きのうは和風・部隊チゲ。
スタミナをつけるなら、部隊チゲもいいのである。
ニラともやしを使ってしまわないといけなかったのだ。先おとといのキムチ鍋に使わなかったから、そのまま冷蔵庫に入っていた。
ニラともやしというと、「レバニラ炒め」がまっ先に思い浮かぶ。でも寒いから、鍋物にしたかった。
ニラともやしを使った鍋となれば、「キムチ鍋」がまず思い浮かぶが、これはもうおととい食べた。
それでしばらく考えた結果、思い出したのが「部隊(ブテ)チゲ」。
やはり韓国鍋の一つで、在韓米軍の部隊が多い地域が本場とのこと。米軍放出品のスパムやらウィンナーやらが使われるのが特徴で、さらになぜか、インスタントラーメンが入るのが定番だ。
ニラに、スパムやらの豚肉が入れば、スタミナ的にはバッチリだ。
カウンターで疲れた体に、ちょうどいいわけである。
韓国の料理は、一時期凝ったことがある。韓国の気取らない料理は大好きで、韓国へは何度も行ったし、日本にある韓国料理屋にも通いたおした。
唐辛子とニンニクを大量につかうところは、日本の料理とはまったくちがい、しばらくはどうやって作っているのか、食べても見当がつかなかった。
でもそのうち、韓国の友人から作り方を聞いたりして、日本の料理とよく似たところもあることがわかってきた。
朝鮮半島を統治していた不幸な時代もふくめ、日本は朝鮮半島と長いあいだ関係をつづけてきたから、料理もおたがいが影響を及ぼしあいながら発展してきたところがあるのだろう。
韓国では、だしも煮干しを使うことが多いし、調味料も、酒やみりん、しょうゆ、みそ、砂糖など、日本とおなじものも使う。
誤解をおそれず、ぼくなりに簡単化していえば、
「日本の料理に、ニンニクと唐辛子、ゴマ油を入れると韓国料理になる」
となる。
韓国にも、全部辛くておなじようにも見えるのだが、じつはベースは、しょうゆ味とみそ味との2種類があり、さらに汁物などのうす味と、煮物などのコッテリとした味がある。
「料理の構造」として見ると、韓国の料理と日本の料理は共通するところが多いのだ。
部隊チゲなどの鍋の場合も、日本人がいちばん簡単に作ろうと思えば、まず和風・みそ仕立ての汁を作り、ここにコチュジャンや韓国唐辛子、ニンニク、ゴマ油などを入れる、ということになる。
これら韓国調味料をいれるだけで、日本の味が、おもしろいくらいに韓国の味になる。
ただしコチュジャンや韓国唐辛子を家に常備するのは、「韓国料理がよほど好き」なのでない限り、あまりおすすめはできないのだ。
だいたいは使い切れずに、冷蔵庫の肥やしになってしまう。
なので部隊チゲをつくる場合も、韓国味は「キムチ」だけを使うことにする。辛さを増したい場合には豆板醤をくわえれば、パンチはちょっと足りないが、そこそこの味になる。
それからぼくは、ニンニクは使わない。
その代わり、おろしたショウガをたっぷり入れれば、味的には不足はなくなる。
だしは煮干しが一番いいが、ぼくは煮干しを使わないから削りぶし。
4カップ半の水で、ミニパック4袋分の削りぶしをしっかり煮出し、4カップのだしを取る。
だしを取っているあいだに、ゴマ油でたっぷりのキムチと、豆板醤少々を炒める。
サッと混ぜたらフタをして弱火にし、10分ほど蒸し焼きにしてしまうのがおすすめだ。
だしには、みそと酒、みりんそれぞれ大さじ4ずつをいれて味付けする。
炒めたキムチと、おろしショウガ大さじ2くらいを入れて味をみて、塩をくわえる。
あとはここに、何でも好きなものを入れればいいのだ。
ただしスパムは絶対に入れないと、「部隊チゲ」と呼ぶことはできない。
きのう入れたのはこのスパムにウィンナー、豆腐、ジャガイモ、玉ねぎ、もやしにニラ。
インスタントラーメンは「辛ラーメン」のを使うと、煮込んでもやわらかくなり過ぎない。
スパムにウィンナーが、またこの辛いみそ味によく合うわけだ。
最後はもちろん、ご飯を入れて雑炊にする。
酒は、冷や酒。
韓国の料理には、日本酒がほんとに合うのである。
さすが豚肉とニラのおかげニで、今朝は体の疲れはスッキリとれた。
ところがいったん起きたのに、また布団に逆もどり。起きる気がしないのだ。
カウンターの先輩は、
「カウンターのあとは自分が思っているより50倍は疲れている」
と言っていた。
口汚い差別扇動をあびながら抗議するから、精神的にも疲れるのだろう。
結局きょうは何もせず、夕方近くまでずっと布団に入っていた。
在特会など、早くなくなってしまってもらいたいものである。
「年なんだよね。」
そうだよな。
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