【鯛あらと豆腐・レタスのすまし汁(ニンニク入り)レシピ】鯛のクサミが完全に中和され、523.81回死ねる

反和食レシピ

最近、脳が疲れやすくなっているのをつとに感じるようになってきた。仕事をしても、3時間も書きつづけると、おでこの裏に膜が張ったように疲れがたまり、その膜はちょっと昼寝をしたくらいでは取れてくれない。

それはもちろん、一つは年のせいである。20代のころは〆切り前など24時間書きつづけることもできたのに、それはもう遠い昔だ。

でもそれ以外にも、ここ1年くらいの坂道を転げ落ちるかごとく、脳の疲れがたまりやすくなっている原因については思い当たることがある。

DHAが不足しているに違いないのだ。

 

DHAの不足については、かねがね危惧していたことではある。なにしろ僕はこのごろ、豚肉しか食べていない。

DHAは、魚にふくまれる成分だ。これが神経細胞を活性化することは、科学的に証明されているそうで、認知症になる人も、魚を食べる量が有意に少ないのだそうだ。

 

そこできのうは、久しぶりに魚を食べることにした。

鯛あらと豆腐・レタスのすまし汁(にんにく入り)。

 

鯛あらのすまし汁自体はポピュラーな料理だが、ここでまずポイントは、にんにくが入っていることである。

じつはこれまで、日本の料理ににんにくを入れる試みは広くおこない、魚料理にもにんにくを入れてきたにもかかわらず、鯛にだけはにんにくを使わなかった。
ハマグリとならんで「日本の味」の横綱格ともいえる鯛には、「にんにくは合わないだろう」と思い込んでいたからだ。

しかし実際に鯛ににんにくを使ってみると、にんにくを使わないよりウマかった。案ずるより産むが易しとはこのことだ。

 

にんにくを入れる場合、にんにくの切り方によってにんにく味の濃さが変わる。いちばん強くにんにくの味が利くのはすり下ろし。そのあと、みじん切り・押しつぶすだけ、コロンと丸まんまの順ににんにく味は弱くなる。

日本の料理ににんにくを入れるのをはじめて試してみる人は、まずはほんのりとにんにく味をつけるくらいにしておくのがおすすめだ。

その場合、丸まんまが一番なのだが、丸まんまのにんにくはうす皮を剥きにくいから、今回のように押しつぶしてから皮を剥いて使うのもおすすめだ。

 

それからこの鯛のすまし汁には、豆腐といっしょにレタスも加えた。

レタスを汁物に入れるというと、「考えられない」と思う人もいるだろうが、これがじつにうまいのだ。
鍋などに入れてみても、ヘタすると白菜よりおいしいくらい。

レタスを汁物に入れる場合は煮すぎずに、歯ごたえを残すようにするのがポイントだ。

 

鯛あらを料理に使う場合は、とにもかくにもしっかりと下処理することが必要だ。

特にウロコをきちんと取らなくてはいけないわけで、ウロコが残り、口のなかの上側にひっついたりすると、とても残念な気持ちになるのである。

 

鍋(フライパン)に湯を、完全に沸騰させず、下に泡がフツフツとわいてくるくらい(80度)まで沸かして火を止め、

  • 鯛のあら 1パック

を入れて、ひと混ぜしてすぐに湯を捨てる。

ここでお湯の温度が高すぎたり、ひたす時間が長すぎたりなどすると、鯛は弱いから、皮がベロベロに剥けてしまったり、身が崩れてしまったりするので注意しよう。

そのあと水道の蛇口の下で、ウロコとあと臭みのもとになる血の塊をとり除く。

ウロコはスーパーで売っている鯛あらなら、いちおうは取ってある。でも鯛の頭やヒレの周囲など取りにくい場所のウロコは、ぜったいに残っているののだ。

「一枚も残さない」という気概をもって、ケガに注意しながら、手で一枚一枚ウロコを剥がしていくようにする。

 

あらためてフライパンに、

  • 下処理した鯛あら
  • 木綿豆腐 200グラムなど(大きめに切る)
  • にんにく 2~3かけ(かるく押しつぶして皮を剥く)
  • 水 600cc(3カップ)
  • 酒 2分の1カップ(酒はうまみの元になるのとともに、魚のクサミを抜く効果がある)
  • みりん 大さじ1
  • うすくち醤油 大さじ1

を入れて中火にかけ、出てくるアクをとり除く。

フタを斜めにかけ、煮汁が小さく沸き立つくらいに火加減を調整し、15分くらい煮たら、

  • うすくち醤油 大さじ1
  • 塩 1~2つまみ

を味をみながら加えてさらに10分くらい、計30分くらい煮る。

醤油を2回に分けて入れるのは、最初から入れてしまうと甘みが入らなくなるからだ。

 

最後に火をすこし強めて、

  • レタス (レタスは火が通るとビックリするくらいかさが減るから、5~6枚などかなりガッツリ使うようにする。5~10センチ大くらいにちぎる)

を入れ、レタスがしんなりとして煮汁が再沸騰してきたところで火を止める。

 

器によそい、一味をわりとたっぷり振る。

 

これは、ウマイ……。

 

スーパーで売っている鯛はどうしても鮮度が落ちるから、かなりがんばって下処理してもクサミが残るものなのだが、にんにくを入れることにより、それが完全に中和されてまろやかな味になる。

レタスと鯛の相性もバッチリで、これは正直、523.81回死んだ。

 

しかもきょうは自分でもビックリするほど、異様に仕事がはかどった。

やはり魚は、食べなければいけないと悟った次第なのである。

 

しかしこの鯛のすまし汁(にんにく入り)、予想がつくとは思うのだが、10,529回は死ぬほど酒に合うのだ。

酒が脳によくないのは知れた話なのであるが、僕は「だから飲みすぎるな」と言われるくらいなら、バカになってもかまわないのだ。

 

「それ以上バカになれないよ」

そうだよな。

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