるよう、たっぷり入れる。
さらに砂糖を味を見ながら入れ、おろしショウガ小さじ1くらいを加えれば、だしは出来上がりとなる。
この味噌だしは、基本的に万能で、肉も魚も、鍋に入れられるものならどんなものでも使えるし、野菜ももちろん、何でもいい。
鍋に味をつける場合、「しょうゆ」と考えることが多いと思うが、しょうゆだと、特に肉の鍋にする場合、削りぶしでだしを取らないとイマイチになるのだけれど、味噌なら昆布だしに、あとは肉や野菜のうまみだけで十分おいしい。
一味唐辛子をふって食べるが、だしに豆板醤などでピリ辛味を付けるのもいい。
さらに豆板醤のピリ辛味に、ニンニクやゴマ油などを加えると、韓国風にもなる。
昨日は材料に、再びニラと、豚肉を使った。
ニラと豚肉の鍋は、ついこないだ食べたばかりなのだが、さすがニラと豚肉の疲労回復効果はすごく、疲れが取れた感覚が、翌日のみならず、さらにその次の日、2日後までも残っていたので、病み付きになったのである。
昨日は白菜の代わりにもやしを使った。
だしを吸ったシャッキリもやしはまたうまい。
あとは玉ねぎとシメジ、それに油揚げ。
湯豆腐ではなく、材料を色々入れる鍋には、豆腐より油揚げを入れた方がうまいというのが、ぼくの考えだ。
今回は煮えにくい材料はないから、全てを一度に入れていい。
煮過ぎないよう、豚肉に火が通った時点で火を止める。
一味唐辛子をたっぷりと振って食べる。
残り汁は、もちろん雑炊にするわけだが、昨日はもう腹が一杯になったので、それは今日に持ち越すことにした。
スピナーズでは、画家の小森さんともまた話をした。
小森さんは、自分のやりたいことをやって生きている人だから、ぼくなどにとっては話はとても参考になる。
「金」の話になり、ぼくが、
「翌月のことはもう分からないんですよ」
と言うと、小森さんは、
「ぼくは翌日のことが分かりません」
と言う。
個展で絵が売れるかどうかは、その日になってみなければ分からないからだそうだ。
金のない生活をしていても、
「貧乏と貧困は違う」
と小森さんは言う。
「お金は使い方が大事で、自分のためよりも、人とのつながりを増やすために、お金を使わないといけないですよ・・・」
ぼくも全くそう思う。
それで昨日も、スピナーズに長居をしたというわけだ・・・。
「おっさん、それただの口実だから。」
飲み過ぎる必要はないもんな。
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コメント
高野さん、毎日外で飲めるくらいなら
貧乏ではないですよ。
一般のサラリーマンだと、週に一度くらい
外で飲むのが当たり前のご時世です。
そんなことを考えると、家飲みに最適な
レシピを提供してくれる最高のブログ
ですね。
付き合っていた人に突然連絡を絶たれる…って軽くパニックになりますよね(汗)
私も以前付き合っていた人が突然連絡が取れなくなったときがありました。
最初は心配や不安の気持ちが大きいけど、時間が経ってくると「なんで?」「何が悪かったの?」という気持ちのほうが大きくなりますよね。
自分の気持ちが消化不良でモヤモヤするっていうか…
それなりにきちんと付き合っていたんだから、別れの言葉で区切りをつけることは大事なことですよね。人としての礼儀かな。
そういった話をスピナーズやツイッターでできるのはイイですね☆
人に聞いてもらって気持ちの整理をつけていくことは、自分のこれから生活していくうえで大事なことだと思います。
高野さんの消化不良、治った感じですよね(笑)
自分の話を聞いてもらうのもそうなんですが、同じような人の体験があると、「自分だけじゃないんだ」という気がして、すごくラクになりますよね。