マチコちゃんから教えてもらい、カラスガレイの煮付けに加え、しゃっきりジャガイモのツナ炒めを作った。
これは「もっそり嫌い」には打ってつけのジャガイモメニューなのである。
これは特に酒を飲む男性には、そういう人も少なくないのではないかと思うのだけれど、芋の「ほっくり」とした感じにあまり興味が持てないのである。菓子やケーキ、パンなどに興味が持てないのと同列で、むしろ「もっそりして口が乾く」と感じてしまう。
最も興味がないのはサツマイモで、これは、できれば食べたくない。それから次にジャガイモも、「あまり興味がない」部類に入る。
ジャガイモは、肉を入れた汁物と合い、味を吸う役割をしてくれるから、肉ジャガやら豚汁やらに使わないこともない。
しかしそれ以外の、例えばポテトサラダなどには興味がないから、どうやって使ったらよいかよく解らず、いつも戸棚の肥やしになってしまっていたのである。
ところがきのう、晩飯の献立を考えながら、ツイッターでぼそっとそのことを呟いたら、ジャガイモの画期的な使い方を知ることと相成った。マチコちゃんから返信があったのだ。
「細く切ってしっかり水にさらしてツナと胡麻油でサッと炒めるん最高です。味は醤油だけ。あんま炒め過ぎないのがコツです。シャキッと。」
とのことである。
「なるほど」と膝を打った。
ジャガイモを、ほっくりではなく、しゃっきりとさせる使い方は、たしかにあった。中国や韓国などでよく行われるのではないかと思うのだが、細く切り、よく水にさらすことで、ジャガイモに含まれるでんぷんを抜いてしまうのだ。
ジャガイモがほっくりするのは、でんぷんの作用である。でんぷんを抜いてしまえば、ジャガイモはほっくりしなくなるわけだ。
さらにそれを、「ゴマ油とツナ、しょうゆ」で炒めるというのが、またいい。
しゃっきりとしたジャガイモに、いかにも合いそうではないか。
「PiPi」でマチコちゃんの作ったものを食べ、マチコちゃんはシンプルでありながらうまいものを作る人だと、いつも思っていた。
しかし今回、「もっそり嫌い」の人間に、ドンピシャなじゃがいもメニューをさっと出してきたのを見て、改めて「ただ者ではない」と思った次第なのである。
ジャガイモは、きのうは3ミリ幅くらいに切った。
まず長さ4~5センチ、厚さ3ミリの斜め切りにし、それをさらに、3ミリ幅に切る。
ただしこれは、マチコちゃんによれば「もっと薄く、針のようにしてもうまい」とのことだ。
これをしっかりと水にさらす。
「しっかり」とは、「5分以上」の意味である。
フライパンに、油ごとのツナ一缶と、ゴマ油少々を入れて中火にかける。
鍋が温まったら、水にさらし、よく水を拭き取った細切りジャガイモ、きのうは新ジャガの小さめのを3つ使ったが、それを炒める。
ここで、炒め過ぎないのが肝心だ。3ミリ幅なら、炒め時間は2~3分、ジャガイモが透き通ってくるのが火が通ったサインとなる。
ジャガイモが透き通り始めたくらいのところで、すかさずしょうゆ大さじ1を鍋肌から入れる。
全体を混ぜ、ジャガイモがやわらかくなり過ぎないうちに火を止める。
しゃっきりとジャガイモに、ツナと醤油の味がしみ、これだけで酒がいくらでも飲めそうだ。
マチコちゃんによれば、
「しょうがの千切り入れるともっと美味しいどすえ!」
とのことである。
きのうあと作ったのは、塩もみ玉ねぎの酢の物。
玉ねぎは塩もみすると、やわらかく、なめらかな食感になりとてもうまいのだが、酢の物も非常によかった。
玉ねぎはタテの薄切りにし、一つまみの塩で揉んで5分ほど置き、水洗いして水気を拭き取る。
薄切りのちくわ、ちりめんじゃこ、わかめと一緒に、砂糖小さじ3、酢大さじ3、塩少々で和える。
梅干しととろろ昆布の吸物。
お椀にとろろ昆布、削りぶし、梅干し、青ねぎ、淡口しょうゆを入れ、お湯を注ぐ。
酒は、冷や酒。
朝起きて、自分のツイートを見てみると、何だかきのうは、いつにも増して炸裂していた。
「酒グセ悪いよ。」
そうだよな。
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