「煮物カレー」が、まず異常にウマイのである。
これについては、声を大にして言っておきたい。
きのうは正月につくった「棒ダラ煮付」ののこり汁をカレーに使った。
煮付の汁は濃厚な魚の風味があるから、それを使ってできるカレーは、「魚風味のカレー」になると、おもう人も多いだろう。
でも、ちがうのである。
魚風味のカレーではなく、ただの、「ふつうのおいしいカレー」になる。
カレー粉の「味にたいする支配力」が、それだけ強いということだろう。
どんなだしを使おうが、結局は「カレー」になるのである。
だから絶対におすすめなのは、
「煮魚の翌日はカレーにする」
こと。
煮汁を有効活用し、しかも前日とはまったくちがう味の料理ができることになる。
それからカレーに、「キムチ」を添えるのが、またとてもいいのだ。
これは最近、カウンターの人たちを大勢フォローするようになり、知った食べ方。
食べるよね。 pic.twitter.com/qoDa6Fdlil
— まえ田まえ田 (@KaoruGillespie) January 5, 2015
在日の人がつくったり、韓国料理屋で出てくるカレーの写真には、まずかならずキムチがつく。
たぶん、韓国ではふつうの食べ方なのだろう。
これを先日、ためしてみたら、実にウマイ。
「唐辛子を使ったものどうし」だから、まず「合う」のだが、カレーとキムチでは、味のつくり方がまったくちがう。だからはじめにカレーを頬ばり、つづいてキムチを口にいれると、味の奥行きが一気にひろがる。
「二次元が三次元になる」
とでもいうような感覚だ。
インド料理屋でも、カレーの添えものとしてでてくるのは、唐辛子のきいた、甘酸っぱい「チャツネ」だろう。
「カレーには、福神漬でもらっきょうでもなく、キムチ」
は、完全に決まりである。
カレーの具は、きのうは豚ばらスライス肉と、残りものの処理を兼ねて、ニンジン、じゃがいも、玉ねぎと、定番の組み合わせ。
さらにほうれん草のソテーをトッピングした。
味付は、煮物にそのままカレー粉をくわえるだけでもまったく問題はないのだが、刺激を増すため、ショウガのすりおろしたのをたっぷり。
さらにカレーには、やはり「トマトの酸味」がほしいので、ケチャップを少しいれた。
まず煮汁をつくる。
魚の煮汁は、そのままでは濃すぎ、甘すぎなので、2~3倍に水でうすめて3カップほどの量にして、味をみながら塩を足し、2センチ大ほどのショウガをおろし込む。
煮汁がなければ、昆布と削りぶし(でも煮干しでも)のだし3カップに、
- 酒 大さじ3
- みりん 大さじ3
- しょうゆ 大さじ3
- 塩 少々
で味付するのでもかまわない。
ほうれん草は食べやすい大きさに切り、オリーブオイル少々でさっと炒める。
鍋にオリーブオイルをたっぷり(大さじ3くらい)いれ、カレー粉大さじ2を、弱火で2~3分、じっくり炒める。
煮汁にそのままカレー粉をいれてしまってもいいけれど、スパイスの成分は水に溶けず、油にだけ溶けるものが多いから、こうして油で熱すると風味がたつ。
煮汁をくわえ、トマトケチャップ小さじ1~2をいれたら、ニンジン、じゃがいも、玉ねぎを「10分」煮る。
豚ばらスライス肉をくわえ、肉の色が変わったら、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ2
を、混ぜながらくわえてトロミをつける。
あとは、食卓のコンロをかぎりなく弱火にし、温めながら食べる。
とりあえず、吸物的にお椀にいれて、酒をのむ。
もちろん、合間にキムチをつまむ。
酒もだいぶ進んだところで、いよいよご飯。
いや~、ほんとにこれは、たまらないっす。
酒は、熱燗。
相も変わらず、毎晩けっこうな酒をのむ。
しかしカレーがこうウマくては、それも仕方がないのである。
「そのうちぜったい体をこわすよ。」
そうだよな。