きのうは、たけのことサワラの煮物。
これは、まさに「死ぬしかない」ほどのウマさなのだ。
たけのこも、そろそろ終わりかけだから、精々食べておく必要がある。たけのこご飯やら若竹煮、土佐煮など、定番のメニューはお店でも食べられるけれども、それ以外の食べ方をしようと思えば、自分で料理するしかない。
何しろ、このたけのことサワラの煮物、まさに「死ぬしかない」ほどのウマさなのだ。
食べ方は、魚屋のおばちゃんに聞いた。
「サワラはいまなら、たけのことか、フキとかと炊くのがおいしいね」
とのことだったから、その通りにしたのである。
おばちゃんが即座に答えるくらいだから、このメニューも定番なのには違いない。でもネットで検索してみても、レシピはあまりたくさん出てこない。
家庭料理として当たり前すぎ、わざわざレシピとして載せるまでもないということなのだろうか。
しかしこのウマサは、尋常ではないのである。
サワラの、わりとサッパリしながらもしっかりとした味がしみた、旬の柔らかいたけのこは、この世のものとは思えない。
考えてみたら、サワラは「鰆」と書くとおり、春が旬。旬の物どうしならではの相性ということなのだろう。
きのうはさらに、わかめも入れた。
わかめをサワラと合わせるのは自炊隊で見たもので、やはり春の物どうしということだろう、サワラのさっぱりとしたところに、わかめのクセは、とてもよい。
煮魚は、「敷居が高い」と思う人もいると思う。でも実際にはむずかしいことは何もなく、煮時間さえまちがえなければ、失敗もまずないはずだ。
ただし、敷居は低いが、奥も深いのが煮魚だ。
自分好みの味にしようと思ったら、やりようは、いくらでもあることになる。
鍋は、煮魚用のものがなければ、フライパンがやりやすい。
10センチくらいのだし昆布を、2カップの水に先に20~30分浸してから、
- 食べやすい大きさに切った茹でたけのこ
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 砂糖 大さじ2
と、味のしみ込みをよくし、皮の縮みをふせぐために、皮に2~3本の切れ込みを入れたサワラを入れ、強火にかける。
煮立ってきたら中火にし、アクを取りながら2~3分煮たあと、醤油・大さじ2を入れて、落としぶたをし、7~8分煮る。
火を止めて、フタをして30分くらい置き、味をしみさせる。
食べる直前に、あらためて温め直し、煮立ってきたら、食べやすい大きさに切った茹でわかめを入れる。
ひと煮立ちさせて火を止めて、皿に盛る。
ここまでうまいとは思いもせず、食べてビックリしたのである。
サワラの柔らかな食べ応えが、また、たけのことわかめに非常に合う。
姫皮は、ホタルイカと合わせて酢みそを添えた。
酢みそは、白みそ(西京みそ)と、同量くらいの酢、それに少々の砂糖とカラシをまぜ合わせる。
あとは、生利節とレタスの吸物。
レタスは、汁物の実にしても、とてもうまい。
だし昆布とほぐした生利節を、2カップ強の水で5分くらい、弱火で煮てだしを取り、酒と淡口醤油・大さじ2ずつ、みりん小さじ2で味をつける。
油あげを少し煮て、それからシメジ、最後に手でちぎったレタスをさっと煮て、火を止める。
それに、豆ごはん。
米を洗い、普通どおりに水加減したところに、サヤから出したえんどう豆を加えて30分くらい置く。
炊く直前に、米1合にたいして酒・小さじ1、塩・小さじ2分の1を加え、ふつうに炊く。
酒は、冷や酒。
きのうはついつい、いつも以上に飲み過ぎて、布団に入った記憶がない。
でも誰に迷惑をかけるわけでもなし、酒くらい、好きなだけ飲んだらいいのである。
「酒もいいけど仕事もね。」
そうだよな。
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