京都三条会商店街のイベント「夜店」に出かけてきた。
夜店は年を追うごとに人が増え、今年はとても盛況だったのである。
三条会商店街は、「京都でいちばん元気な商店街」なのだそうで、全国で多くの商店街がかつての勢いを失うなか、人通りも多く、閉まっている店もない。どこかの店が閉店すれば、すぐに新しい借り主が決まり、若い人が入ってくる。
おしゃれな美容院やら、菓子屋やら、喫茶店やら、ギャラリーやらも増えていて、テレビなどの取材を受ける店もあるようだ。
しかしそれは、もちろん自然にそうなったのではないようだ。商店街の人達のかなりの努力があったと聞く。
10年くらい前には、三条会商店街も、いまと比べればずいぶん寂れていたらしい。それを、ちょうどそのころ、家業を継ぐことに決めた商店の若き2代目、3代目たちが、「このままではいけない」と立ち上がったのだそうだ。
親の世代は、商店街に新しい店が入ってくるのを、「ライバルが増える」と警戒する向きもあったという。それを、「新しい店ができるからこそ商店街が活性化する」と説得し、出店を積極的に応援するようになったのが、それら若き店主たちだったそうだ。
そしてイベントも、積極的に組むようになった。
商店の人にとって、営業時間外に行われるイベントは、かなりの負担になるだろう。代休を取るわけにはいかないのだから、休みを削ることになる。
でもそれを、三条会商店街では、月一度くらいはやっているのではないだろうか。
若い店主たちは、自分たちの集まりに「参上隊」と名前をつけ、揃いのTシャツなどを着込んで、イベントの先頭に立つ。三条会商店街が元気だと言われるのは、それら若い人たちの努力の賜物なのである。
きのうはその三条会商店街のイベント「夜店」があった。
これは毎年7月の第一土曜日と決まっている。
商店の営業が終わる6時ごろから、今度はそれぞれのお店が出店を出し、商店街は祭の会場となる。
きのうもものすごい人出で、身動きが取れないほど。人の数は、ぼくが来て4年のなかでも、年ごとに増えているのではないだろうか。
いわゆるプロの屋台も、いくつかは出るのだが、ほとんどは商店の人たちが自前で出す出店。手作り感にあふれている。
魚屋は、イカやらホタテやらを焼く。
豆腐屋は、お揚げの焼いたん。
八百屋は焼きトウモロコシ。
漬物屋は一本漬け。
新しい店は、ハモンセラーノを振る舞ったりもする。
かき氷は欠かせないだろう。
金魚すくいはもちろんアリ。
さらにはレーンは自作したのだろう、サッカーボールにペットボトルのピンの、子供ボウリングも登場していた。
ぼくもビールを手に、ときどき買い食いなどをしながら、夜店を歩いた。
知り合いも多くいたはずだと思うのだが、この人出、さすがに誰も見つけられなかった。
三条会商店街は、全長800メートルほど。普通に歩いても端から端まで10分くらいはかかる、かなり大きな商店街だ。
それがこの人出で、出店が出て道幅が狭くもなっているから、なかなか前に進まない。
歩いては止まり、歩いては止まりとしているうちに、歩き出した地点から、商店街を往復し、元に戻ってくるまでに1時間半がかかった。
この盛況は、商店の人たちも喜んでいるだろう。
片付けなどは大変だろうが、ぜひまた明日からの活力にしてほしい。
「商店街が元気なのはうれしいね。」
ほんとだな。
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