【初心者おすすめレシピ】ゴーヤーチャンプルー

反和食レシピ

炒めものは、手軽にできる料理の代表格ともいえるもの。中でも沖縄の炒めもの「チャンプルー」は、作り方をおぼえておくと応用範囲が広いです。

 

炒めものは水と油の両方を使うのが最大の特徴

炒めものの第一の特徴は、まずはもちろん、高温で調理することで材料に短時間で火を通すことがあげられます。なので中華料理店へ行けば、ビックリするくらいあっという間に注文した料理が出てきます。

でも炒めものの特徴は、それだけではありません。

日本の料理は、煮物や汁物など水(だし)だけを使ったものか、天ぷらなど油だけを使ったものか、どちらかしかありません。それにたいして炒めものは、多くの場合、水と油の両方を使います。

水と油は、そこに溶けるものが違い、また材料にたいして異なった作用をします。たとえば唐辛子の成分は、油にしか溶けません。またにんにくやネギなどの香味野菜も、成分を油に溶かし込むことで、水に溶かすのとは異なった味になります。

この異なったものが溶け込んで異なった味になり、さらに異なった作用をする水と油の両方をつかうことで、炒めものは料理のできあがりにさまざまな変化を作れます。

沖縄を除く日本の本土は、隣に炒めもの大国の中国がありながら、歴史的についぞ炒めものをとり入れずにきましたので、この水と油の使いかたを学ぶことは、本土の人間にとって新鮮な興味がわくことだと思います。

 

炒めものは中国式以外にもたくさんある

炒めものというと、日本の本土の人間にとってはどうしても、「中国」のイメージがあると思います。でも実は、日本の本土以外の世界のほとんどの国や地域で、炒めものは昔からつくられてきています。

特に興味ぶかいのは、韓国の炒めもの「ポッカ」と、沖縄の炒めもの「チャンプルー」。これらは当然のこと中国に影響を受けながら、しかし中国とは異なる炒めもの文化をつくり上げてきています。

ポッカとチャンプルーは、中国の炒めものと比較して、より日本の料理に近い感じがしますので、日本本土の人間にとっては学びやすいし、応用もしやすいと思います。

また世界の料理を、炒めものという同じ土俵があることで、柔軟にとり入れることができるのも、炒めものの楽しさだと思います。

 

炒めものをつくる際の注意点

炒めもの=中国のイメージがあることから、初心者は、炒めものを「強火で一気につくり上げてしまわなければいけない」と思い込んでしまう人もいるのではないでしょうか。

道具に凝りやすい男性の場合だと、中華鍋やお玉・ジャーレンなどを買いそろえたり、ガス台を超強力な強火が使えるように買い替えたり、する人もいるのではないかと思います(何を隠そう、かつて私もそうでした)。

でも中華料理屋の職人が超強力な強火をつかうのは、煎じ詰めれば「料理を早くつくるため」です。中華料理屋では、料理は早くつくればつくるほど、お客の回転を上げられて、儲けにむすびつくからです。

強火は管理がむずかしく、高度な技術をもった職人でないかぎり、使いこなすことはできません。初心者が手を出せば、まちがいなく失敗します。

なので炒めものをつくる際、中華料理屋のイメージは捨てましょう。

火加減は、最大でも中火で十分。野菜を切ったり、調味料を入れたりするのに手間どった場合には、途中で何度でも火を止めてしまっても、何も問題ありません。

またもちろん中華鍋も必要なく、ふつうのテフロンのフライパン(炒め鍋)で十分です。

 

チャンプルーの特徴は?

沖縄の炒めものチャンプルーは、中国とは根本的に考え方が異なるところがあります。でもこれは、中国が特殊なのであり、中国以外の世界のほとんどの炒めものは、チャンプルーとおなじです。

チャンプルーが中国の炒めものと異なる点は、次の2つです。

1.素材に味をしみさせる

中国の炒めものは、基本的に素材に味をしみさせません。だしを使う場合でも、それで煮て火を通すのではなく、火はあらかじめ油通しで通します。

スープや調味料はトロミをつけて、最後に素材にからめるだけです。

それにたいして沖縄の、そして世界のほとんどの炒めものは、「炒め煮」です。まず炒め、香味野菜や肉の味が溶け込んだ油を吸わせながら火を通し、さらに調味料をくわえたスープで、味をしみさせながら煮ます。

