きのうも京都・大宮で外飲みした。
「ピッコロ・ジャルディーノ」は、大宮でパスタを食べるにはおすすめなのである。
きのうはブログの更新を終えると、はげしい脱力感があった。
ぼくにとって「カウンター」は、ブログ更新までがワンセットになっているようである。
カウンターでは、差別団体「在特会」による聞くもおぞましい言葉の暴力に対抗しないといけないため、こちらも完全な「戦闘モード」になる。
精神は緊張状態になり、たぶんアドレナリンなども山ほど分泌されるのだろう、それが終わって日常にもどると、力がぬけ、何もやる気がしなくなるのだ。
昼飯は、喫茶店「PiPi」で食べたのだが、
晩飯は、はじめはつくるつもりでいた。
それで昼寝のあと、いつものように何を食べるか考えはじめるのだが、、、浮かばない。
何をどう考えても、つくる気が湧くものが見あたらず、そのうちだんだん、頭が疲れて重たくなってくる。
これはどう考えても、神様が、
「きょうは飯をつくるな」
と言っているだろう。
しかもきのうは、クリスマス・イブ。
「イブの大宮を眺めるのもいいだろう、、、」
そうおもい、食事は外ですることにした。
まずは風呂。
および、ビール。
風呂は、いつもは2~3日おきである。おととい入ったばかりだから、普通だったらきのうは行かない。
しかし、風呂の疲労回復効果は高いから、力がぬけた精神を癒やすには、やはり必要なのである。
風呂屋は、三条通神泉苑西入下ルにある「トロン温泉・稲荷湯」にいつも行く。
ここは銭湯としては変わったつくりになっていて、脱衣所をでたところにラウンジが設けられ、生ビールだの、ソフトクリームだのを頼めるようになっている。
やはり風呂あがりの一杯は、格別だ。
それでおのずと、ここに来ることになってしまう。
風呂屋をでたら、後院通を南へくだり、まずは寿司。
四条大宮をちょっと上がった西側の、ビルの1階にある。
ここは「ちょっと高い」イメージがあり、これまであまり行かなかったが、「そうでもない」ことがわかった。
まずビール。
それから寿司を5~6個。
寿司は1個150円が中心で、いちばん高いのでも300円だから、
「回転寿司よりは高いけれど」
というくらいの値段だ。
かるく腹ごなしができたところで、次へ行く。
むかった先は、大宮通錦小路をちょっと北に上がった東側にある、イタリアンバル「ピッコロ・ジャルディーノ」。
あまり洋食を食べる趣味はないのだが、この店にはときどき来る。
味がいいのはもちろんのことなのだが、マスターと、店員の女の子がとてもいいのだ。
マスターの「ハルヲさん」は、たぶんぼくよりちょっと年下。8年前にここで店をオープンした。
大宮は、そのころまだ寂れていたから、友だちや仕事仲間から、
「なんでそんなところで店をやるんだ」
と猛反対されたそうだ。
「居酒屋をやるならともかく、コジャレたイタメシ屋などをやっても、大宮には来る客がいないだろう」
というわけである。
それでもハルヲさんがここで店をひらいたのは、
「京都・大宮が好きだったから」
なのだそうだ。
「常連さんが、ほかの飲み屋街にくらべて圧倒的に上品で、みなきれいに酒をのむ」
ことが、大宮に惚れ込んだ理由なのだとか。
自分の事業の最大の選択を、「儲かるかどうか」ではなく、「好き」という理由で決めるなど、なんとも気骨があるではないか。
その話を聞き、ぼくもハルヲさんが好きになったわけである。
しかし大宮の古手の店は、ダイニングバー「Kaju’」をはじめとして、おなじように気骨あるマスターがやっているところが多い。
そういう先人に、大宮は支えられ、いまの発展があるのだろう。
頼んだのは、まずは生ガキ。
三重県は的場産で、マスターがわざわざ直接仕入れに行くそうだ。
大ぶりで活きがよく、また味も、じつに濃い。
「きまぐれキッシュ」。
九州産・安納芋をいれたもので、芋の甘さをストレートに活かした素朴な味。
キッシュには、季節によって折々の野菜が入るのだそうだ。
アマトリチャーナ。
めったにパスタを食べないから、他店との比較はできないが、まろやかで、文句なくうまいのはまちがいない。
この店は、店員の女の子が、また感じがいい。
20代なのだが、「前向きのがんばり屋さん」というタイプ。
ひとりのお客さんがカウンターに座れば、「退屈しないように」と配慮して、仕事の合間になにかと話しかけてくれる。
しかしこれは、マスターが「いい」のだから、その人が選ぶ人もいいのは当然のことだろう。
さらにきのうはたまたま、隣にぼくのブログ読者のカップルがいた。
となれば話にも花がさき、心置きないひとときを過ごすことができたのである。
お店が閉店の時間になったので、お勘定をして家に帰った。
大宮は、クリスマス・イブといっても、いつも通り。サンタクロースも見かけなかった。
「しかし、それがいい、、、」
ぼくはおもう。
大宮にあるのは、いつも「当たりまえの日常」。
だからこそ、疲れた心を癒やすこともできるのだ。
「ほんとは出会いを期待していたんじゃないの?」
そうかもな。
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