にしんとナスは別煮する。にしんとナスの炊いたん

2015/06/25

ニシンとなすの炊いたん

「にしんとナスの炊いたん」は、京都の代表的な家庭料理の一つ。干物である身欠きにしんと京都名産のナスを使った、京都らしい料理である。

このにしんとナス、別煮をするとまたウマイ。手をかけただけのことはある、次元のちがう味になるのである。

 

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身欠きにしんは、京都の人はよく食べる。「にしんそば」など、京都の名物料理ともなっている。

これはまずはもちろん、海が遠く、新鮮な海産物が手に入りにくかった京都で、魚は干物や塩漬けにしたものが多く利用されていたからだろう。

 

しかし、「なぜにしんか」ということはある。名物とまでなっているにしんは、他の多くの干物にくらべ、京都で特別な地位を有しているようにも見えるのだ。

これはたぶん、身欠きにしんが、煮物に使える数少ない干物の一つだからではないだろうか。

やはり家庭料理は、煮物がおかずの中心になる。煮物に使える干物といえば、あとは「棒だら」くらいではないかと思うが、これも京都では、正月料理には欠かせないものとなっている。

 

このにしん、「ナス」と合わせるのが定番中の定番だ。

にしんとナスの炊いたん

にしんとナスは「出合いもん」と呼ばれ、相性がいいもの同士とされている。

実際ナスは、わりと歯応えがあるにしんと比べてやわらかで、またにしんがクセがあるのに対し、あまりクセはなくてぼんやりしている。この正反対のものを一緒にすると、たがいが相補ってくれるわけだ。

 

にしんとナスを炊き合わせるのに、一般的なやり方は、まずにしんを煮て、そのおなじ鍋に、下処理したナスを加えること。ネットのレシピを見てみても、見た限りはすべて、そのやり方になっている。

しかしこれを、別々に煮ると、また次元のちがう味になるのである。

 

にしんとナスを別に煮るのは、いつも行く魚屋のおばさんに教わったもの。おばさんは、当たり前のように教えてくれたから、これが京都の標準的なやり方かと思ったら、そういうわけでもないようだ。

 

まずにしんを煮て、煮ている途中で、煮汁を別の鍋に取り、それを薄めてナスを煮る。にしんはそのまま、コッテリと煮詰めてしまう。

このような煮方をすると、にしんとナスの対比が、より際立つことになるのである。

 

にしんは甘辛く、コッテリしている。それに対してナスは、少しうす味であっさりしている。

だからまずコッテリとしたにしんを食べ、つづいてあっさりナスを口に含むと、それが「ホッ」とした癒やしになるのだ。この感動は、一緒に煮てしまったのでは、味わえない。

 

にしんもナスも、煮時間はそれほど長くない。手間をかけても、時間はそれほどかからないから、ダマされたと思って別煮してみるのは、とてもおすすめなのである。

 

身欠きにしんは、ソフトタイプのものを使う。

にしんとナスの炊いたん

これが全国的に売られているものかどうかは分からないのだが、カチコチの身欠きにしんが、戻すためには一晩米のとぎ汁にひたし、さらに番茶で1時間ほど煮ないといけないのに対し、すぐに使い始めることができる。

 

ただし、アク抜きは必要だ。

にしんとナスの炊いたん

水で1分ほどゆで、ゆで汁は捨てる。

 

それからナス2本も下ゆでする。

にしんとナスの炊いたん

2センチ幅くらいに切り、塩は入れずに1~2分。

 

改めて鍋に5センチくらいのだし昆布と、下ゆでしたにしんを並べる。

にしんとナスの炊いたん

 

ここに、

  • 水 2カップ
  • 酒 大さじ3
  • みりん 大さじ3
  • 砂糖 大さじ3

をまず入れて、5分くらい弱火で煮、つづいて醤油・大さじ3を入れて、さらに10分くらい煮る。

にしんとナスの炊いたん

 

計15分煮たところで、煮汁を半分くらい、別鍋に取る。

にしんとナスの炊いたん

水で1.5倍ほどに薄め、さらにこのままでは少し甘すぎるから、醤油をちょっと加えて味をととのえ、下ゆでしたナスを入れて、弱火で5分くらい煮る。

火を止めてから、ナスを鍋に入れたまま冷まし、味をしみさせる。

 

にしんは、引きつづき落としブタをして弱めの中火くらいで煮て、煮汁がちょっとドロッとしてくるまで煮詰める。

 

 

にしんとナスを皿に盛り、にしんにはコッテリした煮汁をかけて、粉山椒と一味を振る。

にしんとナスの炊いたん

 

これはほんとに、たまらない味なのだ。

にしんとナスの炊いたん

 

 

さてここで、ナスを煮た鍋には、まだ煮汁が残っているはずだ。

シメのそうめん

この煮汁で、シメにそうめんを煮ると、またたまらない。

 

ナスの煮汁は、さらに同量くらいの水で、2倍に薄める。

シメのそうめん

そうめんは、水でゆでずにそのまま入れ、1分ほど、固めに煮る。

 

さらに今朝、皿に残ったにしんの煮汁を、ソーミンチャンプルーを作るのに使った。

にしんの煮汁のソーミンチャンプルー

これがまたウマイのも、言うまでもないのである。

 

 

あとは、オクラととろろ昆布の吸物。

オクラととろろ昆布の吸物

お椀にとろろ昆布と削りぶし、薄い小口切りにしたオクラを入れ、お湯を注いで淡口醤油で味をつける。

 

梅かつおの冷奴。

梅かつおの冷奴

梅かつおは、梅肉と、見た目同量くらいの削りぶしを包丁でよく叩いてペースト状にし、やはり見た目同量くらいのみりん、それにほんのちょびっとの淡口醤油で溶きのばす。

 

それに、冷やしトマト。

冷やしトマト

酒は、冷や酒。

 

肴がうまいと、酒もうまい。

うまいのだから、多少飲み過ぎたとしても、仕方ないのである。

 

「飲み過ぎない人だっているんだよ。」

チェブ夫

そうだよな。

 

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