チャンプルーの場合はかならず豆腐が入っていて、これが油とスープの味を吸って、「最高にうまい」という企画となります。

2.蒸し焼きにして火を通す

チャンプルーに入れるスープや調味料などの液体は、ごく少量です。出来あがりには、水分は残しません。

なのでそのままだと、特にゴーヤーのように火が通りにくいものには、鍋にほかの材料が入った状態では、うまく火が通りません。中国式ならこういう場合、材料をそれぞれ油通しまたは湯通しし、あらかじめ火を通してから使います。

でもチャンプルーは、基本的に材料にあらかじめ火を通しておくことは、一切しません。そのかわり、スープや調味料を入れてからフタをして、蒸し焼きにして火を通します。

沖縄の食堂などでチャンプルーをつくっているところをみると、フタをしたまま火にかかっていて、まぜたり、煽ったりなどのことは、ほとんどしません。

なので一見、炒めものをつくっているようには見えないのですが、これはこちらが持っている「炒めもの」のイメージが、中華料理屋のものだからということです。

 

ゴーヤーチャンプルーのつくり方

ゴーヤーチャンプルーに入れるのは、まずは豆腐。沖縄の食堂などでメニューをみると、チャンプルーの欄にはだいたい「豆腐チャンプルー」が筆頭に上がっていて、チャンプルーの主役はやはり、味がしっかりとしみた、ホクホクとした豆腐なのだと思います。

ゴーヤーチャンプルーは、豆腐チャンプルーにくわえる野菜がゴーヤーであるということ。ゴーヤーのほかに、まず必須なのはうす切りにした玉ねぎで、あと彩りとして細切りのにんじんが入ることも多いです。

豚肉は、食堂によってスパムをつかうところと、生肉をつかうところが半々くらい。今回はコマ肉を使っています。

それから卵。親子丼と似ていて、最後にくわえて閉じる感じになりますが、炒めものなので半熟にはせず、しっかりと火を通すのがウマイです。

味つけは、酒とみりん・薄口しょうゆで、濃口しょうゆを使う場合は、量を減らして、その分塩をくわえるようにしないと、真っ黒になってしまうので注意。

あとはだし代わりに、オイスターソースをすこし入れます。

それから、沖縄では使われませんが、ここではにんにくを入れています。

省いてもかまいませんが、にんにくは、入れたほうが絶対においしいです。

STEP1 豆腐と肉をじっくり焼く

フライパンに、

  • サラダ油 大さじ1
  • にんにく 1~2かけ(みじん切り)
  • 豆腐 200グラムくらい(2センチ大に切る)
  • 豚こま切れ肉 100グラムくらい(食べやすい大きさに切る)

を入れ、豚肉だけに、

  • 塩 小さじ4分の1

を振って、弱めの中火にかける。

ときどき上下を返しながら、5分くらい、豚肉に火が通り、豆腐にかるく焼き色がつくまでじっくり焼く。

STEP2 ゴーヤーを蒸し焼きにする

  • ゴーヤー 2分の1本(タテ半分に切り、スプーンでわたをかき出して、2ミリ幅くらいに切る)
  • 玉ねぎ 4分の1個(タテのうす切りにする)

を入れ、ひと混ぜして油をからめたら、

  • 酒 大さじ1
  • みりん 小さじ1
  • 薄口しょうゆ 大さじ1(濃口しょうゆなら小さじ1+塩・小さじ4分の1にし、すると水分が足りないので、酒をさらに大さじ1くわえる)
  • オイスターソース 小さじ1

を入れる。

フタをして、強めの弱火くらいで3~4分、ときどき全体をまぜながら、ゴーヤーに火が通るまで、じっくりと蒸し焼きにする。

STEP3 卵で閉じる

  • 溶き卵 2個分

をまわし入れ、火を弱めの中火くらいに戻し、ときどき全体を大きく返しながら、卵が固まるまで焼く。

細かくまぜて卵をこなごなにするよりも、卵焼きでもつくるつもりで、卵を大きくまとめるほうがウマイです。

STEP4 コショウをかけて食べる

皿に盛り、コショウをかけます。

これはマジでおいしくて、368回くらいは絶対死ねると思います。

 

おまけ アサリのみそ汁水菜がけ

こないだ投稿したあさりのみそ汁に、刻んだ水菜をかけたもの。

手軽な薬味として水菜をつかうと、ちょっと三つ葉っぽい食べ応えで、バツグンにうまいです。

 

おすすめ炒めもの料理本


大好きな炒めもの ウー・ウェン著

出版されて15年になるこの本ですが、名著だと思います。

中華料理屋風ではなく、中国の家庭料理としての炒めものが学べます。

 

参考記事 一人暮らしでたのしく料理を続けるコツ
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