3連発のサバ、きのうはしょうが煮。
うまいんですわ、またこれが。
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魚は1尾を買うのが、やはり楽しいわけで、これは魚の大きさは問わないと思う。
何より、「頭」があるのが大事な気がする。
サンマにしても、イワシにしても、姿かたちを眺めると、「かわいい」という気持ちが湧いてくる。ぼくが特に好きなのはイワシで、あのカッコイイ流線型と、ギョロッと愛嬌のある目玉がいい。
鯛などでも、とりあえず頭があれば、その顔つきを眺めることで、何となく愛着が湧いてくる。
やはり魚にも、それなりの「人格」のようなものがあるわけで、それに触れ、多少の尊敬の念をもつためには、頭がないとダメなのだ。
アサリなどでも、あの貝一つが彼ら一人一人の全身で、しかもまだ生きているから、なおさら楽しい。
砂抜きするために塩水につけると、おそらくアサリは、「家に帰ってきた」と勘違いするのだろう。殻の外に口を伸ばして、のびのびとした様子をする。
閉じていたフタをさっと開けると、「敵が来た」と思うのか、伸ばしていた口を素早くひっ込めるのだが、これも早いのと、なかなかひっ込めない鈍くさいのとがいて、アサリにも個性があることがわかる。
こういうのを見ると、食べものが「生きもの」であることを、しみじみと実感する。
それが「うまい」のは、やはりその生きものからの「贈りもの」と言うべきだろう。
それから大きな魚をまるごと買うと、食べ方をあれこれ考えられるのも楽しい。
今回、サバを買ったのだが、半身はサバ寿司、あらは吸物、それで残りの半身の、半分はサバめしにして、最後の半分を、きのうしょうが煮にした。
こうして手を替え、品を替えしていると、「食い尽くしている」という実感がある。
魚にたいする愛着が、ますます湧いてくるわけだ。
きのうはそのサバの半身の半分、煮付にするのは決めていたが、みそ煮にするか、それともしょうが煮にするかを、ちょっと迷った。
サバはちょっとクセがあるから、強い味つけが必要なわけで、やさしい味のみそ煮は定番。
でもきのうは、しょうが煮にした。
これがまた、ウマイのだ。
京都へきて、定食屋何軒かでサバの煮付を食べたのだが、みそ煮だったことは一度もなく、全部しょうが煮だった。
京都の人がサバのみそ煮を食べないことはないだろうが、何となくこちらの方が、「京都らしい」という気もする。
みそ煮のやさしい味に対して、こちらは「シャープ」。
しょうゆがキリッと利いた男っぽい、ラーメンでいえば京都「第一旭」の味である。
作るのは、煮付は全てそうだが、とても簡単。
あっという間にできてしまうし、煮時間さえ間違えなければ、まず失敗することもない。
それからきのう、いつも煮付を作るときに敷く、だし昆布を忘れたのだ。
でも食べてみて、とろろ昆布の吸物もあったのだし、昆布なしでスッキリとさせるのも、また悪くないと思った。
フライパンに、
- 水洗いし、皮目に2本くらい切込みを入れたサバの切り身
- しょうがのせん切り 3センチ大ほど(たっぷり)
- 水 1+2分の1カップ
- 酒 大さじ3
- みりん 大さじ3
- 砂糖 大さじ3
入れ、強火にかける。
出てきたアクをさっと取り、落としブタをして、落しブタのところまで煮汁が沸き上がってくる強めの火加減を保ちながら、3分ほど煮る。
3分たったら、しょうゆ大さじ3を入れ、落としブタまで煮汁がまわるように火加減を調整しながらさらに7分、計10分煮る。
10分たったら火を止めて、そのまま煮汁にひたしておけば、味がしみる。
煮付の煮時間は、ブリとサンマ、イワシ以外のほとんどの魚で、「10分」だと思ってまちがいない。
それ以上煮てしまうと脂が抜けて、パサパサになってしまうから、これだけは注意が必要だ。
皿に盛り、煮汁をかける。
まだかなりの脂があり、これはご飯が死ぬほど合う。
あとは、ほうれん草と厚揚げのすき焼。
最近は、すき焼づいているのである。
フライパンにサラダ油・大さじ1くらいを引いて中火にかけ、まず細く刻んださつま揚げ(丸天)をさっと炒めて味を出し、一旦火を弱めたら、酒と砂糖、しょうゆを大さじ1ずつ、この順番で入れる。
火加減を中火にもどしたら、まず厚揚げ、つづいてほうれん草の根、それから茎をいれ、最後に葉をいれて炒め上げる。
皿に盛って、一味をふる。
簡単にできるのだが、抜群の肴になる。
とろろ昆布のぬく奴。
水で煮て温めた豆腐を、とろろ昆布と削りぶしを入れたお椀にお湯ごと注ぎ、淡口しょうゆで味をつけ、ネギをかける。
それから白めしと、、、
すぐき。
酒は、熱燗。
きのうもうまくて、食べながら、100回くらいのけぞった。
ぼくは「全国めしの満足度ランキング」があれば、50位には入るのではないかと思う。
「自分で10点つけるからでしょ。」
そうなんだよな。
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