きのうは、檀一雄レシピ「台湾おでん」。時間はかかるが手間はかからず、しかも死ぬほどウマイのだ。
きのうは疲れがまだ抜けない上に、寝冷えして風邪を引いてしまった。まさに、弱り目にたたり目。
これは何としても、精がつくものを食べなくてはいけない、、
というわけで、豚ばら肉に、ネギたっぷりの「台湾おでん」。
これは、檀一雄が『檀流クッキング』に載せているレシピ。
友達の邱永漢が遊びに来たとき、
「ひとつ、台湾の、一番簡単で、面倒の要らない料理を教えてくださいよ」
と頼んだところ、邱永漢が深鍋ひとつで作ったのがこれだったとのことだ。
邱永漢もそのことを、自著『食は広州にあり』に書いている。
そちらも参考にし、ほんのちょっとだけアレンジして、おれもこれまで何回も作っている。
作るのは、とにかく簡単。はじめに材料を入れて2時間煮て、最後にさらに、少し材料を加えるだけ。「台湾で一番簡単」というだけあり、手間は全くかからない。
でありながら、豚ばら肉もネギもトロトロに仕上がって、絶品だ。
この台湾おでんは本当は、ネギを大量に入れるのがポイントなのだ。檀一雄は、「2束3束」と書いている。
きのうは浅い鍋で作ったから、ネギは1束(太いの2本)しか入らなかった。でももし深鍋が家にあれば、それで作るのはおすすめだ。
鍋に、
- 豚ばらブロック肉 300グラム
- 鍋に入るくらいの長さに切ったネギ 1束(2~3本)
- 薄切りにしたショウガ 2~3センチ大
- 水 4カップ
- しょうゆ 4分の1カップ(=100cc)
- 酒 4分の1カップ
を入れて中火にかけ、煮立ってきたら、弱火にする。
しょうゆは、水・1カップに対して大さじ2くらい(水・4カップなら120cc)が適量だが、初めは少し薄めにしておく。
水の量は、豚ばら肉は、きちんとかぶるくらいにする必要はある。ただしネギはすぐにしんなりするから、ネギをたくさん入れる場合でも、水面から出てしまうからといって、ことさらに水の量を増やさない方がいい。
檀のレシピにはないのだが、邱のレシピには、ニンニクとショウガを入れることになっている。おれはニンニクを使わないので、きのうはショウガだけを入れた。
フタをして、弱火でコトコト2時間煮る。
煮詰まって水が少なくなったら、適宜足す。
味を見て、塩辛ければ水を、味が足りなければ、しょうゆを入れる。
ゆで卵としいたけを入れて10分くらい煮て、火を止めたら少し置いて味をしみさせる。
皿に盛り、からしを添えて、青ねぎをかける。
肉はかなり柔らかくなっているから、鍋の中に包丁を入れて切ってしまえば、崩してしまうこともない。
これはまず、ネギがトロトロになり、しかも味と油をたっぷり吸って、たまらない。
豚ばら肉も、トロトロ。
味もバッチリしみていて、手間をかけて角煮などを作るのが、馬鹿らしくなるほどだ。
それからこれは、檀のレシピにも邱のレシピにもないのだが、かつお節をかけると、味が完全に整って、死ぬほどウマイ。
酒は、冷や酒。
それに、もちろん、ご飯。
「年なのに無理するからダメなんだよ。」
そうだよな。
◎関連記事