昼めしに、ツナと卵の焼きソバでビールを飲んだ。
しょうゆ味の焼きソバは、ビールと絶妙なコンビネーションなのである。
ビールには、しょうゆ味の焼きソバが、とにかく合うのだ。しょうゆ味の焼きソバは、ビールにもっとも合う食べ物であるとすら、ぼくは思う。
それが何故なのか、少し考えてみたのだけれど、よくわからない。焼きソバと似たような食べ物であるラーメンは、ビールにはほとんど合わないのだから、不思議なものだ。
酒の中で、ビールが特に好きなわけでもなく、食べ物の中で、焼きソバが特に好きなわけでもない。ところがビールと焼きソバの組み合わせとなると、もっとも好きなものの一つとなる。
これは、ぼくだけのことなのだろうか。ぜひ他の人にも、試してみてもらいたいと思うところだ。
と、書きながら、ちょっとわかってきたところがあるから、さらに続けることにするが、焼きソバには、独特の「モッタリ感」があるだろう。食べるとどうも、口の中がスッキリしない、何かがねっとりと残るような感じである。
これはおそらく、小麦粉が油で加熱されることによるのだろう。ギョウザやお好み焼きなどにも、このモッタリ感はある。
ところがこのモッタリ感は、多くの小麦粉と油を使った料理で、ある方法によって解消される。
それは、「酢」である。
ギョウザは、酢醤油で食べるだろう。お好み焼きに使われるソースにも、酢が使われている。
しかしこのモッタリ感が、ビールに合うポイントなのだ。
しょうゆ味の焼きソバを食べ、口の中がモッタリする。そこへビールが流し込まれると、ビールの「ショワショワ感」により、口が一気にスッキリする。
これこそが、ビールとしょうゆ味の焼きソバの、絶妙なコンビネーションなのではないだろうか。
だから焼きソバでも、ソース焼きそばは、しょうゆ味の焼きソバほどビールに合わない。ソースが使われているからである。
それから焼きソバに、酢をかけて食べる人もいるだろう。これももし、ビールのアテにするのなら、せっかくのコンビネーションを台無しにしてしまうから、やめた方がいいことになる。
というわけで、あまり意味のないことを考えるのに、かなりの時間を使ってしまったわけなのだが、きょうは昼に、ビールとしょうゆ味の焼きソバを食べたのである。
しょうゆ味の焼きソバは、まずは豚肉の焼きソバがうまいのだが、このツナと卵の焼きソバも、かなりイケた。
ツナがしょうゆによく合うのは、知れた話だ。ここに卵を加えることにより、ちょうど「ツナマヨ」とおなじ話で、ツナにあるカドが取れ、まろやかな味になる。
野菜は、きょうは青ねぎを使った。
しかしこれはもちろん、白ねぎや、ニラなどでも同じようにうまいと思う。
フライパンにツナ一缶を油ごと入れ、強火にかける。
焼きソバ麺を入れ、酒としょうゆそれぞれ大さじ1を加えてよく炒める。
麺がモッチリしてきたら、刻んだ青ねぎを加え、サッと炒めたら、溶き卵を流し入れる。
卵が固まるまで炒め、器に盛る。
あまりにうまくて、全部食べてしまうのがもったいなくなるほどだ。
好みで一味を振ってもいいと思う。
「暇だよね。」
ほんとにな。
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