きのうはブログの更新を終え、家に帰る道中、雲一つないいい天気だったのである。
折しも桜は満開。きょうからは一週間ほど雨の予報になっていたから、週末に2連発で花見の予定があるとはいえ、本当に気分よく花見をしようと思ったら、京都ではきのうしかないと思われた。
やることは、色々あった。仕事はただでさえも滞っているし、さらに急に舞い込んできた話があり、そのために人に会ったり、資料を作ったりもしないといけなかった。
しかしムラムラと、邪まな気持ちが湧いてくる。
「桜が見たい、、、」
家に帰って、冷静になって考えてみた。すべてを投げ出して桜を見に行ってしまえば、あとで後悔するのは分かっている。
にもかかわらず、桜を見たい気持ちは、とめどなく膨らみ続けていた。
ここまで見たくなってしまったのなら、これはもう、仕方がない。
ぼくは嵐山電車・四条大宮駅に向かい、嵐山行きの電車に飛び乗った。
向かうのは、「琴ヶ瀬茶店」である。
琴ヶ瀬茶店は、嵐山における「穴場中の穴場」といえる。
ちょっと行きにくい場所にあるため、観光客でごった返す行楽のトップシーズンでも、お客さんはほとんどない。
なぜそれで経営が成り立つのかといえば、この店は、保津川下りの売店船を運営するのが収益の柱になっているからだ。茶店は、売店船の中継基地のついでにやっているわけで、あまりガツガツとやる必要がないようだ。
茶店からの景色は最高。
茶店から目と鼻の先に川面があり、その向こうに山を見渡すことができる。嵐山の川沿いには何軒かこの手の茶店があるのだが、ここがいちばん景色がいい。
しかも山の北側にあるから直射日光が差し込まず、真夏でもひんやり涼しい。
この店は、これまで何度かブログに取り上げ、食べログにも投稿してあるのだが、お客が増える気配がない。のんびりと時間を過ごすには、まちがいなくオススメだ。
ただし大雨の翌日は、川が増水するから営業は中止となる。
また営業は3月中旬から11月一杯くらいまでだけで、冬の間はやっていない。
琴ヶ瀬茶店へ向かうには、嵐山電車・嵐山駅をでて左、渡月橋の方へむかう。
道端には、桜が見事に咲いている。
渡月橋をわたらずに、川沿いの道を右、山の方へ行く。
しばらく歩くとボート乗り場があるのだが、それもそのまま、川沿いの道をまっすぐ行く。
そのうちに、川の対岸に茶店が見えてくる。
これが、目指す先である。
茶店へ行くには、さらにちょっと歩いて行くと、川辺に黄色いボートが見えてくる。
これを漕いで、川を渡るのだ。
茶店へは、対岸を歩いて行くこともできる。
しかし、晴れた日に川の水面をボートで漕ぎ進むのは、この上なく気分がよく、ちょっとしたイベントとしても楽しめる。
店についたら、まずビール。
つまみは、おでん。
前を行き交う、屋形船や手こぎボート、それに鴨などが見えてくる。
その向こうには、山にポツポツと咲く桜。
とんびも時々やってくる。
店で働くおじさんがパンを投げると、それを器用にくわえて飛んで行く。
お店は空いているから、どんなに長居してもイヤな顔をされたりしない。
床几台に横になり、昼寝をしていくお客さんもいるそうだ。
ビールをもう一本おかわりし、シメに鍋焼きうどんを頼む。
料理の味は、どうということもないのだが、ここは景色を楽しむ場所だから、それでいいのだ。
のんびりとした時間をたっぷり過ごし、店を出た。
帰りは対岸を歩いてもどる。
川の中州でソフトクリーム。
こちらでも、桜はきれいに咲いている。
家に帰って、昼寝をしたら、もう6時。
それからあわてて、溜めていた仕事にとりかかったが、全部できなかったのは言うまでもない話である。
「ノンキすぎるよ。」
そうだよな。
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