白身魚は酒蒸しもうまいのである(タラの酒蒸し)

タラの酒蒸し タラ

きのうはタラを酒蒸しにした。

タラの酒蒸し

白身魚は酒蒸しもうまいのである。

 

 

喫茶店「PiPi」は、月一回「カレーの日」を開催しており、店主マチコちゃんの特製カレーが供される。普段はランチやお弁当があり、それに加えてカレーまで作ることができないため、月一回だけになっている。

このカレーが実に大したもので、ぼくがこれまで食べた全てのカレーの中でも、最低でも10本の指には入り、場合によっては5本の指に入るのではないかと思うくらい、うまい。

喫茶店PiPi「カレーの日」

これ一本で店をやっても、十分イケると思えるほどだ。

 

プレーンなチキンカレーで、スパイスは全て、自分で調合するそうだ。

喫茶店PiPi「カレーの日」

味のバランスがとてもよく、よくインドカレー屋にありがちな、バターやらクリームやらを大量に入れ、胸焼けするくらいコッテリしたものとは全く異なり、基本的にサッパリしている。

しかし大量のショウガと、きのうはココナッツミルクも使ったそうだが、それらによってばっちりとコクがあり、味に足りないところはない。

さらに、辛いものをそれほど食べない京都にしては、異例とも言えるほどの辛さで、しっかりとカレーを食べた気になれる。

 

カレーの日は、常連のお客さんも分かっていて、土曜日なこともあり、いつもにも増してお客さんが押し寄せる。

予約しておかないと、食いっぱぐれることもあるようだ。

 

ぼくはきのうも、言うまでもなく、ビールを飲みながらカレーを食べる。

以前は「カレーにビールは合わない」のが持論だったが、それはいま思い返せば、辛さが中途半端だったからで、こういうきちんと辛いカレーなら、ビールとの相性は抜群だ。

 

昼酒は、相変わらず毎日しているが、これは昼にも、食事をしないといけないからだ。食事のときに酒がないと、ぼくにとっては、それは食事ではなく、「エサ」としか感じられなくなってしまう。

何しろ食事のときに酒を飲むと、食事の楽しさが、ざっと100倍にはアップする。

その楽しさを一度知ってしまったら、もうそれなしにはやって行かれなくなるのは仕方がないことだろう。

 

ちょうど隣に、カウンターなどへも一緒に出かけたりする男性がいたから、食べながら話もした。

マチコちゃんやその男性に誘われたのをきっかけに、ぼくはデモやカウンターに行くようになったから、

「ほんとに感謝していますよ・・・」

改めて礼を言った。

 

以前のぼくは、日本の問題点や矛盾に憤ってはいたけれど、

「自分一人が何かしたって、大きな流れは変わらない」

とあきらめていた。

かなりの悲劇的な事態が引き起こされるだろうけれど、

「いまの政権は、選挙で日本人が選んだものなのだから仕方がない」

と思っていた。

 

しかしそれは、「民主主義」をよく知らなかったからなのだ。

民主主義は、独裁に対抗できる様々な機能を備えていて、それを活用することにより、一人で考えていたときには思いもよらなかった、大きな成果を得ることができる。

例えば1年半前、カウンターの活動がスタートした頃は、その前数年にわたり、醜悪な差別アピールにより在日の人達を一方的に傷付けていた「在特会」の存在を、ほとんどの人は知らなかったのではないだろうか。

しかしそれから1年半、カウンターが活動したことにより、いまでは世論調査で8割の人が、「ヘイトスピーチは良くない」と答えるようになっている。

 

わずか1年半の期間である。

それで世論に、これだけ大きな影響を与えられるわけだから、市民運動の力は、決してバカにしたものではないと言えるだろう。

 

男性は帰り、今度は反対側の隣に、共産党関係の若い人がいたから話をした。

共産党は、長年にわたって市民活動の下支えをする存在だから、いま共産党が、カウンターにどのように関係しているかを聞いてみた。

 

すると、

「現時点では関係していない」

とのことである。

市民運動は、その時々の時代の要請により、市民が自発的に立ち上げるものだから、場合によっては、以前の常識からは思いもよらなかった、新しい運動が生まれてくることもある。

カウンターがまさにそれで、「実力行使」の活動スタイルが、それ以前の市民運動には、全く見られなかった類のものだったのだそうだ。

だから共産党は、カウンターの活動を慎重に見ながら、「どういう形が一番効果的な応援になるのか」を検討中なのだそうだ。

 

それを聞き、ぼくは改めて、市民運動の力を思い知った。

志を持った市民が立ち上がり、つながっていくことだけで、世の中にあれだけ大きなインパクトを与えられるわけである。

 

カレーを食べ終わったから、挨拶をして家に帰り、いつも通りに昼寝をした。

目が覚めて、仕事も少しだけがんばった。

 

仕事を終え、スーパーへ行ったのは9時半だった。

「魚が食べたい」と思っていたが、鮮魚売り場を眺めると、「タラ」がある。

タラは冬の魚で、これからますますおいしくなるが、まずは出始めを味わうこととした。

タラはまず「鍋」にするのがとにかくうまく、「タラちり鍋」は定番中の定番だろう。

 

しかしきのうは、豆腐と合わせて酒蒸しにすることにした。

タラの酒蒸し

鯛でもスズキでも、そしてタラでも、白身魚の食べ方として酒蒸しは王道だろう。

 

作るのは簡単で、深めのフライパンに水3カップほどを入れ、その上に深皿を置く。

タラの酒蒸し

皿にまずだし昆布を敷き、パラパラとうすく塩を振ったタラ、大きめに切った豆腐、それにほぐしたシメジを並べる。

上から酒大さじ2ほどをパラパラと振りかけ、さらにタラの上に、淡口しょうゆ小さじ1ほどを垂らしておく。

フタを閉めて中火にかけ、そのまま15分蒸す。

 

青ねぎと、きのうは冷蔵庫に余っていたスダチを絞ったが、ポン酢を少しかけてもいい。

タラの酒蒸し

ほっこりとしたタラと、淡い味のしみた豆腐が、もう「たまらないわけ」で、酒が進みまくるのは仕方がないのである。

 

あとの魚は、水菜の吸物。

水菜の吸物

青菜の吸物は実にうまく、これからの季節には欠かせないものとなる。

 

鍋にだし昆布を敷き、2杯分、水2カップ強を入れて中火にかける。

フツフツと煮立ってきたら、酒大さじ2、みりん小さじ2、淡口しょうゆ大さじ2を入れ、まず細く切った油あげを2~3分、それから水菜をサッと煮る。

お椀によそい、削りぶしを振りかけて、おろしたショウガを天盛する。

 

なすのツナ炒め。

なすのツナ炒め

これも実に簡単なのだが、大変うまい。

フライパンに、油ごとのツナとゴマ油少々、それに1センチ幅くらいに切ったナスを入れて中火にかけ、2~3分、じっくり炒める。

しょうゆで味を付け、青ねぎを加えてひと混ぜしたら皿に盛り、一味をかける。

 

オクラのおかかポン酢。

オクラのおかかポン酢

オクラは板ずり(まな板で塩を振ってズリズリする)し、サッとゆでてヘタを落とし、タテ半分に切る。

削りぶしと、味ポン酢をかける。

 

酒は焼酎水割り。

酒は焼酎水割り

いつもの通り、飲み過ぎたわけである。

 

「飲み過ぎは体によくないよ。」

酒は焼酎水割り

そうだよな。

 

 

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