きのうは厚揚げと大根の鶏そぼろカレー。
鶏そぼろあんかけは、カレーに変換が可能なのだ。
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つくり始める直前まで、厚揚げと大根の鶏そぼろあんかけにするつもりだったのだが、もっとパンチがあるものが食べたくなった。
となれば、「カレー」である。
全ての煮物は、カレーに変換可能だ。普通に煮物をつくるところに、カレー粉などの香辛料を加え、最後にトロミを付ければいい。
それでいて、出来上がりは中途半端な、「煮物っぽいカレー」になるわけではない。完全に、「とてもおいしいカレー」になる。
このことは、料理がたがいに共通性を持っていることを意味するだろう。
料理はまずは、それぞれの土地で、その土地で手に入る材料を使い、土地の人たちの好みや考え方に従ってつくられる、個別的なものである。よその土地に行った際、その土地の食べ物を食べるのは、何よりの楽しみになるだろう。
でも一方で、料理をつくる人間の本性は、どの土地に生まれ育っても基本的におなじものだ。また料理法は、人の移動にともなって、ある土地から別の土地へ伝わっていくこともある。
だから個別である一方で、料理には高い共通性もあり、その個別と共通を発見することが、料理の大きな楽しみにもなる。
煮物については、ザックリと言ってしまえば、煮ることは共通で、個別のちがいは味付だけということになる。和風の味付けをすれば和風の煮物になり、カレーの味付をすればカレーになる。
和風の煮物とカレーとは、料理を習う場合には、全く別のものとされるだろう。しかしそこに共通性を発見すると、ある料理を別の料理に変換できるようになり、料理のレパートリーは一気に広がる。
ただし上の煮物についての言い方はちょっと大雑把すぎるところがあり、おなじ「煮る」といっても、日本の料理と西洋の料理とでは根本的なちがいもある。日本の料理は、「味を入れる」ことが煮る目的であるのに対し、西洋の料理では、「味を出す」ことが目的だ。
だから和風の煮物をカレーに変換する際には、「トロミをつけるタイミング」が重要になる。
カレーのように煮始めからトロミをつけてしまうと、味が入りにくくなるからだ。
和風の煮物をカレーに変換するには、作り方は、煮物をつくるのとほぼおなじ。出しも昆布と削りぶしで取り、味付けをするときに、炒めたカレー粉などの香辛料を一緒に入れるようにする。
煮物に味をしみさせるには、煮たあとに火を止めて、しばらく置いておくのがいい。カレーの場合も、最後にトロミをつける前にしばらく置くと、味は一層しみるのである。
まず昆布と削りぶしのだしを取る。
2カップのだしを取るためには、3カップの水に、まずだし昆布を入れ、煮立たせないようにしながら10分くらい煮出したあと、一つかみの削りぶしを入れ、やはり煮立たせないよう、5分ほど煮出す。
だしが取れたら昆布はとり出し、削りぶしも絞ってとり出す。
だしを取りながら、並行して大根を下ゆでする。
2センチ大くらいに切り、きちんと煮立たせながら15分ほど、竹串がスッと刺さるまでゆでる。
大根の皮は、よっぽど汚れているのでなかったら、剥く必要はまったくない。
フライパンにサラダ油・大さじ2くらいを入れ、まず鶏ひき肉200グラムをじっくりと中火で炒める。
ひき肉はよく炒め、出てくる水気をすべて飛ばすようにするのがポイントだ。
ひき肉の水気が飛んだら、
- カレー粉 大さじ2
- 豆板醤 小さじ1
- みじん切りのショウガ 2センチ大くらい
を加え、2~3分、さらに炒める。
だしを加え、
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ1
- 淡口しょうゆ 大さじ2
で味付けしたら、下ゆでした大根と、一口大に切った厚揚げを加え、フタをしてコトコト弱火で20~30分煮る。
煮たあとに、もし時間があれば、火を止めて置いておくと、味はさらにしみていく。
最後に火加減を中火にし、片栗粉・大さじ1と水・大さじ2の水溶き片栗粉を少しずつ、混ぜながら加えてトロミをつける。
皿によそい、ご飯を添える。
カレーの味がしみた厚揚げと大根は、バツグンだ。
きのうはカレーを作っていたら、換気のために少し開けてあるドアの隙間から、「ちびニャン」が鳴く声が聞こえた。
めしの時間に入れる訳にはいかないから、手を伸ばして撫でてやると、気持ちよさそうにはしている。
でも本当に撫でてほしい時のように甘えてはこないから、ふと「エサが皿に入っていないのでは?」と思い、ちびニャンに、
「今エサを入れてやるから、そっちに行ってな」
と言った。
するとビックリしたことに、ちびニャンは踵を返して、エサのある方に向かっていった。
思った通り、エサの皿を見ると空っぽ。
補充すると、ガツガツと食べていた。
「猫は人間の言葉がわかるんだね。」
そうなんだな。
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