「アサリと豚肉」の組み合わせは王道なのだ。一般に肉系のだしに魚介系のだしを加えるのは、ラーメンでも「ダブルスープ」があったり、パエリアにも鶏肉と貝類を入れたりする通り、コクを増す方法として定石なのだが、ともに比較的クセがあるアサリと豚肉は、それぞれのクセが互いを補い合うところがあり、コクが一気にウルトラになる。
そしてさらに、アサリと豚肉のコンビはピリ辛味が最高に合う。豚肉を入れるキムチチゲに、アサリを入れることがあることからも分かる通りだ。
というわけで、アサリと豚肉の酸辣にゅうめん。
ウルトラなコクのピリ辛酸っぱいスープがそうめんに絡んだのは、596回は絶対死ねる。
アサリを使う料理のコツは、まずアサリに火を入れ過ぎないこと。身が縮んでしまうからで、アサリの殻が開いたら、あとはできる限り素早く器に盛るようにする。
次に塩気を控えること。アサリは殻をひらくとき大量の塩水を吐くからで、しょうゆなどは少なめにしておいて、最後に味をみて足すようにする。
あとにゅうめんのコツは、そうめんをゆで過ぎないこと。冷やして食べるのならゆで時間は2分だけれど、にゅうめんの場合は1分で十分だ。
作り方
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ1
- ニンニク 1かけ(みじん切り)
- 豆板醤 大さじ1
- 豚うす切り肉 50~100グラム(バラ肉が一番うまいがきょうはコマ肉。食べやすい大きさに切る)
を入れて弱めの中火くらいにかけ、豚肉の色が変わるまでじっくり炒める。
つづいて、
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口しょうゆ 大さじ1+2分の1(アサリがなければ「大さじ2」が適量だけれど、アサリの塩分を考慮して少なめにする)
- オイスターソース 小さじ2
を加え、さらに1分ほど炒めて味をなじませる。
- 長ねぎ 10センチくらい(ななめ切り)
- 油あげ 2分の1枚(1センチ幅くらいに切る)
- しめじ 3分の1袋(石づきを落としてバラす)
を入れ、1~2分炒めたら、
- アサリ 100~200グラム(水・2分の1カップ、塩・小さじ2分の1の塩水に30分くらいつけておき、そのあと両手で殻をゴシゴシと擦りながら、水を4~5回替えて洗う)
- 水 2カップ
を加えて、火加減は弱めの中火のままで、煮立ってアサリの殻がすべて開くまで火を通す。
ここで味をみて、塩気が足りなかったら薄口しょうゆを足す。
- 片栗粉 大さじ1
- 水 同量
の水溶き片栗粉を、混ぜながら少しずつ加えて軽くトロミをつけ、
- 酢 大さじ1
を入れてひと混ぜして火を止める。
- そうめん 2束(1分ゆで、水にさらして粗熱を取って水気を切る)
を入れた器によそう。
好みで粗挽きコショウをかける。
そうめんが、またピリ辛酸っぱいスープによく合って、ウルトラにたまらない。
そして今朝も、このアサリと豚肉の酸辣にゅうめんを作りながら、酒を1~2杯飲んだのだ。そうしたらまたたっぷりと昼寝したのは、言うまでもない話である。
「仕事はいいの?」
そうだよな。