鶏肉とセロリを、甘辛酸っぱい汁で炒め煮したうどん。干しエビを入れるとまたウマイ。
晩飯は、汁麺にするのにハマっている。まず鍋物とおなじ話で、炭水化物から汁、肉に野菜がひと通り入ったものがひと鍋でできるから、作るのがラクということがある。
それにおれは、食事を食べはじめる時点で、とりあえず仕事が終わってお疲れさんの酒、食事に何を作るかを考えながらの酒、さらに料理しながらの酒を、空きっ腹にしこたま飲んでいる。
食事はいわば「シメ」の位置づけとなるわけで、ご飯より、消化のいい麺のほうが、酒で疲れた胃にラクに収まる気がするのだ。
きのうはツイッターで、「鶏肉とセロリのスイートチリソース炒め」を作っている人を見た。スイートチリソースとは、「タイ料理やベトナム料理で用いられるソースの一種。 とうがらし・砂糖・酢・にんにく・塩などで作る、辛くて甘みと酸味のきいたもの」のことだそうだ。
「これはウマそうだ」と、似たものを汁麺として作ることにした。
鶏肉とセロリの酸辣うどん。
「辛くて甘味と酸味がきいたもの」だから、豆板醤とみりん、それに酢を入れる。ベースの味は薄口醤油。
だしはいつもは、干し椎茸のだしにオイスターソースを合わせている。しかし今回は、オイスターソースのかわりに干しエビを使う。
鶏肉とエビの相性がいいのは知れた話。さらに干しエビと干し椎茸が、削りぶしと昆布とおなじ話で魚介系・植物系の組み合わせとなり、これまた相性がいいのである。
そして麺には、うどんを使うことにする。中華麺でもいいのがあればいいのだが、スーパーなどの袋麺だとうどんの方がいい品が多い。
うどんは、中華風の味つけでもまったく問題なくウマイ。
鶏肉には最高の相性だし、豚肉でも、マーボーのように辛みをつければ、実によく合う。
炒め煮は、炒める際には弱めの火でじっくりやった方がうまくなる場合が多い。鶏肉も弱火でじっくり焼くと、皮がパリッとする。
鶏肉は、酒と塩コショウで下味をつけ、片栗粉をまぶしておく。こうすれば、肉にもきちんと味が入る上、火を通しても固くなりにくい。
セロリは、軸といっしょに葉も使う。セロリは葉も、火が通るのに意外に時間がかかるから、鍋に入れるのは軸といっしょでかまわない。
それから食べてみて、「さらにタケノコを入れればよかった」と痛切に思った。タケノコはセロリのような香りの強い野菜とよく合うから、もしあれば、薄く切ったのをセロリといっしょに入れるのはおすすめだ。
まず干し椎茸と干しエビのだしを取る。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ (2カップのだしが取れる)
- 干し椎茸(中) 3枚
- 干しエビ 大さじ1くらい
を入れ、フタをして中火にかけ、煮立ったら火を止めて15分くらい置く。
並行して、フライパンに、
- サラダ油 大さじ1 (鳥の皮から脂が出るから少なめでいい)
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 長ねぎ 5センチくらい (みじん切り)
- 豆板醤 大さじ1
を入れて弱火にかけ、2~3分じっくり熱して味をひき出す。
鶏もも肉・150グラム(2分の1枚くらい)を1センチ幅くらいに切り、
- 酒 小さじ1
- 塩 小さじ4分の1 (1つまみ)
- コショウ 1~2振り
を揉み込んで、片栗粉・小さじ1くらいをまぶす。
フライパンに皮を下にして並べ、10分くらい、鶏肉の全体に8割方火が通るまで、動かさずにじっくりと弱火で焼く。
- もどした干しエビ
- もどした干し椎茸 (汁気をしぼり、石づきの先端だけ切り落として5ミリ幅くらいに切る)
- セロリの軸 2分の1本分 (3ミリ幅くらいに切る)
- セロリの葉 2分の1本分 (適当にバラす)
を入れ、弱めの中火くらいで2~3分、セロリがやや柔らかくなるまで炒める。
- 干し椎茸と干しエビのもどし汁 2カップ
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ2 (かならず薄口である必要がある)
- コショウ 1~2振り
を加え、2~3分、セロリが好みの固さになるまで、小さく沸騰するくらいの火加減で煮る。
うどん・1人前を鍋の端に入れ(端に入れるとよそいやすい)、中火で1分ほど、うどんを入れて止まった沸騰がふたたび煮立ってくるまで煮る。
再沸騰してきたら強めの弱火くらいにし、
- 片栗粉 大さじ2
- 水 大さじ2
をスプーンで入れては混ぜしてトロミをつける。
- ゴマ油 小さじ1
- 酢 大さじ1
を入れ、ひと混ぜして器によそう。
好みで粗挽きコショウをかけて食べる。
これはウマイ・・・。
辛みと酸味がきいたところに、干しエビの風味がとてもさわやか。
その汁がまたトロミがついて、うどんにしっかりと絡むのは、たまらない。
きのうはこの酸辣うどんを、あまりのうまさに一気食いしてしまったから、食事中は、酒はそれほど飲まなかった。
でもその前に、死ぬほど飲んでいるわけだから、どちみち飲み過ぎなのは変わらないのだ。
「早くボケるよ。」
そうだよな。