ツイッターで、福島に住む女性が紹介していたのを見て、「福島本」を買った。
この本は、福島に想いをもつ人にとっては、必見だとおもうのである。
福島・東北にたいし、いまだ想いをもつ人は、少なくないはずだとおもう。
京都の三条会商店街でも、いまだに時折「I love you & I need you ふくしま」の歌がかかるし、東北に義援金も送りつづけているそうだ。
かくいうぼくも、そういう者の一人である。
大災害に言葉にならない衝撃をうけ、その後の経緯を見守りつづけている。
災害が悲惨であるのは言をまたないことだけれど、福島は「人災」の側面が強いから、なおのこと悲惨である。
日本の根本的な問題が、たまたま「福島」という場所を借りて吹き出してしまったわけだから、これは福島だけの問題ではないのは言うまでもないことだ。
とは言いつつも、それではぼくが、何か具体的に行動しているのかといえば、実際のところそうではない。
医師や放射能の専門家などで、福島に移り住み、住民のために献身的な努力をしている人もいると聞く。
「素晴らしいことだ」とおもうけれども、「それでは自分に何ができるのか」と考えたとき、まだはっきりとは浮かんでこない。
デモなどに参加する人もいて、それはそれで、一つの尊いやり方だとおもうけれど、ぼくはそれで、何が変わるともおもえない。
ただ唯一、ぼくがしているのは、「忘れないようにする」ことである。
不幸な状況にいる人がいたときに、最低限必要なのは、そのことだろうとおもうからだ。
そのために、一つには、「状況に関心を持ちつづける」ことがあるとおもう。
今福島で、問題が解決されぬまま、さらに新たな問題が生まれ続けていることを知っているのは重要だ。
しかし「忘れない」ということは、「問題」だけの話ではない。
そこに住む人たちが、どういう気持で、どのように生活しているのかを「想う」ことがあるとおもう。
そのために今回、格好の材料があらわれた。
それがこの、「福島本」である。
福島本は、ツイッターでやり取りがある、福島の女性の紹介で知った。
「写真がきれいで、行きたくなるお店がたくさん載っている」とのことで、ぼくもすぐ、アマゾンで注文した。
出版元の「枻出版社」は、「田園都市生活」「世田谷ライフ」「湘南スタイル」などのエリア雑誌を数多く出しているところである。
「板橋本」「くまもと本」「札幌本」などエリア本の一つとして、福島本が出されたようだ。
早速とどいたこの本のページをめくり、ぼくは思わず涙が出た。
「こういう本が欲しかった」とおもったのだ。
問題ばかりが強調されてしまいがちだが、福島の人はふつうに生活しているだろう。
福島本は、そんな福島の人たちの生活に、ちょっときれいに化粧をし、素敵なお洋服を着せ、人前に出せるようにしたとでも言えるものなのである。
内容は、出版元が他に出しているエリア本のノウハウが結集されているのだろう、福島・郡山・会津若松各市のおしゃれなグルメ案内、観光案内になっている。
各市のフレンチやイタリアン、和食の店はもちろん、カフェやファッション店も載っている。
ディープな飲み屋街も紹介され、これなどぼくは「ぜひ行ってみたい」という気持ちになる。
各店は綿密に取材され、写真もきれいで、製作にかなりの時間をかけたことがうかがえる。
なぜ「福島」が選ばれたのかは、「板橋」や「熊本」「宇都宮」「札幌」が選ばることを考えれば、別段不思議なことでもない。
ただ編集者には、それなりの「想い」があっただろうと想像する。
しかしこの本には編集後記もなく、想いなどが語られることは一切ない。
完全に商業ベースに徹しているのが、また「潔い」とおもえるところである。
この本を眺めながら、福島の人たちの生活に想いを馳せることができる。
また実際にこの本を参考にし、福島へ行くこともできるだろう。
不幸な状況にはありながらも、福島の人々は楽しく、そして幸せに生活している。
この本は、それを垣間見させてくれる、貴重な一冊なのである。
さて昨日の晩飯は、残りもの整理を兼ね、親子炒めにした。
親子炒めは、甘辛い味で炒めた鶏肉を卵でとじるというもので、とても簡単にできながら、大変うまい。
味つけは、砂糖やしょうゆでやってもいいが、昨日は鯛あら炊きの煮汁が残っていたから、それを使うことにした。
肉はしょうゆの味つけをする場合、魚介だしを使うとさらにおいしくなるのである。
鶏もも肉150グラムをひと口大に切り、弱めの中火にかけたフライパンで、油を引かず、皮目から焼く。
皮にこんがりと焼き色がついたら、箸でひっくり返してさらに焼く。
鶏は焼けたら、一旦皿に取り出しておき、タレを煮詰める。
煮汁がなければ、酒とみりん、砂糖各大さじ1、しょうゆ大さじ1弱くらいを入れても、問題はまったくない。
中火で煮詰め、タレがドロッとしてきたら、鶏肉をもどして絡めつける。
さらにたっぷりのざく切りネギを入れ、ネギがしんなりしてきたら、溶き卵2個分をそそぐ。
卵はあまり細かくかき混ぜず、大きめにまとめるのがポイントである。
皿に盛り、七味をふって食べる。
これは言うまでもなく、黄金の味なのである。
あとはとろろ昆布のにゅうめん。
お椀にとろろ昆布と固めにゆでたそうめんを入れ、お湯をそそいでうすくち醤油で味つけし、ユズの皮を浮かべる。
ユズの皮のかわりに、ポン酢醤油をチロッとたらしてもいいとおもう。
セロリとちくわの酢の物。
塩もみし、水で洗ったうす切りセロリと、やはりうす切りにしたちくわを、酢1:みりん2:うすくち醤油0.5の三杯酢で和える。
ほうれん草のおひたし。
ちりめんじゃことポン酢醤油。
だし殻昆布の粉山椒。
だし昆布は、あまり安いのでなく、食べられもする中級品を買うようにするのがおすすめである。
「福島へ行くならぼくも連れて行ってよ。」
わかってるよ。
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コメント
私は福島県S市在住です
ここいらはそんなに被害も無かったのですが、
線量メーターの数字が毎日目につきます。
気が滅入りますね。
忘れないでいてもらえるだけで
ありがたいです。
機会があれば、ぜび、福島を
訪れてください