震災を忘れてはいけないのである。(ブリのてり焼き、ホタルイカと菜の花の酢みそ和え、ほうれん草と新子のおひたし)

ブリのてり焼きと、ホタルイカと菜の花の酢みそ和え、ほうれん草と新子のおひたし ブリ

 
魚屋も八百屋も、今は冬のものと春のものとが入り混じってならんでいるから、昨日はブリのてり焼きと、ホタルイカと菜の花の酢みそ和え、ほうれん草と新子のおひたしにした。

ブリのてり焼きと、ホタルイカと菜の花の酢みそ和え、ほうれん草と新子のおひたし

これを肴に酒を飲みながら、「震災を忘れてはいけない」とあらためて思ったのである。

 

 

京都にいたぼくは、地震があったことにすぐに気付かず、床屋で髪を切っていたのだが、家に帰ってツイッターを見ると、尋常ではないことが起こっているようだった。

それでテレビをつけると、目を疑うような光景が映しだされていた。

それからぼくは、数日間、テレビの前に釘付けになった。

涙が止まらず、近くの神社に毎日お参りするようになった。

 

しかしそれから、さらに耳を疑うような事態となった。

原子力発電所が被害をうけ、放射能が漏れだしているという。

これを無事収束させられるのか、ぼくは固唾をのんで見守った。

官邸や東電の記者会見は、ネットでリアルタイムで見た。

 

それからぼくは、日本の社会について、多くのことを考えることとなった。

地震は天災で、避けることは難しいだろうが、原発の事故は人災だろう。

原因をきちんと究明し、責任を追求する。

その上で、あるべき姿を構想し、これから日本は、そちらへ向かっていかなければいけないと思った。

 

でも残念ながらその後の展開は、ぼくが思い描いたようにはなっていない。

事故の原因も責任も、曖昧なままになっているだろう。

東電は、経営陣こそ退陣したが、解体などされることなくそのまま残り、責任者が刑事訴追されることもないままに来ている。

現政権は、原発を再稼働することにひた走り、さらに輸出までしようとしている。

 

ぼくは自分が、このような日本の流れを変えることができるとは思っていない。

この無責任体制こそが、まさに「日本」なのだろう。

それを、多くの国民も積極的、消極的に支持している。

どうしようもないことだ。

 

ただぼくは、自分がこれからしないといけないことがあると思っている。

それは、「震災を忘れないようにする」ことだ。

「原発はコントロールされている」という首相の言葉と裏腹に、汚染水は今日も漏れだしている。

多くの人が、福島県外に避難したままなのである。

 

日本社会のしわ寄せを、かぶることになってしまっている人達がいる。

日本の社会は、国民の一人ひとりが作っているものである。

 

魚屋へ行っても八百屋へ行っても、今は冬のものと春のものとが入り混じってならんでいる。

気候もまさにそんな感じで、日差しは明るくなっているのに、まだまだ寒い日がつづく。

それで昨日はぼくも、冬のものと春のものとを混ぜこぜで食べることにした。

ブリのてり焼きと、ホタルイカと菜の花の酢みそ和え、ほうれん草と新子のおひたし

ブリてり焼きと、ホタルイカと菜の花の酢みそ和え、それにほうれん草と新子のひたしである。

 

ブリの旬はとうに過ぎ、脂の乗りは往時にくらべようもないけれど、といって不味いわけではない。

ブリてり焼き

旬のブリは、塩焼きにしてもうまいけれど、今ならやはりてり焼きだろう。

 

てり焼きは、フライパンで作ると手軽で、難しいことは何もない。

ブリてり焼き 作り方

まず中火にかけ、よく熱したフライパンにブリをいれ、フタをして4~5分焼く。

 

こんがりと焼き色がついたらひっくり返し、今度はフタを外して2~3分、やはり焼き色がつくまで焼く。

ブリてり焼き 作り方

焼いているうちに出てきた脂は、ペーパータオルで拭き取っておくと臭みがでない。

 

