ゴーヤが残り半分余っていたから、スパムと卵で炒めものにすることにした。
ゴーヤチャンプルーは、ゴーヤと豚肉(またはスパム)、豆腐と卵の4点が基本。でもこれでは「具材が多すぎる」というのが僕の意見。
ゴーヤと豚肉は、味のベースだから抜くことはできないとして、豆腐と卵は、どちらも「ふんわりとした癒し系」と役割が似ているから、どちらかを抜くことで、メニューは2品ができることになる。
味つけは、「ピリ辛酸っぱい」味にして、あんで閉じることにした。卵はケチャップで食べるのが定番であることからもわかる通り、ドロリとした酸っぱいソースがよく合うのだ。
というわけでつくった、「ゴーヤと卵の酸辣あんかけ」。
これもまちがいなく死ねるから、ぜひとも作ってみたらいいはずだ。
卵はガッツリ、2食分で4個をつかう。だいたい卵は、1個20~30円で安いのだから、貧乏人はケチらずに、ふんだんに使ったほうがいいのだ。
それに対して、スパムは100グラム強と、卵よりは高いから、ちょっと少なめ。
それでもスパムは、家の近くのスーパーだと340グラム入り1缶が458円で、100グラムあたり135円ということになり、これは豚精肉のなかでは一番安いひき肉よりは高いが、次に安いコマ肉よりは安いことになる。
あと入れたのは、玉ねぎ。これはコクをつけるためだ。
「ピリ辛酸っぱい味つけ」は、これは要は、いつも作っているマーボーと、ほぼおなじ。ただし最後に酢を、いつもより多めに入れるだけの話だ。
マーボーの味は、本当に使いでがあるのである。覚えておくと、色んなところに応用できて、誠に便利だ。
作るのは、弱めの火でじっくりとやればいいから、難しいことはあまりない。
ただし、ゴーヤに火を通し過ぎないようにして、苦味としゃっきり感を残すのが、コツといえばコツとなる。
フライパンにサラダ油・大さじ1を入れて中火にかけ、溶き卵・4個分をながし入れる。しばらく放置し、8割方固まってきたところで大きめに切り分けて、よく火を通し、皿にとり出す。
あらためて、フライパンにサラダ油・大さじ1を引き、5ミリ厚さくらいの食べやすい大きさに切ったスパム・3分の1缶(100グラム強)を入れ、弱めの中火で2~3分、かるく焼色がつくまで炒める。
必要ならすこし油を足し、
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 豆板醤 大さじ1
を入れて、2~3分じっくり炒め、味をひき出す。
- 水 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 薄口しょうゆ 大さじ1
- オイスターソース 小さじ1
- コショウ 少々
を入れて、煮立ってきたら、
- ゴーヤ 2分の1本 (タテ半分に切り、スプーンでわたをかき出して、3ミリ幅くらいの輪切りにする)
- 玉ねぎ 2分の1個 (1センチ幅くらいのくし切りにする)
を入れ、ゴーヤが「まだちょっと硬いかな」というくらいになるまで、たぶん2~3分、弱めの中火くらいで煮る。
とり出しておいた卵をもどし、ひと混ぜして汁になじんだら、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
の水溶き片栗粉を、混ぜながら少しずつ入れてトロミをつける。
- ゴマ油 小さじ1
- 酢 大さじ1
を入れて、ひと混ぜして火を止める。
皿に盛り、たっぷりの粗挽きコショウをかける。
これがまた、ウマイわけですよ……。
ほんわりとした卵に、ピリ辛酸っぱい味は、相性バッチリ。
そこに苦味と歯応えのあるゴーヤが、最高のアクセントになっている。
そしてこれがまた、最高に酒に合うのだ。
ここまで酒に合ってしまうと、「飲み過ぎないようにしよう」とどんなに気をつけていたとしても、魔法のように、目の前に酒のお代わりができていることになるから、抵抗するだけムダなのだ。
「バカすぎだね。」
ほんとだな。