夏の終わりに、懸案だったにしんナスを作ったのである。
ただしもう寒いから、メインは湯豆腐だ。
昨日の昼は、「PiPi」でビール。
かわいいギャルのお酌付き(別料金。日によってむくつけき男の場合もあり)である。
喫茶店で昼に飲むビールの何がうまいと言って、他には誰も飲んでいないことだ。
昼から開けている酒場だと、まわりは全員飲んでいるから、飲むのは珍しくも何ともない。ところが喫茶店では、多くの場合、飲むのはぼく一人だから、
「ビールください!」
と高々と注文するとき、
(オレなんかこうやって、昼から飲んじゃうんだぜ)
という優越感を味わえることになる。
さらにぼくが注文したあとに続けて、ビールを頼む人が出たりなどすると、
(やった、感化してやった・・・)
と、かなりの満足感がある。
しかしたまに、ぼくがまだ飲んでいないのに、ビールを注文する人が出ることがある。
するとぼくは、負けじ魂に火が付いて、まだブログの更新が途中でも何でも、自分もビールを頼まずにはいられなくなるのである。
PiPi店主マチコちゃんは、料理がうまい。
きのうのランチは、イワシフライほか。
自家製タルタルソースには、しば漬けが使われていたりするのが気が利いている。
家に帰って1時間ほど昼寝をし、それから仕事。
しかしきのうは、仕事にまったく手が付かず、はかどらなかった。
その理由は、きのう発見された、衝撃写真。
安倍首相が、人種差別団体「在特会」の元幹部で、現在も筋金入りの差別主義者である男性「マスキ君」と、にこやかに並んで写っている。
高市早苗氏、山谷えり子氏につづき、彼らを任命した首相までが、ネオナチ・差別団体とズブズブだったのがわかったことで、ツイッターは沸き返っている。
その騒ぎに煽られて、ぼくもツイッターを熱心に見続けてしまったからだ。
それでも何とか、多少は仕事もし、9時半にカフェから帰宅。1時間ほどメールチェックなどをしたあと、焼酎を飲みながら、何を食べるか考えはじめた。
一応きのうは、懸案だったにしんナスを作ることにしていた。
夏を終えるにあたり、あともう一度はにしんナスを作らなければ、気が済まない。
にしんナスは、京都の名物料理の一つだと言えると思うが、にしんはコッテリ、ナスはさっぱり、別々の鍋で煮て、最後に合わせる。
そうすると、そのにしんとナスのコントラストが、何とも楽しい食べ応えになるのである。
このにしんナスで、料理自体の価値でいえば、ぼく的には十分メインになるのだけれど、ところがきのうは、寒かった。Tシャツ短パンではいられずに、スエットを着込んだほどである。
そうなると、温かいものが食べたくなる。
そこでせっかくのにしんナスには申し訳がないけれど、メインは湯豆腐とすることとし、にしんナスはサイドメニューに下がってもらうことにした。
湯豆腐はシンプルに、豆腐のみ。
昆布だしに、しょうゆの味付で煮ることにする。
まずは、にしんナスから作る。
にしんは身欠きにしんではなく、「ソフトにしん」と呼ばれる半生状態のものがあり、ぼくはそれを、食べやすい大きさに切って冷凍してあった。
凍ったまま水に入れ、サッとゆでて、湯は捨てる。
にしんを改めて、5センチ角くらいのだし昆布を敷いた鍋に入れ、ナスを煮る分もあるから水は多めの400cc、酒とみりん、砂糖としょうゆそれぞれ大さじ3づつを加えて中火にかける。
10分ほど煮て、にしんの味が煮汁に十分しみ出したところで、煮汁の半分強、200ccを別の鍋に移す。
にしんを煮ているあいだに、2センチ幅くらいに切ったナスを、1~2分、サッと下ゆでしておく。
そのナスを、にしんの煮汁を倍ほどに水で薄め、そのままではナスを煮るには甘いから、しょうゆを少し加えたもので、4~5分煮る。
にしんの方は、そのまま中火で、煮汁が少しドロっとしてくるまで煮る。
にしんもナスも、鍋に入れたまま冷まして味をしみさせ、温め直して器に盛り、にしんの煮汁をタラリとかける。好みで一味や粉山椒を振ってもいい。
コッテリと甘く、歯応えがあるにしんと、うす味のやわらかなナスを代わりばんこに食べるのが、たまらなく楽しい。
湯豆腐は、だし昆布を敷いた土鍋に豆腐を入れ、豆腐がかぶるまで水を入れたら中火にかける。
フツフツと煮立ちはじめた頃合で、入れた水が2カップなら、酒大さじ2、淡口しょうゆ大さじ2弱で味を見ながら味付し、煮立てると豆腐にスが入るから、ごくごく小さな弱火にし、10分煮る。
削りぶしと青ねぎを散らし、おろしショウガを盛る。
やはり寒くなってきたら、まずはこれである。
あとはおとといの残りの炒め物。
その前の残りの万願寺。
酒は焼酎水割り常温。
肴があまりにうまかったおかげで、きのうもまたお代わりを重ねてしまった。
「自堕落な生活だね。」
ほんとだな。
◎関連記事
にしんナスを作ろうと思っていたら、つい豚ひき肉を買ってしまったのである(酸辣麻婆ナス)