ブリが焼けたら、しょうゆと砂糖、酒とみりんそれぞれ大さじ1づつをよく溶かしまぜたタレをいれ、ブリの表と裏をからめながら1分ほど火にかける。

ブリてり焼き 作り方

タレに粘り気がでてきたところで火を止めて、ブリを皿に盛り、タレを上からかける。

 

ホタルイカと菜の花の酢みそ和え。

ホタルイカと菜の花の酢みそ和え

ホタルイカはゆでたものを買ってきて、水で洗って眼だけとる。

菜の花は塩一つまみをふった水でサッとゆで、水で冷やしてよくしぼる。

西京みそと酢大さじ1ずつ、カラシ少々のからし酢みそを上からかける。

 

ほうれん草と新子のおひたし。

ほうれん草と新子のおひたし

サッとゆでたほうれん草と新子(イカナゴの子)を、砂糖としょうゆそれぞれ小さじ1ずつで和える。

 

あとはとろろ昆布の温く奴。

とろろ昆布の温奴

とろろ昆布とうすくち醤油をいれたお椀に、水で煮てあたためた豆腐を水ごといれ、かつお節とショウガ、青ねぎをかける。

 

長芋千切り。

長芋千切り

一味と味ポン酢。

 

酒はぬる燗。

酒はぬる燗

昼に飲んでいるから、2合で終われる。

 

ちなみに昼は、豚肉の味噌うどんをアテにした。

豚肉の味噌うどん

おととい赤だしを作るとき、汁を多めに作っておいたので、これで豚肉とうどんを煮た。

 

「ぼくは福島へ行ってみたいな。」

チェブラーシカのチェブ夫

近いうちに行ってみような。

 

 

 

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コメント

  1. 福島かめ子 より:

    おいしそうな写真とチェブ夫のコメント、楽しく拝見しています。
    震災直後のブログを過去に読ませて頂きながら号泣していた時期もありました。
    思いを寄せて頂いている、含んで頂いていると感じるだけで、人は力が湧くものです。本当に本当にありがとうございます。
    未だにテレビで震災時の映像は観ることが出来ません。一生そうかもしれません。 それでも、前を向いて、今を生きていきます。
    災害はいつどこで起きるか分かりません。
    だからこそ、忘れないでいたいです。

  2. zen より:

    毎日いい料理してますね。私も単身生活で自炊生活してます、高野さんのん参考にしてますよ。うん10年1人生活してるんで多少は料理もうまくなりました。
    震災は忘れてはいけまへん、その通りです。
    ひとことのように思ってては?何処でいつ何が起こるかもしれへんしね・・・
    私も福島県にネット友達いますが連絡は途絶えたままで、飛んで行きたいです。是非高野さん福島へ。

  3. boo より:

    地震の時、大阪の淀屋橋から数分の10数階建てのビルの10階あたりで、派遣の仕事をしていましたが、ビルが高いせいか体が揺れましたよ。「あれ?これって地震?」
    家はテレビが無いし、その時はPCのハードディスクが壊れていたので
    ネットも見られず、ラジオだけ。
    東北の地震で、大阪まで揺れた事にびっくりしました。
    1か月程して、定食屋でテレビを見て2度びっくり。「こんな事になっていたとは・・・」
    待ち合わせの本屋で雑誌の写真を見て3度びっくり。「ここは爆撃にでもあったのか?」
    4度目は、対応の余りのいい加減さ。言いたくないけど「昔の日本人なら・・・」
    バルブを閉め忘れたとか、間違えてたとか、どこか分からないけど
    漏れてるとか・・・。
    でも、命の危険を賭して実際に現場で働く人は、途中で途中で賃金を抜かれ、「こんなお金で良いのか!?」状態なんですよね。
    やっぱり「昔の日本は・・・」な気がします。

  4. moko より:

    気持ちだけあるんですが
    腹据えて取り組めるかっていうと…
    ただし今のままではまずいとは思ってます。
    しっかりと復興に向けた視点を持っていかなければとは思いますが体が動かない・・・
    かっこいいです!高野さん!

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