京都大宮「ハカピス祭」に参加した。
そこで話をしているうちに、「30代後半の男性は、あらゆる意味で結婚適齢期だ」と思ったのである。
京都大宮の飲食店4店舗が主催する「ハカピス祭」が日曜の昼から行われ、いずれもわりと親しい店で「行かない」などということはあり得ず、当然のこと出かけていった。
「ハカピス」は4店の名前の一番はじめの文字をとったもので、「ハイカラ亭」「風」「ピッコロジャルディーノ」「スピナーズ」となる。いずれも比較的規模が大きい店だから、常連さんがそこで満足して他の店にあまり行かなくなりがちということなのではないか、「それぞれのお客さんに他の店にも行ってもらおう」ということが目的だったように思う。
ライブなども行われ、多くの人が集まっていた。
いずれの店も、ドリンク一杯500円、おつまみ一品300円で、飲み物は他の店へ持ち出しも可という企画である。
昼から飲みはじめ、夜は夜で飲み会が入っていたから、まずは風呂。
銭湯は、日曜は朝から開けているところが多い。酒を飲む前に風呂にはいると、酒が一段とうまくなるのは言うまでもない。
まずは「スピナーズ」から。
生ビール。五臓六腑にしみ渡るわけである。
つまみはスパムにぎり。
焼いたスパムをにぎりにしたもので、初めて食べたが大変うまい。
ビールを飲んでいるあいだも、お客さんは入れ代わり立ち代わり出入りする。見知った常連さんも多いが、初めて見る顔もある。
飲み屋でのイベントは、こうして知らない人と触れ合えるのがいいところだろう。
金魚すくいも用意されている。
チェブ夫はデメキンを一匹すくった。
金魚は逃がし、次に向かうことにする。
まっ昼間から、公道を堂々とビールを持って歩けるのはいい。
「ピッコロジャルディーノ」では、アラフォー女性二人と「落ち合おう」と約束していた。
以前大宮の店で知りあい、それからフェイスブックなどでやり取りがあったのだ。二人とも独身だが、「なかなか出会いがない」のだそうだ。
ピッコロで頼んだつまみは、イタリアンチャーシュー。
何が「イタリアン」なのかはよく分からなかったが、たぶんハーブなどで風味が付けられているのだろう。いずれにせよ、脂ののった豚肉を焼いたのは王道である。
ライブを見て、それが半分くらい終わったところで次へ行く。
写真を撮り忘れたのだが「風」で飲み、飲み終わったら「ハイカラ亭」へ。
「ハイカラ亭」ではハイボール。
それから赤おでん。
トマトソースで味付けされた変わりおでんなのだが、かなりうまい。
女性二人はここで帰り、スピナーズへ戻ることにした。ちょうどライブをやっているらしい。
もう時間も遅くなっているから、これで終わりになるだろう。
スピナーズは、超満員。
入り込める場所が見当たらなかったから、店の前に据えられたソファーに座り、時間を過ごすことにする。
穏やかな夕日が差し込み、風もさわやかで気分がいい。
人も入れ代わり立ち代わり近くに来る。そのうち以前から顔見知りの、30代後半の男性が店の中から外に出てきた。
男性は開口一番、感極まったような口調で言う。
「子供がかわいいんですよねー・・・」
ちょうど金魚すくいが目の前にあったから、そこに3~4歳の子供が数人、群がっていたのである。
それまでは子供のことなど、どうとも思っていなかったのが、最近になってそれががやけに目に付きはじめ、「自分でもほしい」と思うようにもなっているそうだ。
「それはそろそろ、結婚したらいいということなのじゃないの?」
聞いてみると、
「そうなんですかねー。」
男性はニヤリとする。
男性は以前つき合っていた彼女とは、仕事を独立し、生活が不安定になるのが理由で結婚をあきらめたのだそうだ。その仕事も今では軌道に乗っているのだろう。
スピナーズには、他にも30代後半で、20代の女性と最近になって結婚した男性がいる。またおとといの小泉進次郎に似た30歳の男性も、
「自分はまだこれから『やりたい』と思うことがあるから、すぐに結婚するのでなく、それが一段落した40くらいになってから結婚したい」
と言っていた。
そう考えると、30代後半の男性と20代の女性とは、結婚する組み合わせとしていいのではないか?
そう思って、ちょうどそこに20代前半の女性がいたから聞いてみた。
「この男性とか、結婚相手の候補としてはどう?」
すると、
「十分アリですよー。」
とのこと。女性には同年代の彼氏がいるが、彼がもし結婚に踏み切れないなら「すぐにでも乗り換えたい」そうだ。
今はたしかに、仕事の上で「一人前」になるのは30代半ばくらいになるだろう。男性が一人前になってから、若い女性と結婚するのは悪くなさそうな感じがする。
実はおなじ話を、おととい妹ともしたのである。そうしたら妹は、
「女性も40くらいになったら、年下の男性と結婚するのがいい」
という。
男性はいくつになっても子供のままで、「ダメダメ」なことが多いから、5歳くらい年が上でも、まだ女性から見ると「ダメ」だそうだ。ところが男性が上の場合には、
「なぜ年上なのにわからないの?」
とイライラする気になるそうだ。
さらに年上だと、男性が女性を見下してくるから、それも腹が立つ理由になる。
ところが4~5歳下だと、
「下だからわからないのも仕方がない」
と、許せる気持ちになるそうだ。さらに自分が主導権をにぎり、好きなようにもやりやすいという。
「だから女性も十分に仕事をして、それが一段落してから年下の男性と結婚したらいい」
というのが妹の意見である。
そうやって考えてみると、30代半ばから後半の男性は、あらゆる意味で、「結婚適齢期」であることになる。
ぜひ頑張ってもらいたいものである。
そんな話をひとしきりして、スピナーズを出て次に向かった。
夜は夜で、飲み会の予定があったのである。
「おっさんも頑張らなくちゃね。」
そうだよな。
◎関連記事
京都大宮飲み屋街で、またいつものごとく飲み過ぎたわけである。