昨日は昼に餃子を2枚とビールを2本、ちょっとした贅沢をし、夜はスピナーズでゆっくりした。
最後は若い人たちに、「お金は好きな人に使えば生きる」と、ちょっと説教臭い話をしたのである。
いつも四条大宮のタリーズでブログを更新するぼくなのだが、昨日はなんだかそわそわして、なかなか集中できなかった。
それは昨日が土曜日で、新福菜館三条店で昼からビールを飲むつもりにしていたからなのである。
新福三条で餃子とラーメンを食べることは、いつもぼくを最高に幸せにしてくれるわけなのだけれど、昨日はさらに、餃子を2枚、したがってビールも2本、たのもうかという気になった。
ちょっと「オイタ」がしたい気分だったからだが、それを思うといつも以上にワクワクし、ブログが手につかなかったというわけなのだ。
ブログ更新を何とか終え、新福三条へ飛ぶように向かう。
カウンターの席にすわり、「一緒で」と注文すると、いつものメニューを出してくれる。
まずはビール、それにキムチ。
ビールを飲んでいる間に、餃子が焼き上がってくる。
カリッと硬い皮をかじると、肉と野菜のバランスが絶妙な、肉汁たっぷりのあんが口の中でふわっとひろがる。
「幸せだな・・・」
毎回かならず、思うのである。
この時点ではまだ、餃子を2枚たのむかどうか、心は決まっていなかった。
ビールを2本、昼から飲んでしまったら、その日一日まちがいなく、何もできないことになる。
ところが隣のお客さんが、この店には珍しく、ビールをたのんだ。
新福三条があるエリアは、たぶん上品なのだろう、土曜日や日曜日でも、昼からビールをたのむ人はそれほど多くない。
さらにそのお客さんは、あっという間にビールを飲み干し、もう一本ビールをたのんだ。
新福三条で初めて見る光景に、
「これは神様が、2本飲めと言っている」
とおもったぼくは、観念し、ビールと餃子をお代わりした。
ビールを飲み終わったら、大盛りラーメン。
これも夢中で食べ終わり、例えようもなく満足して店を出る。
お代わりのビールと餃子で700円、これで目一杯オイタができるというのだから、安いものだ。
家に帰って昼寝をする。
いつも1時間くらいで起きるところ、昨日はたっぷり2時間眠り、まだ眠かった。
昼寝から目が覚めたら、もう夜になっていた。
まだビールが残っているし、もう仕事は無理である。
1時間ほど、ちょっと片付け物をして、それからいつも行くバー「スピナーズ」へ行った。
ビールをたのみ、まずはマスターのキム君に、近況などを報告する。
そのうちまず井上ひさし似の男性、さらに草なぎ剛似の男性がやってきた。
井上ひさしは30歳、草なぎ剛は20代前半、スピナーズでは「若手」である。
井上ひさしも草なぎ剛も、それぞれ別に来ていたが、そのうちスピナーズで知りあい、年代も近いから仲が良くなったらしい。
スピナーズはこうやって、お客さん同士が仲良くなるのが多いことが、いい所だとぼくはおもう。
3人でならんで腰掛け、あれこれ話しをするうちに、話題は料理のことになった。
井上ひさしは友達と、市場やスーパーで食材を買い込み、家で調理しながら飲むのだそうだ。
ハマチやらサザエやら巨大エリンギやらを食べた話を聞かせてくれた。
「料理は見よう見まねでやるんですが、母親が作ったものを思い出したりなどしながら、どうやったらあの味になるんだろうとあれこれ試してみるんですよ・・・」
井上ひさしは楽しげに笑う。
草なぎ剛も学生時代、友達と連れ立って、ちょくちょく釣りへ行ったそうだ。
「お金がなかったので、楽しいしお腹は膨れるしで、遊びにちょうど良かったんですよ・・・」
釣った魚はその場で捌いて料理する。
「油で揚げてしまうことが多かったですが、煮付けなんかもしましたよ・・・」
煮付けまでするとは、なかなかの腕前だ。
2人の話を聞きながら、
「今の若者も捨てたものではない」
とぼくはおもった。
自分で料理して食べることを「遊び」としてやるというのは、かなり上等なことではないか。
そのうちぼくは、少し酔いがまわってきた。
話題は、スーパーで日本産として売っている米に、中国産の米が混じっていたという話になった。
「何でも安ければいいってものではないんだよ・・・」
ぼくはちょっと説教じみて話しはじめる。
「スーパーで3枚98円の油揚げを買うのと、豆腐屋で1枚130円の油揚げを買うのとでは、それはお金で考えればスーパーがいいけれど、豆腐屋で買うのは全くちがう意味があるんだ・・・
「でもお金がない人にとっては、安いほうがいいですよね?」
草なぎ剛は不思議そうな顔をする。
「お金は、好きな人に使うのが大事なんだ・・・」
ぼくは答える。
物を買うのは、「お店を応援する」ことでもある。
自分が「好きだ」と思う人が経営するお店でお金を使えば、それは回り回って、かならず自分に返ってくる。
例えばぼくは、商店街で買い物をしていたら、思いも寄らなかったことだけれど、非売品の「神輿弁当」を分けてもらえるようになった。
見返りを期待するのは、また違うことになるけれど、お金をただ「安さ」でなく、「人」を選んで使っていれば、お金は生きることになる・・・。
草なぎ剛も井上ひさしも、それには納得したようだった。
我ながら話が説教臭くなってきたから、そろそろ退散し、家で肴を作ってもう少し飲むことにした。
肴は冷蔵庫にある材料で、ごくごく簡単に作った。
冷奴。
簡単な肴には、これは定番。
長芋のとろろ。
削り節とわさび、醤油をかける。
とろろ昆布の吸物。
削り節ととろろ昆布、青ねぎ、ゴマ、醤油を入れたお椀にお湯を注ぐ。
ピーマンの卵炒め。
ピーマンをバターでさっと炒め、うすくち醤油で味付けしたら、溶き卵を流し込んで大きめにまとめ、一味をふって、ポン酢醤油をチロリとたらす。
飲んだのは焼酎水割り氷抜き。
例のごとく、ツイッターで独り言をつぶやきながら飲み、2時に寝た。
「よく飲んだ1日だったね。」
おかげでたっぷり癒やされたよ。
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コメント
高野さんこんにちは
お金は好きなヒトのために使うと生きる。同感です。私自身日常の買い物はしませんが意味は凄く理解できます。大好きな嵐山の茶店も店主の人柄が良いので通っていたのですから。飲みに行く店も同じ店ばかりです。散髪屋さんでも服屋さんでもなるべく同じヒトに対応していただきます。大型店で大量消費するのは本屋くらいです。
同じ買い物をするのなら、なるべく流行ってない店でやります。飲食店はコワイですが、文具や日用品なら積極的に流行って無い店に入る習慣ができています。思わぬ人柄の店主にめぐりあった経験もあります
お金は好きな人に使う
このタイトル
素晴らしいと思いました・・・
そうなんですよね
安いほうがありがたいのは事実の経済状況
でも
好きな人に使うのであれば
その倍を払っても惜しくありません
とても素敵な言葉だと思いました
教えてくださりありがとうございました!!!