昨日は昼に、いつもの新福菜館三条店でビールを飲み、夜はイタリアンバル「ピッコロ・ジャルディーノ」の7周年パーティーへ行った。
お店へは、「くり返し通う」のがおすすめなのである。
外食のたのしみ方として、一つは「食べ歩き」があげられる。
多くの店を食べ歩くことで、おいしいものに出会える確率が高まるし、また多くの店を見ることで目が肥えてきて、お店を自分なりに評価できるようにもなってくる。
これがたのしいことは、ぼくも過去に経験があるからよくわかっているのだが、外食にはもう一つ、全く別のたのしみ方がある。
それは、「おなじ店にくり返し通う」ことである。
もちろんくり返し通うためには、そのお店が十分自分に合っていないといけないから、その前にある程度、色んな店を食べ歩く必要はある。
それで的が絞れてきたら、今度はその店に行き続けるようにするのである。
行き続けるうちに、ある時、お店から「常連」とみなされるようになる。
そうすると、お店からの扱われ方が変わるのだ。
ぼくはラーメン店「新福菜館三条店」へ、毎週1回、1年半にわたって通いつづけ、ある日常連になった。
注文の時、「いっしょで?」と聞かれるようになったのだ。
それからは、「はい」と言うだけで、必要なものが出てくるようになった。
さらに最近では、もう「いっしょで」とも聞かれなくなり、椅子にすわると必要なものが勝手に出てくるようになっている。
常連になると、お店から大事に扱われることになる。
居心地が、ますます良くなるわけである。
それから常連になると、お店から忘年会や新年会、周年などのパーティーに誘われることになる。
もし誘われた場合には、万障くり合わせて行くのがおすすめだ。
特に周年のパーティーは、お店に感謝の気持をしめすのに最適の場といえる。
昨日ぼくは、四条大宮のイタリアンバル「ピッコロ・ジャルディーノ」の7周年パーティーに誘われたから、ちょっとしたお祝いの品を持参した。
「ピッコロ・ジャルディーノ」へは、ぼくは時々ふらっと立ち寄り、ワインを一杯飲むくらいだから、実際には「常連」とはあまり言えない。
和食派だから、「洋食を食べよう」とはあまりならないわけなのだ。
それでもぼくが、「ピッコロ・ジャルディーノ」へ行くのは、マスターの「ハルオさん」が好きだからだ。
ハルオさんは、ノリは軽く見えるのだが、その実かなりの「骨」があるのである。
ハルオさんが店をはじめた7年前、大宮はまだすこし寂れた感じだったのだそうだ。
友だちなどから、「なぜ大宮などで?」と何度も聞かれたとのことだ。
それでもハルオさんが大宮にこだわったのは、「大宮が好きだから」なのだそうだ。
「好き」を仕事の中心に据えるのは、そう簡単ではないだろう。
「儲け」がなければ、仕事は続けられないわけである。
ぼくはその話を聞いた時から、ハルオさんを尊敬するようになったのだ。
さて7周年のパーティーは、お店が人でごった返していた。
ぼくは大して常連でもないし、知っている人もいないだろうからと、初めはお祝いの品だけわたして、すぐに失礼するつもりでいた。
でも大宮は、狭いのである。
他の店でちょくちょく顔を合わせる人や、さらにこのあと行こうかとおもっていた「スピナーズ」のマスターキム君もこちらにいたから、腰を落ち着けることにした。
お店が主催するパーティーに参加するのがおすすめなのは、多くの常連さんにいっぺんに会えるからである。
来る時間帯もそれぞれマチマチな常連さんと、通常営業の時これだけの数会おうとおもえば、何十回も通う必要があるとおもう。
ぼくは昨日、何度も顔を合わせる「飲み友だち」とも言える人とはもちろんのこと、初めて顔を合わせる人とも、あれこれ色々話しをした。
チェブ夫はまた、女性から可愛がられ、一人でいい思いをして満喫していた。
そうしてしばらく時間を過ごしていたところ、田村正和似の男性と顔を合わせた。
年はたぶん40前後で、ぼくは以前別の店で、友人の紹介で同席している。
この男性の配慮のおかげで、ぼくは昨日、さらにたのしい時間を過ごした。
ぼくはこのような、「目次」のような人と出会えるのが、お店にくり返し通うことの最大の意味だとおもうのである。
さて「目次のような人」とはぼくの言葉で、一言でいえば「地域の顔」だ。
広い人脈をもち、さらにそれを活用し、役立てることに「たのしみ」と「使命感」を感じている。
その人にアクセスできるようになると、そこから一気に、人のつながりが広がっていくことになるのである。
これまで出会った人のなかでは、「熊の男性」という名前で、このブログにも時々登場してもらっている人や、またいつもお世話になっている八百屋のご主人が、この「目次のような人」に当たるのだが、田村正和似の男性も、やはり目次のような人であることが、昨日はっきりわかったのだ。
ただもちろん、目次のような人はべつに名札をつけているわけではないから、外からながめて「この人が目次だ」と知ることはできない。
お店にくり返し通って人と出会っていくうちに、ある日めぐり合うのである。
田村正和似の男性は、以前ぼくと会ってから、ぼくのブログを読み、それをことあるごとに、人に話してくれたのだそうだ。
その中で特に強い関心をもち、今ではぼくのブログを毎日見てくれている女性が、今日たまたま一緒に来ているからと、ぼくと話す場をセッティングしてくれた。
田村正和似の男性も話にくわわり、さらに話しやすいようにと、立っている場所やら何やら、あれこれ配慮してくれるから、話が盛り上がらないわけはない。
おかげで大変たのしいひと時を過ごした。
お店に通いつづけていると、たまにこういうことがあるのである。
地域の人との様々なつながりは、ぼくのようなひとり暮らしの者にとって、大きな価値があることだ。
というわけで、ピッコロ・ジャルディーノでの7周年のパーティーは、あっという間に時間がたち、もう12時をまわったから、そろそろ失礼することにした。
家でさらに、軽い肴をいくつか作り、1~2杯飲むのである。
作った肴は、きゅうりのピリ辛卵炒め。
細く切ったきゅうりをバターで炒め、砂糖としょうゆ、豆板醤少々で味をつけ、溶き卵をそそいで大きめにまとめる。
白菜のおひたし。
かつお節にしょうゆ。
長芋千切り。
ポン酢と一味。
それにとろろ昆布の吸物。
冷奴。
酒は焼酎お湯割り。
パーティーがたのしかったから、その余韻を噛みしめているうちに、またつい飲み過ぎてしまったのである。
「京都ぐらしがますます居心地よくなるね。」
ほんとだな、ありがたいよ。
◎食べログ
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