関西うどんだしベースのコクのある汁でうどんを煮込み、さらにトロミをつけたもの。麺に濃厚な味がつき、これは死ぬはず。
このところ、もう「ワンパターン」ともいえるほど多用している、みりんと薄口醤油をベースとした中華的うす味が、うどんに異常に合うのである。
これはもっともな話であって、だいたいこの味つけは、みりんと薄口醤油の配合が1:3、関西風うどんだしと同じになっている。さらにここに、ニンニクや干し椎茸のだし、オイスターソースによる濃厚なコクがつきまくりなのだから、あっさりとしたうどんに合わないわけがなかったのだ。
こないだ鶏肉を材料に、この味つけで皿うどんにしてみたら、「なぜおれは、そのことにもっと早く気づかなかったのか」と自分の不明を100回嘆いた。その感動冷めやらず、きのうはふたたび、今度は豚肉と小松菜を材料に、ふたたび皿うどんをすることにした。
ただし今回は、前回とは作り方をちょっと変えた。
前回は、トロミをつけたあんを、ゆでたうどんにかけてみた。これももちろん、プリっとしたうどんとコクのあるあんが大変よくマッチしてうまかったわけなのだが、若干の問題があることもわかった。
麺がツルッとしているから、せっかくのおいしいあんを掬いきれず、あんが皿に残ってしまってもったいないのだ。
この問題を解決するため、中国などならあんかけの焼きそばにする場合、麺を揚げる。すると麺の吸水力と吸着力が増すことで、トロミを残らず吸いとることが可能となる。
でも中華麺やそば麺なら別として、うどんを揚げてしまうのは、どうもピンとこない。うどんのせっかくのモッチリとした良さが、台無しになってしまう気がする。
そこで気づいたわけである。
「煮込めばいいのだ、、、」
うどんに味を染み込ませるための方法として、煮込むのは王道だ。中国で麺を煮込むかどうかは知らないが、作ろうとしているものは中国の料理ではなく、「中華的料理」なのだから、問題ない。
そして煮込んだ上に、さらにトロミもつけることにする。
煮込みとトロミのダブル効果で、うどんが汁をしっかり運んでくれるわけである。
だしは、干し椎茸のもどし汁を使う。これは初めにやってしまえば、炒めているあいだにだしが取れる。
作り方は「炒め煮」だから、火は具材に最終的に煮ているあいだに通るわけで、火を強くする必要はまったくない。
むしろ火を弱くして、場合によっては炒めている最中に火を止めたりなどもする方が、炒めながら次に入れるものを切ったりもできるので、作るのはラクになる。
それからきのうは、豚こま肉を炒める前に、酒と塩コショウで下味をつけ、片栗粉をまぶした。
いつもなら肉を鍋に広げて入れて、上から塩コショウするだけだったが、やはりこうしてひと手間かけると、安い肉でもモッチリととてもおいしく仕上がった。
干し椎茸のだしを取る。
鍋に、
- 水 1+4分の1カップ(1カップのだしが取れる)
- 干し椎茸(中) 2~3枚
を入れて中火にかけ、煮立ったら火を止めて15分くらい置く。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1くらい
- ニンニク(みじん切り) 1かけ
- 赤唐辛子(種を落とし、小さくちぎる) 1本
を入れて弱火にかけ、2~3分、ニンニクがきつね色になってくるまでじっくり熱する。
豚こま肉・150グラムに、
- 酒 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
- コショウ 少々
を振ってかるく揉み込み、片栗粉・小さじ1をまぶしたものを入れて、弱火のままさらに炒める。
肉の色が8割方変わってきたら、
- タケノコ(3ミリ厚さくらいに切る) 4分の1
- 干し椎茸(汁気をしぼり、石づきの先のところを切り落として半分に切る)
を加え、弱火か強めの弱火くらいでさらに1~2分炒める。
- 干し椎茸のもどし汁 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 薄口醤油 大さじ1
- オイスターソース 小さじ1
- コショウ 少々
を入れて中火にし、煮立ってきたら、
- うどん(ゆで麺) 1玉
- 小松菜(ざく切り) 2分の1把
- 白ねぎ(斜め切り) 3分の1本
を入れる。
うどんがほぐれてきたら1分くらい煮て、
- 片栗粉 大さじ2分の1
- 水 大さじ1
の水溶き片栗粉を、スプーンで混ぜながら入れてトロミをつける。
最後に、ゴマ油・小さじ1をまわし入れ、ひと混ぜして火を止める。
皿に盛り、好みで(食べながら)酢と粗挽きコショウをかける。
これは、ウマイ、、
麺が、汁を完璧なまでに運んでくれる。
あまりの濃厚さに、死ぬはずだ。
酒は、きのうも飲み過ぎた。
来る日も来る日も、こうして飲み過ぎているわけだから、まったく懲りない、呆れた男だ。
「少しは努力してみたら?」
そうだよな。