きのうの大阪・住民投票は、都構想反対派が勝利した。
結局は、地道なことの積み重ねが大切なのだ。
投票時間終了の8時になると、もう結果が気が気ではなく、ツイッターの前に待機した。
開票は9時からで、しかも全部開くのには時間がかかるわけだから、そんな時間から待っていても仕方がないのは分かっている。でも気が気ではないことは、飲み始めるいい理由にもなるわけだ。
まず気になったのは、投票率だ。無党派層が動かなければ、府議会・市議会ともに多数を占める維新の支持者を打ち破ることはむずかしい。
「7割近い」とのことだったから、まずは胸をなで下ろした。
出口調査の結果では、賛否は伯仲、わずかに賛成が上回っているとのことだった。有権者の2割近くが期日前投票をしたそうだから、あとは、それがどうなっているかにかかっている。
開票が始まると、結果は本当に伯仲している。途中経過が出るたびに、賛成と反対とが入れ替わる。
「これは、心臓に悪いな、、、」
そう思いながらツイッターを見るうちに、、、
やがてNHKが確報を打った。
NHKきたーーー!!!
涙出てきた!!!!!! pic.twitter.com/p7oM5w7CY2— はいろき (@hirocky0121) May 17, 2015
「大阪住民投票 反対多数確実 『都構想』実現せず 大阪市存続」
「やった~~~!」
【大阪】住民投票「反対」多数の報を聞き、ガッツポーズの青年たち。(み) pic.twitter.com/ipkB7S9JbB
— 赤旗政治記者 (@akahataseiji) May 17, 2015
それからは、ツイッターはお祭り騒ぎと相成った。
最終結果は、反対が70万5585票であったのに対し、賛成は69万4844票。まさに薄氷の勝利である。
反対運動を展開した「SADL」の若い人たちは、資金も時間も十分ではない中、本当によく頑張った。この頑張りがなかったら、この結果はなかったはずだ。
これで、大阪市が解体される危機は去った。橋下も引退を表明したし、改憲の動きに歯止めをかけることもでき、万々歳だ。
しかし同時に、都構想に賛成をした人が、反対した人とほぼ同数、70万人近くにもなることもわかった。賛成がここまで多くなるとは、正直思っていなかった。
大阪都構想には、合理性がまったくなかった。財政的なメリットはないどころかマイナスだし、大きな権限を持つ大阪市がなくなれば、その分、住民サービスが低下するのも、ちょっと考えれば分かることだ。
でもその非合理を支持する人が、70万人もいたのである。
その人たちは、若くて弁が立つ橋下氏なら「何かやってくれる」と、根拠もなく思ったということだ。
日本人は、「ウルトラマン」を期待するようなところがあるのではないだろうか。
問題を一つ一つ、自分で解決していくより、すべてを一気に解決してくれそうな人につい頼りたくなるのは、自分にもあるように思えることだ。
SADLは今回、チラシを郵便ポストに入れることをしなかった。その方が、チラシはたくさん配れるはずなのに、街頭で、わざわざ一人ひとりと対話しながら手渡した。
自分たちと大阪市民の人数のちがいを考えた時、それは気が遠くなるような思いがしたはずだ。
でもSADLはそれをやり遂げ、勝利を手にしたわけである。
結局のところ、世の中を変えるには、地道な作業を積み重ねていくしかないのだろう。
それを今回、若い人たちから改めて、教えられたような気がするのである。
そんなことを思いながらツイッターを見ていたら、あっという間に夜中の12時になってしまった。
もうずいぶん酔っていたし、さすがにそれから食事を作ることは無理だから、外へ食べに行くことにした。
行ったのは、まずはたこ焼き「壺味」。
でもすでに閉店時間を過ぎていて、鉄板の火は消されている。
そこで並びのお好み焼き屋「ハイカラ亭」に足を運んだ。
ハイボールは、何と1杯180円。
注文したのは、ポテトサラダ。
温かい、マッシュポテトのようなサラダなのだが、これが意外にうまかった。
元々は、賄いで出していたのをメニュー化したものだそうだ。
それに、ベーコンエッグ。
豚肉の塩焼きそば。
ただでさえも酔っ払っていたのに、さらに何杯も飲んだから、完全に泥酔した帰宅した。
おかげで朝、起きたら10時。
SADLの若い人たちは、おそらく朝からきちんと起きて、仕事に行っただろう。それに引き換え、こちらは何たる体たらく。
でも目ざましは掛けないことにしているから、それも仕方がないのである。
「地道な努力が大事だよ。」
そうだよな。
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